調査研究報告書 No.24
重度障害者の職域拡大のための総合的就労支援技術の開発-その5- 下肢障害者用オフィス車いすの開発
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発行年月
1998年03月
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職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目
執筆者(執筆順)
執筆者 |
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坂尻正次 (障害者職業総合センター 研究員) |
荻野昭二 (全国脊髄損傷者連合会 相談役) |
廣瀬秀行 (国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部高齢障害者福祉機器研究室 室長) |
木之瀬隆 (東京都立医療技術短期大学 作業療法学科 助手) |
河合俊宏 (埼玉県総合リハビリテーションセンター リハビリテーション工学研究室 技師) |
下平智弘 (タカノ株式会社 営業開発本部 福祉機器部 課長) |
(概要)
本研究は、就労している下肢障害者のために快適な就労環境を提供することを目的として始められた。就労する下肢障害者、特に車椅子ユーザーにとって一番重要なことは、移動と姿勢保持であるが、就労する車いすユーザーの現状をみると、必ずしもこの2つが満たされているとは言い難い。実際、就労する車いすユーザーのほとんどは、通勤とオフィスで同一の車いすを使用しているが、その車いすは、移動性や収納性に重点を置いて姿勢の保持についての考慮はあまりなされていない。また、姿勢保持への配慮の不足から生じる腰痛や褥瘡の発生は、就労する車いすユーザーがその職業能力を100%発揮することを妨げるだけでなく、ひいては職場全体の不利益にもつながる。本研究では、以上のことを考慮し、オフィスでの移動性を損ねることなく、姿勢保持性能が高く、疲労の発生が少ない下肢障害者用オフィス車いすの開発を進めてきた。本報告書は、この中間報告にあたる。
第1章
本下肢障害者用オフィス車いすについて、その開発の目的と意義について述べる。本章では、まず、就労する車いすユーザーにとって、疲れないで長く作業が続けられる合理的な車いすの重要性について問題提起している。そして、その問題を改善するため、人間工学的に合理的なよい姿勢を保持し、なお、高いところに手が届くようにリフト機能を備えた「専用」のオフィス車いすの開発を提案している。
第2章
本下肢障害者用オフィス車いすの開発経過について、ニーズの把握から基礎データの収集、そして第1次試作機の製作まで、順を追って説明している。
第3章
オフィスなどの就労環境でどのような車いすが必要とされているかを調査した結果について述べている。具体的には、グループインタビュー、アンケート調査、事業所への訪問調査を行った。
第4章
試作機を設計する上で必要とされる基礎データの収集を行った結果について述べている。第1節では、姿勢データの収集、第2節では、オフィスを想定した環境で走行実験を行い、どのような車いすがオフィス環境での移動に最適かを評価した結果について述べている。
第5章
ニーズの把握、基礎データの収集で得られた結果をもとに試作された第1次試作オフィス車いすについて述べている。
目次
- 概要
- はじめに
- 第1章 開発の目的:本開発の意義
- 第2章 開発作業の経過
- 第3章 ニーズの把握
- 第4章 基礎データの収集
- 第5章 第1次試作機の概要
- おわりに
- 資料
ダウンロード
分割
- 第1章・第2章・第3章(PDF/1.19MB)
- 第4章(PDF/1.09MB)
- 第5章(PDF/385.73KB)
冊子在庫
あり