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調査研究報告書 No.38
「学習障害」を主訴とする者の就労支援の課題に関する研究(その1)—職業リハビリテーションの支援を利用した事例に基づく検討—

執筆者(執筆順)

執筆者
望月 葉子 (障害者職業総合センター 研究員)
向後 礼子 (障害者職業総合センター 研究員)
田谷 勝夫 (障害者職業総合センター 主任研究員)

(目的・方法)

「学習障害」を主訴とする青年のうち、数として多く、入職支援の緊要度の高い求職者として、知的障害のある青年に焦点をあて、就労支援の課題の検討を行った。本研究では職業リハビリテーションの支援を利用した事例をとりあげ、学齢期から青年期に至る過程における特性の概要、学校から職業の世界への移行と職業経験の内容、職業生活設計の見直しのタイミングと課題、について検討した。

(結果の概要)

問題の所在とその解明のための視点を整理するために、文部省の「学習障害」に関する最新の定義をめぐる問題を整理した。  まず、教育用語としての定義を検討し、職業リハビリテーションの対象となる青年の特性を検討した。また、特性を理解するために有効な評価を紹介するとともに、青年期の「学習障害」をめぐる議論の課題をまとめた。ついで、事例に基づいて、「学習障害」を主訴とする青年の就労支援の課題を検討した。ここでは、一般扱いで就職し、職場不適応並びに職務遂行困難により離職した事例が、どのような過程を経て職業リハビリテーションを選択し、就労を実現していったかについて詳細に検討した。さらに、「学習障害」を主訴とする青年が職業リハビリテーション・サービスを利用するまでの課題をまとめた。

目次

  • 序論 「学習障害」を主訴とする者の就労支援をめぐる議論の到達点
    …… 研究の背景と基礎的な知見について ……
  • 第Ⅰ部 問題の所在とその解明のための視点
    • 第1章 「学習障害」の定義をめぐって
    • 第2章 職業リハビリテーションと「学習障害」
  • 第Ⅱ部 「学習障害」を主訴とする青年の就労支援の課題 -事例に基づく検討-
    • はじめに
    • 第1章 事例の概要
    • 第2章 自己理解と職業生活設計の実際:新規学卒扱いによる初職離職まで
    • 第3章 職業評価 -職務遂行能力等に関する検査結果から-
    • 第4章 自己理解の深化と職業生活設計の見直し:職業リハビリテーションサービスを利用して第2職に入職するまで
    • 第5章 自己理解の揺らぎと職業生活設計の再構築:現職入職まで
    • おわりに ……青年期における自立への挑戦:生涯にわたる支援の必要性……
  • 第Ⅲ部 「学習障害」を主訴とする青年が職業リハビリテーション・サービスを利用するまでの課題
    • はじめに
    • 第1章 職業リハビリテーション・サービスを選択するまでの過程の課題
    • 第2章 職業リハビリテーション・サービスへの移行の課題
    • おわりに-今後の課題-

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