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第8分科会 企業における雇用定着の取組Ⅱ

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
  また、共同研究者については省略しています。

1 特例子会社におけるポジティブ行動支援の観点を取り入れたチャレンジドの育成・支援体制構築の試行

【発表者】

山田 康広(中電ウイング株式会社 東新町支社 係長)

【発表概要】

当部署は、精神・発達障がいのチャレンジドが多種の事務補助業務に従事しており、従来よりポジティブ行動支援(以下、PBS)などさまざまな実践をしてきた。規模拡大に伴う育成・支援体制の課題を組織的に解決するために、教育分野で取り組まれているスクールワイドPBSを参考に、部署全体・小集団・個別の三層に整理した効果的・効率的な支援の実施を試みた。今後の本格的な導入や会社規模での実践のための課題も検討する。

2 障がい者の雇用管理を行う指導社員が抱える負担事項の整理について~ストレスチェック制度の集団分析の活用から~

【発表者】

横峯 純(株式会社JR西日本あいウィル 総務部企画課 兼 総務部ワーク・ライフ・サポートチーム 副課長)

【発表概要】

弊社では雇用する障がいが多様化し、特性に応じた個別対応が必要となっている。一方で現場指導社員は指導方法に苦慮することや他の障がい社員から挙げられる不平等感の調整に難航することが多い。また、指導業務以外に自身が担当する業務もあるため、精神的・身体的負担が高くなり、退職に至るケースも少なくない。本研究では、ストレスチェックの集団分析を活用することで指導社員の悩みや課題を整理する。

3 認知機能強化トレーニングを用いた定着支援についての事例研究

【発表者】

城 美早(株式会社あしすと阪急阪神 雇用推進室 相談窓口担当兼雇用推進担当 リーダー)

【発表概要】

弊社は阪急阪神ホールディングス株式会社の特例子会社として、障がいのあるスタッフを160名以上雇用している。順調にキャリアを伸ばすスタッフがいる一方、対人関係や業務習得に困難さを示すスタッフもいる。そこで、認知強化トレーニング(コグトレ)を実施し、対人関係の苦手さや業務習得状況に改善が見られるか、事例研究を行った。

4 Prosocialの概念を導入した多職種でのグループワークの実践およびその効果の検討

【発表者】

岩村 賢(株式会社スタートライン CBSヒューマンサポート研究所 研究員)

【発表概要】

昨今、進化論・文脈的行動科学・経済学を取り入れた組織的活動の実践方法であるProsocialが注目されている。そこで、文脈的行動科学による支援スキル向上を目的とした多職種による研究会にてProsocialの概念を導入したグループワークを実践した。Prosocialを体験的に学ぶことをグループの価値と定めて実践する中で、グループ内で心理的安全性向上や利他的な行動の増加が見受けられた。

5 障がい者主体による花壇メンテナンス作業の実現への取り組みについて

【発表者】

小泉 輝久(株式会社かんでんエルハート 園芸・商事グループ 主任)

【発表概要】

関西電力株式会社の事業所にある花壇のメンテナンス作業に、障がい者のみのチーム(精神障がい・知的障がい)で会社からトラックを運転して事業所を回り帰社する、という取組みにより、障がい者の自立、健常者の負担軽減につなげています。その取組みの工夫、苦労等を紹介いたします。