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ポスター発表

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
  また、共同研究者については省略しています。

1 社内支援スタッフの支援技術向上に係る人材育成の取組みについて~スタッフの職責に応じた階層別集合型研修の開発~

【発表者】

菊池 ゆう子(株式会社スタートライン CBSヒューマンサポート研究所 主任研究員)

【発表概要】

弊社は、障害者及び事業主の双方に対して、採用準備から職場定着までのトータルなサポートを行っており、社内支援スタッフによる専門的な職業リハビリテーションサービスの提供を事業の基盤としている。本発表では、厚生労働省における『障害者就労を支える人材の育成・確保』に則り、社内支援スタッフの支援技術向上を目的とした職責に応じた集合型研修について、研修のカリキュラム、評価方法の見直しを行なった内容を報告する。

2 チーム活性化に役立つPROSOCIALアプローチについて事例発表

【発表者】

金 貴珍(株式会社スタートライン コンサルティングサービスチーム サービス責任者)

【発表概要】

コンサルティングサービスチームは、障害者雇用における企業内の課題に合わせてサービスを提供する部署である。チームメンバーは、様々なバックグラウンドを持っており、また業務特性上各メンバーの働き方も担当業務に左右される。2022年より新チームへの変遷に伴いProsocialをチーム運営に導入し、現在も実施し続けている。本発表ではProsocialを導入したことで、チームがどう変化したかについて発表する。

3 業務上のコミュニケーションに課題があったてんかんを持つ成人に対する関係フレームスキル訓練の実施とその効果

【発表者】

香川 紘子(株式会社スタートライン CBSヒューマンサポート研究所 研究員)

【発表概要】

関係フレームスキル(RFS)は人の言語の基盤と考えられ、RFS訓練は言語・認知能力の向上に有効な手段とされている。本発表では、自身の知らないことに気づきづらく業務遂行に課題のあるてんかんを持つ成人に対して、RFSの評価を行った上で、約3ヶ月間、PC上で実施できるRFS訓練を行った。訓練の結果、RFSの評価結果は改善され、職場でのコミュニケーションや業務遂行にポジティブな効果が見られた。

4 職業リハビリテーションにおけるPBTの活用に向けて-EEMMグリッドについての理解を深める-

【発表者】

刎田 文記(株式会社スタートライン CBSヒューマンサポート研究所 主幹主任研究員)

【発表概要】

PBT(Process Based Therapy)は、進化科学に基づき変化のプロセスをネットワークを使って整理することで、そのプロセスの中での不適応を見いだし、適応への介入を検討する新しい、心理的アプローチである。PBTはEEMM(拡張進化型メタモデル)を変化プロセスのモデルとしている。本稿では、PBTで用いられるEEMMグリッドの構成や活用方法について、仮想事例を交えて解説する。

5 障害者雇用支援システム「Enable360」について

【発表者】

小倉 玄(株式会社スタートライン CBSヒューマンサポート研究所 所長)

【発表概要】

「Enable360」は、株式会社スタートラインが開発した障害者雇用支援のためのオンラインシステムです。ヘルスログの記録や心理的柔軟性向上のためのアクセプタンス&コミットメント・セラピーのエクササイズなどを提供しています。さらに、関係フレームスキルトレーニングの機能を追加し、職業生活だけでなく特別支援教育での活用も視野に入れ開発しています。「Enable360」の概要と活用事例を報告します。

6 PBT(プロセスベースドセラピー)に基づくアセスメントとマインドフルネストレーニングの効果

【発表者】

豊崎 美樹(株式会社スタートライン CBSヒューマンサポート研究所 支援SV)

近年、診断名によらず当事者の機能に着目してアプローチを検討するPBTの有用性が確認されている。当社のサポーターも入社時の様々な評価のみを根拠とするのではなく、課題発生時点での当事者の心のネットワークを分析し、必要なアプローチを講じている。本発表では、障害者のサテライトオフィスで働く中で困難が生じた当事者1名への、PBTのEEMMグリッドを使ったアセスメント・分析・支援の効果について検討し発表する。

7 発達障害のある学生の教育から就労への移行支援のための研修教材の開発

【発表者】

清野 絵(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 研究室長)

