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調査研究報告書 No.66
視覚障害者のための遠隔教育教材に関する研究

  • 発行年月

    2005年03月

  • 職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目

    訓練/支援プログラムの開発

執筆者(執筆順)

執筆者
坂尻 正次 (障害者職業総合センター研究員)

(目的・方法)

情報技術が普及する中、教育・職業訓練等での遠隔教育の利用が注目されている。一般のWeb教材は画面を見ながらマウスを操作するが、マウスの操作が困難な視覚障害者がこれを利用することは難しい。そこで、本研究では視覚障害者が利用可能な遠隔教育教材を開発することを目的として研究を行った。本研究では、視覚障害者が就労する際に必須と考えられるWordとExcelの教材を開発することにした。

(結果の概要)

WordとExcelの視覚障害者用の教材は非常に少なく、入手可能なものでも、初心者レベルの教材だったので、第1次試作では、通信教育教材として利用可能な教材(テキスト版)を開発した。評価の結果、スクリーンリーダーを使用する視覚障害者が教材の指示に従った操作に専念できるように、CDプレーヤー等で内容を確認しながら学習できる録音教材(CD版)のニーズが挙げられた。

そこで、第2次試作では、録音教材の開発を行った。Word用・Excel用録音教材で合計して音楽CD12枚となった。完成した第2次試作教材を視覚障害者教育・訓練機関等に配布し、評価をして頂き、今後の改良等の示唆を得た。

さらに、テキスト版をもとに、視覚障害者がインタラクティブな形で教材を利用できる可能性のあるHTML教材を試作した。

これまでの評価で、指導者用のマニュアルが必要であるという意見がいくつか挙がっていたので、第3次試作では、スクリーンリーダーを熟知していない主に晴眼の指導者を対象とする指導者用マニュアルを開発した。WordやExcelそのものには精通していても、キーボード操作を知らない指導者が少なくないからである。具体的には、マウス操作とキーボード操作の対比による説明を加えたり、操作画面図を用いて解説する等の配慮をした。

目次

  • 概要
  • 第1章 背景と目的
  • 第2章 視覚障害者用遠隔教育教材 第1次試作(テキスト版の開発)
    • 第1節 第1次試作教材の仕様
    • 第2節 第1次試作教材の評価と対処方針
  • 第3章 視覚障害者用遠隔教育教材 第2次試作(テキスト版の改良と録音教材の開発)
    • 第1節 第2次試作教材の仕様
    • 第2節 第2次試作教材の評価
  • 第4章 遠隔教育教材のHTML化
    • 第1節 95ReaderのHTML読み上げ機能強化
    • 第2節 教材のHTML化
    • 第3節 読み上げに最適なHTML構造に関する評価
  • 第5章 視覚障害者用遠隔教育教材 第3次試作(指導者用マニュアルの開発)
    • 第1節 第3次試作教材(指導者用マニュアル)の仕様
    • 第2節 試作教材の例
    • 第3節 第3次試作教材(指導者用マニュアル)の評価
    • 第4節 今後の課題

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サマリー

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