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-職業アクセス改善の取組経過と今後の展望-

調査研究報告書 No.138
視覚障害者の職業アクセスの改善に向けた諸課題に関する研究

執筆者(執筆順)

執筆者 執筆箇所
指田 忠司 (障害者職業総合センター 特別研究員) 概要、第1~3章、第5章
石黒 秀仁 (障害者職業総合センター 主任研究員) 第3章
杉田 史子 (障害者職業総合センター 研究協力員) 第4章

研究の目的

職種開発や職域拡大を含む視覚障害者の「職業アクセス」の改善に向けた従来の取組について、職業に関する社会制度、技術開発、雇用支援サービスの各分野における歴史的変遷を明らかにし、今後の視覚障害者の職業アクセスの改善に向けた方向性とそのために必要な方策のあり方について検討しました。

活用のポイントと知見

  • 重度の視覚障害があっても、伝統的職業の三療(あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう)のほか、障害のない人々と同様の業種に雇用されていることや、専門的な知識や経験を要する業務など、極めて多彩な業務に従事していることが明らかとなりました。
  • 担当業務の幅を広げるため、画面読み上げソフト等の支援機器の機能の向上と、スキルアップのための多様な訓練機会を求める声が多く聞かれました。
  • 職場環境の整備に関連して、パソコンやネットワークに精通し、かつ、視覚障害の特性や支援機器にも精通した支援者の配置、相談窓口の設置など、専門家による支援を求める指摘が注目されます。
  • 本人の意欲と一定の環境整備等があれば、視覚障害の程度に関わらず、業務の幅を広げながら働き続けることが可能であることが示唆されました。

アンケート調査における就業先の業種と業務内容(複数回答)の関係
  電話交換 三療等 コールセンター 営業 教職 システム 窓口相談 広報 経理事務 一般事務 計画立案 調査研究 管理職 その他
建設業 - - - 1 - - - - - 2 - - - 3
製造業 - 1 - - - 5 - - - 7 5 3 - 5
情報通信業 - 3 - - - 4 - 1 - 3 2 1 - 4
運輸業、郵便業 - - - 1 - - 1 1 - 1 1 1 - -
卸売業、小売業 1 2 1 1 - - 1 1 - 1 1 - - 1
金融業、保険業 - 1 - - - 1 1 - - 3 - - - -
不動産業、物品賃貸業 - - - - - 1 - - - 2 1 1 - -
学術研究、 専門・技術サービス業 - - - - - - - - - 1 1 - - -
宿泊業、 飲食サービス業 - - - - - - - - - 1 - - - 1
教育、学習支援業 - - - 1 11 - 1 1 - 2 2 6 - 1
医療、福祉 1 6 2 2 2 3 11 6 1 4 7 1 5 18
サービス業 (他に分類されないもの) - - - - - - - - - 2 - - - -
公務 (他に分類されるものを除く) - - - - - - 1 - - - 1 2 - 1
2 13 3 6 13 14 16 10 1 29 21 15 5 34
  • ※業種と業務内容の両方が明らかな者のみ計上
  • ※横軸=業務、縦軸=業種
  • ※表中「-」は今回の調査研究では事例が無かったことを表す

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