我々は、これまで発達障害のある学生(疑いのある学生を含む)の、教育から就労への移行と職場定着を支援するため、文献調査や大学(キャリアセンター)、企業への質問紙調査等を行ってきた。その結果、大学の支援人材育成や学生・保護者への支援、企業との連携に活用できる教材の必要性が示唆された。本発表では、一連の研究を基に、現在開発中の大学職員、発達障害学生、保護者、企業向けの移行支援に関する研修教材を紹介する。

8 障害のある生徒への就労のアセスメントの活用状況と課題①:発達障害者支援センター・障害者就業・生活支援センターへの調査から

【発表者】

榎本 容子(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 発達障害教育推進センター 主任研究員)

本研究では、地域の就労支援ネットワークの中で、高等学校への就労に関する相談支援を行うことが想定される発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センターを対象とし、高等学校等との連携状況と、障害のある生徒の進路指導に当たり活用している就労に関わるアセスメントツールを尋ねた調査結果を報告する。

9 障害のある生徒への就労のアセスメントの活用状況と課題②:特別支援学校への調査から

【発表者】

相田 泰宏(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 情報・支援部 主任研究員)

本研究では、特別支援教育に関する地域のセンター的機能として、高等学校への相談支援を行うことが想定される特別支援学校を対象とし、高等学校等との連携状況と、障害のある生徒の進路指導に当たり活用している就労に関わるアセスメントツールを尋ねた調査結果を報告する。

10 肢体不自由がある生徒の就労に関する現状と課題への一考察

【発表者】

愛甲 悠二(埼玉県立越谷特別支援学校 進路指導部 進路指導主事)

本校は児童生徒数230人の肢体不自由特別支援学校である。卒業後はほとんどの生徒が福祉事業所を利用しており、就職希望者は少ない。筆者としては、その人に合った柔軟な環境(勤務時間、雇用形態、雇用管理等)設定ができる企業が増えることで、「働いてみたい」と思える児童生徒が増えることに繋がると考えている。本発表では、肢体不自由特別支援学校における就労に関する課題について一考察を行うことを目的とする。

11  生徒のキャリア形成に寄与するリフレクションガイドの開発

【発表者】

今井 彩(秋田大学教育文化学部附属特別支援学校 高等部 教育系スタッフ)

生徒が自分の課題を認識し、日々の学習活動の中で自ら課題解決していけるような自律的・自発的な行動を引き出すため、教員が生徒と一緒に現場実習を振り返る場面で活用できる補助ツール「リフレクションガイド」の開発を目的に、特別支援学校教員(12名)に対してデルファイ法による調査を実施し、リフレクション項目を確定した。

12  家庭と連携した発達障害のある子どものキャリア発達支援の課題と今後の展望:家庭向けキャリア教育の手引きの作成過程から

【発表者】

新堀 和子(LD等発達障害児・者親の会「けやき」 会員)

我々は、発達障害のある子どもの就労を見据え、学齢期から家庭で取り組めるキャリア発達支援プログラムの作成を進めている。作成にあたっては、就労を見据え求められる力を整理し、それを家庭教育と関連付け整理した。現在、その内容を、学校や放デイの支援のもと、家庭で無理なく取り組んでいくための手引きの作成を進めている。本発表では、手引きの作成過程から見えてきた家庭におけるキャリア発達支援の課題と展望を報告する。

13  職場適応援助者からの援助が雇用現場に及ぼす影響-自閉スペクトラム症者を雇用する事業所の調査から-

【発表者】

松田 光一郎(花園大学社会福祉学部 准教授)

職場適応援助者の援助が雇用現場に及ぼす影響を検討するため、自閉スペクトラム症者と直接関わりのある上司や同僚に面接調査を実施し、職場適応援助者の援助により、障害者雇用に対する意識がどのようなプロセスを経て変容するのかを検討した結果、職場適応援助者の援助は、上司や同僚の不安を低減させるだけでなく、彼らの自発的な行動を促し、障害者雇用のイメージをポジティブに捉えるきっかけになっていることが示唆された。

