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-アセスメントシートの効果的な活用方法-

調査研究報告書 No.185
「就労支援のためのアセスメントシート」の効果的な活用方法に関する研究

  • 発行年月

    2026年03月

  • キーワード

    就労アセスメント アセスメントシート アセスメントツール 就労に関する希望・ニーズ 就労のための基本的事項 就労継続のための環境 個人と環境の相互作用 協同評価

  • 職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目

    評価/支援ツールの活用可能性の検討

執筆者(執筆順)

執筆者 執筆箇所
浅賀 英彦 (障害者職業総合センター 主任研究員) 概要、第1章
堂井 康宏 (障害者職業総合センター 統括研究員) 第2章第1節・第2節
田中 規子 (障害者職業総合センター 研究員) 第2章第2節
井口 修一 (障害者職業総合センター シニアリサーチャー) 第2章第3節・第4節、第3章、第4章

研究の目的

「就労支援のためのアセスメントシート」(以下「アセスメントシート」といいます。)については、効果的に活用するための実践知の蓄積が十分でないことが課題になっています。このような現状を踏まえ、アセスメントシートの活用方法、活用事例等の実践知を収集し、アセスメントシートの効果的な活用方法を検討することを目的としました。

概要

本調査研究では、就労支援機関から提供された事例情報、支援者への質問紙調査等の結果に基づき、アセスメントシートの効果的な活用方法を検討しました。

その結果、実施前の準備・情報収集、記載内容の説明、評価項目・評価領域の選択、協同評価の方法、効率的な実施のための工夫等について効果的な活用方法を提示しました。

活用のポイントと知見

  • 本調査研究の結果をもとに、調査研究報告書のほか、アセスメントシートの効果的な活用方法を支援者に読みやすいかたちで提供するための「活用ガイド」を作成しました。
  • 「活用ガイド」の構成は以下のとおりであり、アセスメントシートによるアセスメントを実施する際にご活用いただけます。
「活用ガイド」の構成を1列で表示している。第1章は1から5まで、第2章は1から8まで、第3章は1から3まで、それぞれの項目名を表示している。
「活用ガイド」の構成

アセスメントシートの記載内容の説明方法

対象者にとって特に理解が難しい言葉や文章について説明方法を検討し、「活用ガイド」にわかりやすい説明(例)を多数掲載しました。

記載内容の説明(例)を3列で表示している。左から1列目は領域名と設問番号を、2列目は特に理解が難しい言葉や文章を、3列目はわかりやすい説明(例)をそれぞれ表示している。
【一部抜粋】シートⅠ(就労に関する希望・ニーズ)における記載内容の説明(例)

評価項目・評価領域の選択方法

評価項目・評価領域の選択方法の原則と状況に応じた対策は、以下のとおりです。

■シートⅡ(就労のための基本的事項)の評価項目の選択

【原則】

対象者が希望している仕事や職場環境、生活環境で特に求められる評価項目を選択する。

【状況に応じた対策】

  • 対象者の希望している仕事や職場環境がはっきりとしない場合は、推奨項目を主体に選択する。
  • 対象者と支援者が協同評価を行うための情報が不足している項目がある場合は、それを除外して、両者が必要な情報を把握している項目のみ選択する。
  • 対象者の希望している仕事や職場環境が幅広い場合は、支援・配慮の必要性に応じて幅広く選択する。

■シートⅢ(就労継続のための環境)の評価領域の選択

【原則】

対象者が希望している仕事や職場環境、生活環境で配慮が必要な評価領域を選択する。

【状況に応じた対策】

  • 対象者と支援者が協同評価を行うための情報が不足している領域がある場合は、それを除外して、両者が必要な情報を把握している領域のみ選択する。
  • 対象者の希望する仕事や職場環境がはっきりとしない場合や幅広い場合は、あらかじめ評価領域を選択することはせず、上から順番にすべての領域のすべてのチェック項目について、支援・配慮の必要性を検討する。

協同評価の方法

協同評価における重要なポイントは、以下のとおりです。

■シートⅡ(就労のための基本的事項)の協同評価の方法

  • 各評価項目について、対象者の自己評価の理由を確認し、その後に支援者の評価とその理由を説明する。
  • 両者の評価が一致しない場合は、それぞれの具体的な事実(体験・観察)に基づく現状認識の相違点を確認したうえで、評価の対象とする具体的な場面や状況を想定し、その場面における対象者の適応状態を相談して評価を決める。
  • それでも評価を決めることが難しい場合は、どちらの評価を採用するか相談して決める(どちらの評価を採用したかを備考欄に記録しておく。)。

■シートⅢ(就労継続のための環境)の協同評価の方法

  • 各チェック項目について、対象者が支援・配慮が必要と考える(希望する)項目とその理由を確認し、そのあとで支援者の考えや意見を説明する。
  • 両者で支援・配慮が必要と考える項目が一致しない場合は、それぞれの現状認識の相違点を確認したうえで、評価の対象とする具体的な場面や状況を想定し、その場面における支援・配慮の必要性を相談して評価(必要な支援・配慮)を決める。
  • それでも評価を決めることが難しい場合は、どちらかというと対象者の考えを重視して決める。
  • 評価を決めた後、支援者から対象者に、具体的な支援・配慮の内容を再確認する。

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