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調査研究報告書 No.51
ユーザーニーズに基づいた拡大読書器の開発─中途弱視者に配慮した拡大読書器の開発に関する研究─

  • 発行年月

    2002年09月

  • 職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目

    就労支援機器の開発

執筆者(執筆順)

執筆者
岡田伸一 (障害者職業総合センター主任研究員)

(目的・方法)

職場や学校等で拡大読書器を長時間使用しなければならない弱視者のニーズに対応した拡大読書器を試作し、その基本仕様と試用評価結果をメーカーをはじめ関係者に提供し、試作拡大読書器の製品化を目指す。

(結果の概要)

拡大読書器は弱視者の重要な就労支援機器で、開発から四半世紀以上が経過し、技術的には確立した支援機器のようにみえる。しかし、職場等でのユーザーからは、小型・軽量化への強い要望がある。そこで、従来の据え置き型に替わる液晶モニターとフリーアームを活用した「省スペース型」と、これまで見落とされがちであった職場や学校の中での移動を容易にする「構内可搬型」の2種類の拡大読書器の試作を行った。さらに、この研究から、日本初のノートパソコン利用型の拡大読書器も生まれている。


試作拡大読書器写真
省スペース型試作拡大読書器
省スペース型試作拡大読書器の写真。可動式アームに接続された液晶モニターの裏にカメラが下向きに付属し、机上の原稿が液晶モニターに映し出されている。液晶モニターは正方形で、一般の据え置き型の拡大読書器の画面とほぼ同じ大きさ。 省スペース型試作拡大読書器
構内可搬型試作拡大読書器
構内可搬型試作拡大読書器の写真。原稿を載せ前後左右にスライドするXYテーブルの奥に、省スペース型試作拡大読書器よりも細い可動式アームが立ち、その先に液晶モニターが付いている。写真ではカメラの位置はわからない。液晶モニターは横長の長方形で、サイズは一般の据え置き型より小さい。 今後、モニターサイズを5.6インチから10インチ程度に改良する予定である。
ノートパソコンを利用した携帯型拡大読書器
ノートパソコンとコードでつながれ、原稿の上に置かれた、片掌で握れるほどの大きさの機器の写真。機器は原稿の上に横向きに浮かび、Lの字の足で自立している。機器の先から真下の位置にある文字が、ノートパソコンのモニターに拡大して見えている。 USB対応の小型カメラ(約300g)をパソコンに接続するだけで簡便な拡大読書器機能を実現する。平成14年12月よりベスマックス社から「デジタルルーペ」の商品名で発売された。
 

目次

  • 概要
  • はじめに
  • 第1章 拡大読書器の概要
  • 第2章 省スペース型拡大読書器の試作
  • 第3章 構内可搬型拡大読書器の試作
  • 第4章 提案
  • 終わりに
  • 資料

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