14 就労支援施設における当事者と支援者を支援する協働型ICT支援システムの紹介

【発表者】

小越 咲子(福井工業高等専門学校 電子情報工学科 教授)

近年、障害者就労支援においてICTが効果的に活用されることが期待されており、その重要性も高まっている。一方で、支援者不足や支援者の業務負担の多さや教育現場とのデータ連携について、課題となっている。そこで、ICTを用いて日々の行動記録を蓄積・即時的・密に情報共有し、当事者と支援者を支援する、協働型ICT支援システムについて紹介を行う。さらに就労支援施設における実証実験の事例について紹介する。

15 職場復帰支援におけるキャリア再形成に関する調査研究

【発表者】

齋藤 友美枝(障害者職業総合センター 主任研究員)

メンタルヘルス不調や高次脳機能障害等により、やむなく休職に至った場合における社員の復職では、いわゆる外的キャリア(経験した仕事の内容や実績、組織内の地位等)の視点だけでなく、内的キャリア(職業生活における歩み等に対する自分なりの意味づけ)の視点も必要となるケースが多くみられる。本発表では、支援の実態や課題を把握するための支援機関に対する調査の考え方や今後の研究の方向性について報告する。

16 高次脳機能障害者の就労に役立つ視聴覚教材の開発

【発表者】

武内 洵平(障害者職業総合センター職業センター 障害者職業カウンセラー)

障害者職業総合センター職業センターでは、高次脳機能障害者を対象に、①高次脳機能障害について学び障害特性の理解を深めるためのグループワーク、②補完行動の獲得、③自己管理能力の向上を図るためのメモリーノート訓練などを実施している。今般、これらを個別支援やオンライン支援でも活用できるよう、内容を改めて整理した視聴覚教材の開発にも取り組んでいる。本発表では、その開発状況について中間報告を行う。

17 精神障害のある求職者の疾患別の動向について~2018障害求職者実態調査から~

【発表者】

浅賀 英彦(障害者職業総合センター 主任研究員)

精神障害のある求職者を対象とした調査としては2018年に全国のハローワークを対象に行った障害求職者の実態調査があるが、この調査は三障害すべてを対象としたものであり、精神障害のみに着目した疾患別の詳細な分析は行われていない。今回はこの調査のデータを用いて障害の開示の意向や希望する配慮など精神障害のある求職者の状況について疾患別に分析する。

18 中高年齢障害者の雇用継続支援及びキャリア形成支援に関する文献検討

【発表者】

武澤 友広(障害者職業総合センター 上席研究員)

労働人口の高齢化に伴い、職業リハビリテーションの対象となる障害者の高齢化も予測される現状において、中高年齢障害者が職場や地域社会において活躍し続けることのできる社会を形成するための障害者と事業主双方への専門的支援のあり方の検討が急務となっている。本発表では、中高年齢障害者の雇用継続支援及びキャリア形成支援に関する先行研究の知見を整理し、今後明らかにすべき事項を検討した結果を報告する。

19 企業における中高年齢障害者に対する配慮と課題に関する検討

【発表者】

宮澤 史穂(障害者職業総合センター  上席研究員)

中高年齢障害者の就業継続に取り組む企業においては、若年障害者の雇用とは異なる課題に直面したり、新たな配慮を実施していることが想定される。本発表では、調査研究報告書No.159「中高年齢障害者に対する職業生活再設計等に係る支援に関する調査研究」で実施した企業調査の中から、企業で実施されている配慮と企業が抱える課題に関して実施した再分析の結果について報告する。

20 在職障害者の余暇支援 ~ベビーリーフの活動~

【発表者】

村上 想詞(在職者の余暇サポート Baby Leaf)

日頃、ジョブコーチ支援等を通じて在職中の障害者を支援する中で、休日等の余暇活動が就労のモチベーションや職業生活の満足度に影響を及ぼすなど、ワークライフバランスの重要性を感じることが多い。そこで私達は、在職障害者の余暇活動を支援するボランティア団体を立ち上げ、昨年12月から活動を行ってきた。本発表では、当団体の活動とともに、参加者に実施した実態調査を分析し、今後求められる取組について報告する。