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-職業リハビリテーションを担う人材の専門性とは-

資料シリーズ No.82
職業リハビリテーションを担う人材の専門性に関する基礎的研究

  • 発行年月

    2014年04月

  • キーワード

    職リハ人材の専門性 認定リハビリテーションカウンセラー(CRC) 社会福祉士

  • 職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目

    職リハ人材の専門性の把握

執筆者(執筆順)

執筆者 執筆箇所
森 誠一 (障害者職業総合センター 主任研究員) 第1章、第2章
白兼 俊貴 (障害者職業総合センター 統括研究員) 第2章、終章
下條 今日子 (障害者職業総合センター 研究員) 第2章、第3章
若林 功 (昭和女子大学人間社会学部福祉社会学科 助教) 第2章、第3章
八重田 淳 (筑波大学人間総合科学研究科 生涯発達科学専攻 准教授) 第3章
ハイケ・ボエルチッグ・ブラウン (マサチューセッツ州立大学ボストン校
地域インクルージョン研究所 上級研究員)
第3章

活用のポイント

今後、職業リハビリテーションを担う人材(以下「職リハ人材」という)の専門性の向上を検討する際の基礎的な情報を提供するための資料として活用が期待される。

研究の目的と方法

職リハ人材に求められる専門性に関する必要な知識・スキル、養成等についての研究を今後さらに推進するための基礎的研究として、①職業リハビリテーションに携わっている者がもっている職リハ人材の専門性に関する認識の整理、②職リハの隣接分野である「対人援助職」(社会福祉士)に求められるスキル等の人材育成に関する文献調査、③アメリカにおけるリハビリテーションカウンセラー等の専門性を担保するための仕組みやその具体的な取り組みに関する専門家ヒアリングを実施した。

研究の結果得られた知見

  • (1)職業リハビリテーションに携わっている者がもつ職リハ人材の専門性に関する認識の整理
    • イ 職業リハビリテーション研究発表会「発表論文集」の記述からの整理
      • 職リハの専門性に言及した事項を踏まえ、カテゴリー化を試みた結果、「支援テクニック」「支援態度」「知識・情報」「連携」の4つのカテゴリーに整理され、職リハ人材の専門性の中心は、「支援テクニック」に関する内容であることが確認された。また、職リハ人材の種別と専門性(上記4つのカテゴリー)との関係をみたところ、①障害者職業カウンセラーは、全カテゴリーにわたる専門性が期待されている、②障害者職業カウンセラー、職業訓練指導員、ジョブコーチは、事業主に対する啓発・研修や他の支援者等に対する研修・育成が期待されている、③ジョブコーチは、課題へのタイムリーな対応が求められている、④特別支援教育関係者は、いわゆる「School to Work」の支援として、本人・家族の受容や関連制度の理解などが重要である、⑤医療リハスタッフは、当事者の家族も含めての即時対応や職リハ担当者と相互理解の取組が重視されている。
    • ロ 当機構の刊行する調査研究報告書等(ヒアリング調査結果の記述)からの整理
      • 職リハの専門性に言及した事項を踏まえてカテゴリー化を試み、①「サービスの提供に必要な機能・役割」、②「ネットワークの形成に必要な機能・役割」、③「専門性の向上に必要な機能・役割」の3つの視点から整理した。
      • 上記①は、抽出された事項数が多かったカテゴリーとしては、「アセスメントをする力」「雇用への移行を支える」「企業に対する支援」に関する事項であった。②は、“コーディネーターとしての役割”、“役割分担の整理”、“他職種の専門家を活用”等の要素に関する事項が挙げられた。③は、“対象者にコミットする際の留意点”、“支援者をバックアップするもの”、“人材育成” の要素に関する事項が挙げられた。
  • (2)アメリカにおけるリハビリテーションカウンセラー等の専門性を担保するための仕組み・取組み
    • リハビリテーション教育の概念、「認定リハビリテーションカウンセラー」の資格取得および取得後の継続教育の仕組み、専門職としての役割・機能について整理した。その上で、認定リハビリテーションカウンセラー等の人材の養成に必要な教育・技術支援について、マサチューセッツ州立大学ボストン校および、同大学附属施設(グローバルインクルージョン・社会開発学部、地域インクルージョン研究所(ICI))における実践の取組みの内容を整理した。

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