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-障害者就業・生活支援センターの効果要因分析-

資料シリーズ No.89
地域の就労支援の現状把握に関する調査研究 -障害者就業・生活支援センターの活動に着目して-

  • 発行年月

    2015年04月

  • キーワード

    障害者就業・生活支援センター 効果要因 数値分析 統計分析

  • 職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目

    就労支援に関する状況等の把握

執筆者(執筆順)

執筆者 執筆箇所
松本 安彦 (障害者職業総合センター 統括研究員) 概要、第1章、第2章第1節、第4章
武澤 友広 (障害者職業総合センター 研究員) 第2章第2節、第3章、第4章第1節、補章
大石 甲 (障害者職業総合センター 研究協力員) 第2章第2節、第3章、第4章第1節
森 誠一 (障害者職業総合センター 主任研究員) 第4章第2節
榎本 容子 (障害者職業総合センター 研究員) 補章
清野 絵 (障害者職業総合センター 研究員) 補章

活用のポイント

本研究は、障害者就業・生活支援センター(以下「センター」という。)の成果や業務実績、利用者の登録状況、センターの特徴や活動区域(対象圏域)の状況等に関する広範な数値指標等を統計的に分析することで、「障害者就業・生活支援センターの成果に影響を与えている要因」を可能な限り実証的に明らかにする試みである。投資効果を高めつつ施策の推進を図ることが必要不可欠な中で、「その施策がより効果的となる条件は何か」、「実施に当たってより効果的な力の入れどころはどこか」を実証的に探ることに資する研究として位置づけることができる。

研究の目的と方法

本研究における主要な仮説と分析方法の概略は次の通りである。

ⅰ)「地域(対象圏域)の状況」、「センターの特徴」及び「センターの業務実績」は、センターの利用状況や成果に影響を与えている。その状況を実証的に明らかにするため、これらの間の相関分析と重回帰分析を実施する。
ⅱ)センターの利用状況や成果に対して強い影響を持つことが当然に前提とすることができる変数については統制変数として投入することで、その影響力を除去した上での他の変数の影響を検討することとする。

なお、利用者の障害の種別によって成果に影響する要因に違いがあるかどうかを検討するため、「すべての障害種別の利用者」に関する分析に加え、「知的障害のある利用者」及び「精神障害のある利用者」に関する分析も行った。

研究の結果得られた知見

本研究による分析では、センターの「相談支援」、「職業準備訓練・職場実習あっせん」、「基礎訓練」、「職場訪問による定着支援」等の基幹業務の実施がセンターの「障害者の就職・定着」という成果を促進する関係にあることが確認された。また、センターの支援担当者数と求職者数との間にもおおむね整合的な関係があること、センター運営法人が受託している委託訓練や兼業している就労移行支援事業・就労継続支援A型事業、センター運営法人所属のジョブコーチがセンターの利用状況や成果に影響を与えていることなど、センターの体制やセンター運営法人の他事業の兼業状況と、センターの登録状況や成果との関係の一端が明らかになった。センターの活動区域内の他の社会資源がセンターの登録状況等に影響を与えている状況や地域の労働市場状況(職種別有効求人倍率)のセンターの一般就職件数への影響等も分析結果に表れている。

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