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-情報共有のノウハウの普及とツールの開発-

調査研究報告書 No.146
効果的な就労支援のための就労支援機関と精神科医療機関等の情報共有に関する研究

執筆者(執筆順)

執筆者 執筆箇所
相澤 欽一 (障害者職業総合センター 主任研究員) 概要、第Ⅰ部、第Ⅱ部(第1章8(1)~(3) (7)、9、10(2)、第2章2、3、7、8以外)、第Ⅲ部
武澤 友広 (障害者職業総合センター 研究員) 第Ⅱ部(第1章8(1)~(3) (7)、9、10(2)、第2章2、3、7、8)、補論

研究の目的

本研究の目的は下記の2点です。

  • 支援機関と医療機関等の情報共有の視点やスキルの効果的な普及方法を明らかにします。
  • 情報共有により職場定着に資するための情報共有シートをはじめとした情報を共有するためのツールの開発や「主治医の意見書」の検討を行います。

活用のポイントと知見

効果的な就労支援のための就労支援機関と医療機関等との情報共有のノウハウを普及するための方法が紹介されており、機関間連携を促す研修等の企画・実施の参考になります。また、開発した「情報共有シート」は本人が自分の状況を見える化し、その情報を関係者と共有することで、適切なセルフケアやラインケア、外部の専門的なケアにつながるコミュニケーションを円滑にし、職業生活の継続に資することが期待できます。

基本的な知識の付与(研修講座)、地域事情の共有(パネルディスカッション)、地域課題改善のための方策の検討(グループワーク)、地域課題の継続的な検討(フォローアップ)、分からないことを質問できる仕組み(助言者の設置)といった取組により、支援者の情報共有行動の実施頻度が増加する等の知見が得られました。

本研究で実施した取組に参加した支援機関の職員について「取組の参加によって情報共有に関する行動が促されるか」を調べた結果を報告します。 「支援機関が医療機関に問合せをする際、相談経過や確認したい事項を、事前に文書などで伝えた」という行動が実施される確率が参加前は15%程度であったのに対し、参加後では54%程度に上昇しました。 同様に「就労支援中に問題が発生した際、支援機関が医療機関と協議した」という行動が参加前は25%程度であったのに対し、参加後では67%程度に上昇しました。
取組(研修講座等)への参加による行動の変化
情報共有シートを1か月以上利用した32事例について下記の効果を実感した支援者の割合
・支援者が障害のある本人(以下「本人」という)のセルフケアを意識して支援するようになった。100%
・本人が自分の状態を意識するようになった。97%
・本人が必要な対処行動をとれるようになった。72%
・(回答した機関以外の) 関係者の支援や配慮につながった。72%
「情報共有シート活用の手引」の表紙と本文(一部)の画像
情報共有シート活用の手引

令和2年度地方研究発表会資料

【テーマ】

効果的な就労支援のための就労支援機関と精神科医療機関等の情報共有に関する研究

※発表資料は、研修に参加された方向けの補助資料として作成したものです。
※本資料のご利用にあたっては、研究企画部企画調整室へご連絡いただくとともに引用元の明記をお願いいたします。

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