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資料シリーズ No.25
知的障害のある人のQOLとQWL─利用者主体の職業リハビリテーションを考えるにあたって─

  • 発行年月

    2002年03月

  • 職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目

    就労の「質」の把握

執筆・報告担当(執筆・報告順)

執筆者
田中 敦士 (特性研究部門 研究員)
松為 信雄 (特性研究部門 主任研究員)
長谷川恵子 (研究協力員)

(目的・方法)

知的障害者の職業リハビリテーションサービスでは、本人が主体性をもって職業生活を継続できるようなシステムが求められている。そのためには、この分野にかかわりを持つ、各種の専門職、研究者、行政担当者、さらには、家族、事業主等が共通して認識すべき基本的な概念を、改めて整理する必要がある。

そこで、本研究では、特に、働くことの意味や目的、労働生活の質(Quality of Working Life;QWL)、さらには生涯にわたる生活の質(Quality of Life;QOL)について焦点をあて、その考え方の整理に寄与する基礎的資料をまとめた。特に、全米知的障害協会(AAMR; American Association on Mental Retardation)の議論を集大成して1997年に刊行されたガイドブック「Quality of Life」を抄訳した。

(結果の概要)

第Ⅰ部

本書の目的、方法および構成を説明した。

第Ⅱ部

ガイドブック「Quality of Life」の内容についての抄訳である。その第1章から第4章までは、QOLをいかに理解し評価するかという基礎的な概念を取り上げている。第1章ではQOL研究の意義について、第2章ではQOLの概念について、第3章ではQOLの評価について、第4章ではQOLの概念と評価に係る課題をまとめた。また、第5章から第8章までは、QOLの概念を踏まえた上で、それを知的障害のある人へのサービスを提供したり、政策を立案する中でいかに適用したらいいか、また問題点や課題としてはどのようなことが挙げられるかについて言及している。第5章で障害者へのQOL適用の問題の所在を明らかにし、第6章でサービスの提供において留意すべきQOLの視点を明確にした。第7章では組織改革のために必要な方向性の知見をまとめ、第8章で公共政策への適用に係る諸問題を取り上げた。そして、第9章では、知的障害のある人のQWLの問題について総括した。

第Ⅲ部

QOLとQWLに関しての解説などを付け加えた。さらに、参考資料として、同ガイドブック刊行前の1990年代までのQOLに関する論議をまとめた論文を転載した。

目次

  • 第Ⅰ部 本研究の目的と方法および本書の構成
    • 第1章 問題の所在と目的
    • 第2章 方法
    • 第3章 本書の構成
  • 第Ⅱ部 QOLガイドブックの要点
    • はじめに
    • 第1章 QOL研究の意義
    • 第2章 QOLの概念
    • 第3章 QOLの評価
    • 第4章 QOLの概念と評価に係る課題
    • 第5章 障害者へのQOL適用の問題の所在
    • 第6章 サービスの提供において留意すべきQOLの視点
    • 第7章 組織改革のために
    • 第8章 公共政策への適用
    • 第9章 知的障害のある人のQWLの総括
  • 第Ⅲ部 QOLとQWLの解題
    • 第1章 QOLの概念について
    • 第2章 一般労働問題から障害者問題におけるQWLとQOL
    • 第3章 おわりに
  • 文献
  • 参考資料

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