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調査研究報告書 No.57
精神障害者等を中心とする職業リハビリテーション技法に関する総合的研究(最終報告書)

  • 発行年月

    2004年03月

  • 職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目

    評価/支援ツールの開発

執筆者(執筆順)

執筆者 執筆箇所
谷 素子 (障害者職業総合センター 統括研究員) 概要、はじめに
刎田文記 (障害者職業総合センター 研究員) 第1章~第3章、資料
吉光 清 (障害者職業総合センター 主任研究員) 第2章第4節5、終わりに
伊藤菜穂子 (障害者職業総合センター 研究協力員) 第2章第4節3(1)
岩崎容子 (障害者職業総合センター 研究協力員) 第2章第1節3(1)、第4節3(2)

(目的・方法)

精神障害者、高次脳機能障害者を対象とした職業リハビリテーション計画の策定に役立てられる評価・訓練(指導方法を含む)技法を開発するとともに、職業リハビリテーション・サービスの現場で利用可能な技法を整理し、総合的な情報として提供することを目的としている。

多様化する障害特性に対応する評価・訓練技法の課題に焦点をあて、職業リハビリテーション技法の開発を行った。具体的には、 ①技法開発(試作、試行、改訂、手引き作成等)、②開発した技法のパッケージ化のための検討、③内外の技法情報の収集、整理、④現場で利用可能な技法情報の作成、を通して、職業リハビリテーション技法の開発・検討を行った。

(結果の概要)

本報告書は、平成11年度から15年度にわたって実施した「精神障害者等を中心とする職業リハビリテーション技法に関する総合的研究」において開発した精神障害者及び高次脳機能障害者の評価・支援技法“職場適応促進のためのトータルパッケージ”について、その考え方や構成・内容をとりまとめたものである

トータルパッケージは、ウィスコンシン・カード・ソーティングテスト(WCST)、幕張ストレス・疲労アセスメントシート(MSFAS)、メモリーノート(幕張版)、ワークサンプル(幕張版)、グループワークから構成されており、これらを総合的に使うことにより、個人が作業や職務を遂行するうえで影響を与える幾つかの要因を把握するだけでなく、具体的にアプローチする手段を提供することができる。これは、対象者が実際の職場に近い作業を実施していく中で、作業ごとのエラー内容、作業時の疲労やストレスの現れ等、職場の中で生じるであろう障害の現れ方を体験し、気づくことができるよう支援し、その障害を補完する手段を得たり、職業生活全般についてのセルフマネージメントスキルを向上できるよう支援する技法である。

また、トータルパッケージがその機能を発揮するためのカリキュラム例も提案した。さらに、研究のまとめとしてトータルパッケージ試行の概要と今後の課題について述べた。

目次

  • 概要
  • はじめに
    • 1.平成14~15年度の研究活動
    • 2.本報告書の構成
  • 第1章 職場適応促進のためのトータルパッケージ(理論編)
    • 第1節 トータルパッケージの理論的背景
      • 1.はじめに
      • 2.トータルパッケージの概要
      • 3.トータルパッケージの流れ
      • 4.トータルパッケージのカリキュラム例
      • 5.トータルパッケージの機能
      • 6.トータルパッケージの効果
    • 第2節 トータルパッケージの実施上のポイント
      • 1.トータルパッケージにおける評価・訓練のポイント
      • 2.トータルパッケージにおける指導・支援のポイント
      • 3.トータルパッケージにおけるフィードバック・相談のポイント
  • 第2章 トータルパッケージ(各論編)
    • 第1節 Wisconsin Card Sorting Testの職リハサービスにおける活用
      • 1.WCSTの理論的背景と職リハサービスへの活用のコンセプト
      • 2.WCST利用の具体的手順
      • 3.WCSTデータ収集と結果の概要
    • 第2節 幕張ストレス・疲労アセスメントシート(MSFAS)
      • 1.幕張ストレス・疲労アセスメントシートの開発経過
      • 2.MSFASの改訂
      • 3.MSFASの活用方法
      • 4.MSFASの機能と効果
      • 5.MSFASの活用における課題と留意点とその対策
    • 第3節 メモリーノート(幕張版)
      • 1.メモリーノートと認知障害
      • 2.職業リハビリテーションにおけるメモリーノートの必要性
      • 3.M-メモリーノートとその機能
      • 4.M-メモリーノートの活用に向けた集中訓練
      • 5.M-メモリーノートの日常生活等への般化に向けた指導・支援
      • 6.M-メモリーノートの作業等への般化に向けた指導・支援
      • 7.般化促進支援の際の留意点
      • 8.今後の課題
    • 第4節 ワークサンプル(幕張版)(MWS)の理論的背景
      • 1.MWSの特徴とコンセプト
      • 2.MWSの構成・機能
      • 3.MWSの試行(健常者)データの概要
      • 4.MWSの試行(障害者)データの概要
      • 5.MWS実施のための標準化と基準の作成
    • 第5節 ストレス・疲労のセルフマネージメントトレーニング
      • 1.ストレス・疲労のセルフマネージメントに向けた取り組み
      • 2.ストレス・疲労のセルフマネージメントトレーニングの支援カリキュラム
      • 3.ストレス・疲労のセルフマネージメントト・スキルの支援効果
      • 4.ストレス・疲労のセルフマネージメントに向けた展望
    • 第6節 グループワークに関する理論的背景
      • 1.高次脳機能障害者のためのグループワークに関する先行研究
      • 2.グループワークの目的
      • 3.職業リハビリテーションにおける障害認識段階モデル(試案)
      • 4.トータルパッケージにおけるグループワークの実施
      • 5.トータルパッケージにおけるグループワークの機能と効果
      • 6.今後の課題
  • 第3章 まとめ~トータルパッケージ試行の概要と今後の課題~
    • 第1節 トータルパッケージ試行の概要
      • 1.障害者職業総合センターにおける試行
      • 2.広域・地域障害者職業センターにおける試行
      • 3.外部機関における試行
      • 4.まとめ
    • 第2節 今後の課題
      • 1.対象障害の拡大
      • 2.トータルパッケージと家族との連携
      • 3.トータルパッケージと事業所との連携
      • 4.標準化に向けた活動
  • 終わりに
  • 資料1 M-ストレス・疲労アセスメントシート(MSFAS)
  • 資料2 MSFASにおける課題分析リスト
  • 研究委員等名簿

令和2年度地方研究発表会資料

【テーマ】

障害の多様化に対応した職業リハビリテーション支援ツールの開発-ワークサンプル幕張版(MWS)新規課題の開発-

※発表資料は、研修に参加された方向けの補助資料として作成したものです。
※本資料のご利用にあたっては、研究企画部企画調整室へご連絡いただくとともに引用元の明記をお願いいたします。

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