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-企業の意識・行動の調査結果から障害者雇用を考える-

調査研究報告書 No.143
障害者雇用制度の改正等に伴う企業意識・行動の変化に関する研究

執筆者(執筆順)

執筆者 執筆箇所
木野 季朝 (障害者職業総合センター 主任研究員) 概要、第1章、第2章、第3章、第5章
三輪 宗文 (障害者職業総合センター 統括研究員) 第3章の2~3
浅賀 英彦 (障害者職業総合センター 主任研究員) 第3章の2~3
宮澤 史穂 (障害者職業総合センター 研究員) 第3章の2~3、第4章

研究の目的

平成25年の障害者雇用促進法の改正では、障害者差別禁止及び合理的配慮の提供が平成28年4月から義務付けられました。さらに、平成30年4月からは法定雇用率の算定基礎に精神障害者が算入され、併せて法定雇用率も2.3%(当面は2.2%)に引き上げられることとなり、企業は対応を迫られているところです。

そこで、障害者雇用制度の改正等が、企業の意識・行動の変化にどのような影響を及ぼしているかを明らかにするとともに、有効な企業支援の在り方について検討しました。

活用のポイントと知見

  • ヒアリングによる企業調査の内容については、企業の障害者雇用に向けた独自の工夫や活動事例が障害者雇用に苦慮している企業にとっての課題解決の参考として活用いただけます。
  • 質問紙による企業調査の結果は、障害者雇用制度に対する企業の意識・行動を俯瞰することができることから(下図参照)、企業支援に向けた対応策を検討するための基礎的資料として活用いただけます。
  • また、合理的配慮提供義務規定に関する企業の認知状況やニーズを踏まえて、『合理的配慮提供のポイントと企業実践事例~「障害者雇用制度の改正等に伴う企業意識・行動の変化に関する研究」企業調査結果より~』を作成しました。適切な合理的配慮の提供に向けたマニュアルとして企業を始め就労支援機関等で幅広く活用できるものになっています。
この図には縦に並んだ5つの表が掲載されています。 1番上は、制度改正の認知状況についての表です。障害者差別禁止規定についての企業の認知度は69.7%、合理的配慮提供義務規定は49.0%、精神障害者の雇用率算入は68.0%、法定雇用率の見直しは79.1%でした。 2番目は、障害者雇用改正事項等の社内周知状況についての表です。障害者雇用の方針、障害者差別禁止規定、合理的配慮提供義務規定、法定雇用率の見直しのそれぞれについて、「A:本社・本店の雇用管理の責任者、担当者」、「B:事業所・事業部の雇用管理の責任者」、「C:一般正社員」、「D:A~C以外の全労働者」に対して周知をしているかどうかの割合が掲載されています。全ての法改正において「A:本社・本店の雇用管理の責任者、担当者」に周知している企業の割合が最も高く「D:A~C以外の全労働者」に対して周知をしている企業の割合が最も低いという結果でした。 3番目は、障害者雇用方針の策定状況についての表です。H24年度までの時期に障害者雇用方針があった企業は20.6%、H25~28年度までの時期が37.2%、H29~30年度の時期が41.9%でした。 4番目は、障害者差別禁止を踏まえた対応についての表です。対応の内容は、従業員数40~49人規模の企業は「対応の在り方を社労士等に相談」を行っている割合が最も高く、従業員数50人以上の企業は「情報収集の積極的な実施」が最も高いという結果でした。 5番目は、合理的配慮提供義務を踏まえた対応についての表です。全ての規模の企業において「情報収集の積極的な実施」を行っている割合が最も高いという結果でした。
平成25年「障害者の雇用の促進等に関する法律」の改正に対する企業における認知、周知状況等
マニュアル「合理的配慮提供のポイントと企業実践事例」の表紙と本文(一部)の画像
合理的配慮提供のポイントと企業実践事例 ~「障害者雇用制度の改正等に伴う企業意識・行動の変化に関する研究」企業調査結果より~

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