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-障害のある労働者の長期縦断調査-

調査研究報告書 No.132
障害のある労働者の職業サイクルに関する調査研究(第4期) -第4回職業生活前期調査(平成26年度)・第4回職業生活後期調査(平成27年度)-

  • 発行年月

    2016年04月

  • キーワード

    職業生活の満足度 職業上のニーズ パネル調査

  • 職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目

    就労の「質」の把握

執筆者(執筆順)

執筆者 執筆箇所
土屋 知子 (障害者職業総合センター 研究員) 概要~第4章
佐藤 邦政 (障害者職業総合センター 研究協力員) 第3章第1、2節
田川 史朗 (障害者職業総合センター 研究協力員) 第3章第1、2節
鈴木 徹 (障害者職業総合センター 統括研究員) 第3章第3節
春名 由一郎 (障害者職業総合センター 主任研究員) 第4章第2、3節
山本 美奈子 (障害者職業総合センター 研究協力員) 第4章第2、3節

活用のポイント

様々な障害のある労働者について、その職業生活を平成20年度から平成35年度(予定)の16年間にわたって追跡する調査の中間報告である。8年間の調査結果から、調査対象者個人の属性による就職後の職業生活の満足度及び職業上のニーズに対する影響の一端が捉えられた。障害者の就職後の継続的な支援、ニーズを踏まえた個別的な配慮や支援の具体的な手がかりとして活用されたい。

研究の目的と方法

目的

全8期の調査を通して、障害のある労働者の職業生活の全体像を捉えることを目指す。今期の分析においては、職業生活の満足度と職業上のニーズに特に着目した。

方法

当事者団体等の協力により募集した障害のある労働者約1,200人に対し、2年に一度調査票を送り、職業生活に関する状況や意識について調査した。

研究の結果得られた知見

職業の満足度や職業上のニーズに対し、障害種類の影響が広範囲に見られたが、その他に性別や年齢、職場環境を含む様々な要因(企業規模、勤続年数、職場への障害の説明の程度、職場で得られている配慮等)が特定の領域の満足度やニーズと関連していた。以下は得られた結果の一例である。

「作業手順をわかりやすくする」配慮の有無と「職場の人間関係」の満足度の関係(一般化推定方程式による推定周辺平均値。エラーバーはWald95%信頼区間を示す)を掲載している。縦軸は、満足度(1=不満、5=満足)を表している。横軸は、①視覚障害、?聴覚障害、③肢体不自由、④内部障害、⑤知的障害、⑥精神障害の6つの項目を記載している。縦棒グラフは2種類あり(a)左側(灰色)では、作業手順の配慮なしを示している。(b)右側(黄色)は、作業手順の配慮ありを掲載している。①では、(a)約4.1と(b)約4.2であり、(a)よりも(b)の方が高い傾向にあった。?(a)は約2.6、(b)は約2.5であった。③(a)約3.7と(b)約4.2であり、(a)と(b)を比べると(b)の方が高い傾向にあった。④では、(a)約2.9であり、(b)約3.6であったことから(a)よりも(b)の方が高い傾向にあった。⑤(a)では、約4.0 であり、(b)は約4.1である。⑥(a)は約3.6であり、(b)は約4.6であったため(a)よりも(b)の方が高い傾向にあった。
「作業手順をわかりやすくする」配慮の有無と「職場の人間関係」の満足度の関係(1=不満、5=満足)
(一般化推定方程式による推定周辺平均値。エラーバーはWald95%信頼区間を示す。)

修正

調査研究報告書No.148及び関連する研究成果物等に数値等の誤りがあり修正いたしました。(令和2年11月27日)

令和2年11月27日の修正内容の一部を訂正しました。(令和2年12月8日)

修正内容については次のとおりです。また、次のダウンロードのPDFファイルは修正を反映したものです。

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サマリー

全文

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