調査研究報告書 No.157
プライバシーガイドライン、障害者差別禁止指針及び合理的配慮指針に係る取組の実態把握に関する調査研究
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発行年月
2021年03月
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キーワード
プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン 障害者差別禁止指針 合理的配慮指針 企業と障害者の関係構築 コミュニケーションの工夫 社員の障害理解 働きやすい職場づくり
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職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目
執筆者(執筆順)
執筆者 | 執筆箇所 |
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野澤 紀子 (障害者職業総合センター 主任研究員) | 概要、第1章、第2章、第3章、第4章 |
宮澤 史穂 (障害者職業総合センター 上席研究員) | 第2章、第3章 |
研究の目的
企業におけるプライバシーガイドライン、障害者差別禁止指針及び合理的配慮指針を踏まえた取組と課題について、企業及び在職障害者へ調査を行い実態を把握することで、企業と障害者にとってより良い職場環境を検討していくことを目的としています。
活用のポイントと知見
- プライバシーガイドライン、障害者差別禁止指針、合理的配慮指針を踏まえて、企業がどのような取組を行っているのか、企業及び在職障害者へ調査を行った結果をまとめています。
- 障害者雇用に取り組む企業の方に、障害者に対する差別の禁止、合理的配慮の提供、障害者の把握・確認に係る手続きや対応の参考として活用いただけます。
- アンケート調査回答企業のうち障害者雇用企業(1,067社)における合理的配慮の取組状況上位5項目(図1)、在職障害者が勤務先で「配慮を受けている」上位5項目(図2)について、以下に示します。
企業と障害者の関係構築に必要な方策、支援
本調査研究では、企業調査と在職障害者調査を実施し、企業の取組と在職障害者の実態について考察しています。全体の傾向としては、企業の各指針についての認識は高く、必要な取組も相当程度行われており、障害者の認識も課題を感じていないと回答する者が多数を占めている結果であり、障害者を取り巻く職場環境は概ね良好であると推察されます。
このことを踏まえたうえで、双方が課題を感じている部分に焦点を当て、企業と障害者の関係構築に必要な方策、支援についてまとめています。
1 コミュニケーションの工夫
企業と障害者の関係構築を進める方法として、仕事上のコミュニケーションだけでなく日常的なコミュニケー ションや職場での支障を確認する等目的を明確にした面談の実施が考えられます。また、企業が採用後、障害者 一人ひとりの事情を把握する方法として、現場担当者を中心とした社員同士のコミュニケーションを促進する体 制を作ることも効果があります。このような社内のコミュニケーション方法を取ることが難しい企業には、社内 外の支援者(ジョブコーチ等)がコミュニケーションを支援している事例もあり、企業に対する支援の必要性が 感じられます。
2 社員の障害理解
企業が障害者雇用を進める中で、障害者が自身の障害について周囲に理解してほしいと希望している場合は、どのような障害状況でどのような配慮が必要なのか、上司や同僚が正確に理解するための取組が必要です。
社員の障害理解を進めるためには、①障害者本人への説明と同意、②上司や同僚に対する障害状況及び配慮事項等の説明、③日常的なコミュニケーションの推進、④合理的配慮にかかる対話、⑤合理的配慮に係る上司や同僚の理解、といった一連のプロセスが考えられ、そのプロセスを支える専門家の支援も必要であると考えます。
3 働きやすい職場づくり
働きやすい職場作りとは、企業と障害者がいかに話し合う関係を構築できるかがとても重要になると考えます。企業が相談窓口を設定し周知していても、直接的な形で申出ができない障害者もいることを考え、上司や同僚との日頃からのコミュニケーション、管理者による定期的な面談、外部支援機関の定着支援など、個別に応じた選択肢が用意されることが望ましいと思われます。障害の周知の方法や範囲と併せて、合理的配慮の申出方法についても、障害者であることを把握・確認した際に話し合っておくことで、その後の対話につながるのではないかと考えます。
※発表資料は、研修に参加された方向けの補助資料として作成したものです。
※本資料のご利用にあたっては、研究企画部企画調整室へご連絡いただくとともに引用元の明記をお願いいたします。
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