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多発性硬化症

英語名 Multiple Sclerosis
略称 MS
区分 治療対象
就労実態情報 今回調査実施
日本の患者数 6247
程度判定基準の有無 3段階の生活指導の手引き
病気の内容 脳や脊髄の白質を侵す髄鞘破壊性の炎症(脱髄炎)。時間的、空間的に多発する。
サブタイプ 病型としてMSの他に、Devic病(視神経と脊髄に限局)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM;ウィルス感染を思わせるような経過)
病因 自己免疫機序の関与
性差 女性が1.7倍
発病年齢 15~50歳(若年成人に多い)
予後 MS型は発作を繰り返すたびに神経後遺症が重なり、運動機能障害が高度になる。
生存率 80%は天寿を全う。感染症によってきまる。
入院の必要 軽症は必要ない
就労の条件 管理区分Iは社会復帰可能、区分IIは日常生活から軽度運動程度。
視力障害 25~40%。失明に至ることもある
視野障害 中心暗点が特徴
色覚異常 色覚が失われることが多い
複視 あることもある
めまい 眼振があることがある
言語症状 断綴性言語(20%)
上肢障害 足や腕に痛みやしびれを感じる。
下肢障害 足や腕に痛みやしびれを感じる。
歩行能力 足を引きずって歩く
運動神経系 足や腕に痛みやしびれを感じる。痙性対麻痺(68%)
運動失調 失調性歩行、企図振戦、躯幹失調
膀胱障害 排尿障害35%程度(脊髄障害のため)。頻繁にトイレに行ったり、逆に尿が出ないなど。
直腸障害 まれにみられる
寒冷 病気の悪化
高温 体温の上昇に伴って神経障害が悪化する(Uthoff徴候)
空気環境 タバコは出来るだけ避ける
身体活動 日常の生活を送るべき。
過労 感染症に罹患しないように気をつける
精神的ストレス 避ける
日光 直射日光は出来るだけ避ける

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【資料出所】

障害者職業総合センター「難病等慢性疾患の就労実態と就労支援の課題」調査研究報告書No.30(1998)付録1

(注意)

本表は付録1を疾患別に掲載したものであり、報告書作成当時(1998年)の内容、表現であることに留意が必要である。