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第10分科会 障害者雇用を取り巻く諸課題

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
  また、共同研究者については省略しています。

1 ノーマライゼーション推進事業における地域との連携

【発表者】

角 智宏(社会福祉法人清流苑 法人本部 本部長)

【発表概要】

コロナ渦でなかなか思うような活動ができない中、利用者のみなさんがテイクアウト販売を通じて市民の方と交流する取り組みを発案しました。これが「ノーマライゼーション推進事業」です。コミュニケーションに課題を抱える利用者の方、コロナ渦で収益が落ち込んだ飲食店の皆様、入場制限等で活気を失いつつあった公共施設。それぞれが笑顔になった取り組みの様子を皆様にお伝えしたいと思います。

2 聴覚障害のある社会人を対象としたリカレント教育プログラムの実践報告-時代の潮流に合わせたDX、D&Iスキルの育成-

【発表者】

後藤 由紀子(国立大学法人筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 助教)

【発表概要】

筑波技術大学は聴覚・視覚障害者のための大学であり、卒業生をはじめとした障害のある社会人に対するリカレント教育に意欲的に取り組んでいる。特に2021年度からは3年連続で文部科学省が募集するリカレント教育推進事業に採択され、聴覚・視覚障害者向けカリキュラムの開発・改善を続けてきた。本発表では、聴覚障害者向けリカレント教育プログラムの変遷と今年度の実施事業概要について紹介する。

3 地域就労支援機関の支援実務者のやりがいと人材育成の課題-全国調査結果から-

【発表者】

竹内 大祐(障害者職業総合センター 上席研究員)

【発表概要】

2021年12月から2022年1月にかけて、全国の障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所、就労定着支援事業所等の人材育成の実態を把握した。その結果、就労支援の支援効果を高める人材育成の多面的なポイントが明らかになった。本発表では、その中から、就労支援実務者のやりがい(成長、有用感、社会的評価)に影響する、組織目標と事例の共有、支援課題の解決の実感、障害者の権利実現等に焦点を当て紹介する。

4 障害のある労働者の職業サイクルに関する調査研究 結果報告-第1期~第7期調査に関する通貫分析の試行結果から-

【発表者】

野口 洋平(障害者職業総合センター 主任研究員)

【発表概要】

障害者職業総合センターは、2008年度から2023年度まで16年間の継続した質問紙によるパネル調査を約1,100名の障害者(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、内部障害、知的障害、精神障害)を対象に実施している。第7期調査研究では、第1期から第7期まで14年間のパネルデータを用いて、試行的に通貫分析を行った。その結果の概要について報告する。

5 障害・仕事・支援の総合的捉え方による諸外国の新たな職業リハビリテーションの動向

【発表者】

春名 由一郎(障害者職業総合センター 副統括研究員)

【発表概要】

就労困難性による障害認定、雇用の質、雇用と福祉の連携、支援者の人材育成等は、我が国の職業リハビリテーションの古くて新しい課題である。近年、国際的に障害・仕事・支援の捉え方の総合化とノウハウ共有が急速に進展し、諸外国で新たなアプローチが成果を上げている。代表例として、障害の人権モデル、ダイバーシティ&インクルージョン、ビジネスサービスと援助付き就業の統合、健康・労働・障害の一体的支援体制がある。