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第5分科会 キャリア形成、能力開発

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
  また、共同研究者については省略しています。

1 発達障害者当事者における「自己理解の支援」の意味についての探索的研究 -就労パスポートを活用したキャリア形成支援-

【発表者】

宇野 京子(職場適応援助者)

【発表概要】

発達障害者当事者が「生活の質」QOLを向上させたいと願い、パート職から正規職員へ転職するまでの約2年間の支援経過について整理をする。発達障害者当事者に、支援者が実施した自己理解の支援行動がどのような意味をもつのか、当事者の語りから心理的変化や厚生労働省が推奨する支援ツール「就労パスポート」の活用の効果について明らかにする。

2 国立職業リハビリテーションセンターにおける視覚障害者の就労支援-受障後に職業訓練を経て事務職へ就職した事例の課題と支援-

【発表者】

鈴木 幹子(国立職業リハビリテーションセンター 障害者職業カウンセラー)

【発表概要】

在職中、疾病により全盲となり、職業訓練を経て事務職での一般就職に至った事例報告。当校の視覚障害者情報アクセスコースにて画面読み上げソフト等の視覚障害者用のアクセスソフトを活用したOA機器操作の知識、技能の習得を行った上での就職支援。職業相談を通した職業選択の助言、採用面接の同行支援、ハローワークと連携した事業所開拓、訓練生情報を通した事業主支援の経過等を踏まえ、重度視覚障害者の課題と支援策を考察。

3 夢を育て認知機能の伸びしろを評価・共有することを通じ、知的障害者の主体性を育て、積極的な職場文化を作る試み

【発表者】

前川 哲弥(NPO法人ユメソダテ 理事長)

【発表概要】

企業就労知的障害者を主体性な能力開発努力に導く方法として、ICF国際生活機能分類の個人因子、社会貢献から出発する方法を模索した。東急百貨店たまプラーザ店に勤める障がいメンバーの夢を育てる傾聴伴走をした後、学習潜在力評価法(LPAD)で認知機能と伸び代を評価し、本人・職場・家族と共有し成長意欲を引き出した。更に職場の協力で継続的学習機会を設け、新たな職域開発を目指して、積極的な職場文化作りを行った。

4 デザイン思考で主体的に成長するプロを育てるための福祉事業所としての課題と今後

【発表者】

高橋 和子(有限会社芯和(cocowa) 就労継続支援事業所 就労支援員)

【発表概要】

デザイナー・イラストレーターを育ててきた中で、デザイン思考を実践し課題となったことを今後どのように解決していくか。マインドセットを変革する方法を、共感・問題定義・創造・プロトタイプ・テストの過程の中での、入れ替え・足す・あわせる・別のことに使うなどの手法を使い、課題を整理し、アフターコロナ後にデザインの仕事をどこまで広げられるかを目指す方向を模索した。

5 ストレングスモデルを軸においたキャリア形成への取組

【発表者】

久保田 直樹(特定非営利活動法人コミュネット楽創 就労移行支援事業所ホワイトストーン 就労支援員)

【発表概要】

障害や自身の性質、環境等の理由から短期間で離転職を繰り返すAさんの「同じ会社で定着して働きたい」という希望に対して、「何の為に働くのか」をテーマに、ストレングスモデル視点からキャリアの形成を共に考え、取り組んでいった事例について報告する。