調査研究報告書 No.63
高次脳機能障害者の就労支援-障害者職業センターの利用実態および医療機関との連携の現状と課題-
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発行年月
2004年03月
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職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目
執筆者(執筆順)
執筆者 |
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田谷 勝夫 (障害者職業総合センター 主任研究員) |
(目的・方法)
近い将来に全国展開が必要とされる高次脳機能障害者支援施策の中での職業リハの役割と医療リハとの連携のあり方を検討する際に必要とされる実証的データを障害者職業総合センターおよび地域障害者職業センターを利用した高次脳機能障害者の実態調査により提供することを目的とする。また、現場の第一線で高次脳機能障害者の就労支援にあたっている障害者職業カウンセラーが、医療機関との連携にあたり、どのような問題を感じているか、連携相手の医療機関に対してどのような要望があるか、などの意識調査により実現可能な連携策や役割分担などについて提案を行うことを目的とする。
(結果の概要)
本報告書は平成14年度から平成15年度にかけて行った「高次脳機能障害を有する者の就業のための医療リハとの連携及び家族支援のあり方に関する研究(サブテーマII、医療との連携)」の報告書であり4章で構成されている。第1章では高次脳機能障害者のリハビリテーションの現状と問題点について整理した。第2章では障害者職業総合センターを利用した高次脳機能障害者の障害特性を明らかにするとともに、彼らが職業センターを利用するに至った経過の詳細な分析を通して医療リハとの連携の実態について検討した。第3章では全国の地域障害者職業センターへのアンケート調査により、地域センターにおける利用の実態を明らかにするとともに、支援を直接担当している障害者職業カウンセラーが医療機関との連携に際してどのような問題を感じているか、またどのような要望を持っているか等の意見を集約し医療との連携の現状と課題について整理した。第4章では、実態調査を踏まえ、過去10年間における高次脳機能障害者に対する社会的認知など取り巻く環境の変化について考察するとともに、地域センターと総合センター利用者の特徴比較を通して、総合センター利用者から得られた結論が全国の地域センターを利用する高次脳機能障害者にも等しく適用できる理論的根拠を提供した。
目次
- 概要
- 第1章 本研究の背景
- 第1節 高次脳機能障害者のリハビリテーション
- 第2節 高次脳機能障害者のリハビリテーションの問題点
- 第3節 本研究の目的
- 第2章 障害者職業総合センター利用者調査
- 第1節 はじめに
- 第2節 目的
- 第3節 方法
- 1.調査方法
- 2.対象者
- 第4節 結果
- 1.背景情報と各種検査結果からみた障害特性
- 2.地域障害者職業センターへの来所経路
- 3.来所経路別にみた紹介者
- 4.地域センター来所時の同行者
- 5.地域センターから総合センターへの依頼
- 第5節 考察
- 第3章 地域センターアンケート調査
- 第1節 はじめに
- 第2節 目的
- 第3節 方法
- 1.予備調査(地域センターヒアリング調査)
- 2.本調査(地域センターアンケート調査)
- 第4節 結果
- 第5節 考察
- 1.利用実態調査から
- 2.職業カウンセラーへの質問調査から
- 3.連携上の課題に関する自由意見の集約
- 4.医療機関に対する地域センターからの要望
- 第4章 総合考察
- 第1節 総合センター利用者の変化
- 第2節 総合センター利用者と地域センター利用者の比較
- 付録① 地域障害者職業センター職業カウンセラーヒアリング事項
- 付録② 地域センターアンケート調査票
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