調査研究報告書 No.123
訓練・学習の進捗等に配慮を要する学生に対する支援・対応に関する研究 -ポリテクカレッジ等における取組の現状と課題-
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発行年月
2015年03月
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キーワード
発達障害 教育・訓練機関 ポリテクカレッジ 障害に関する専門機関
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職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目
執筆者(執筆順)
執筆者 | 執筆箇所 |
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松本 安彦 (障害者職業総合センター 統括研究員) | 第Ⅰ部 |
活用のポイント
教育・訓練機関における発達障害を有する学生等に対する配慮・支援の重要性が広く認識されつつある中で、当機構では、ポリテクカレッジ等の職業能力開発業務と、障害者職業リハビリテーション業務を併せ持つことのシナジー効果を追求しながらの取組を行ってきた。本報告書の第Ⅰ部はポリテクカレッジ等における取組の背景、内容、経過、論点、残された課題等についての調査研究報告書であり、第Ⅱ部は取組の成果物である「訓練・学習の進捗等に特別な配慮が必要な学生への支援・対応ガイド(実践編)」を掲載。
研究の目的と方法
本報告書(第Ⅰ部)の目的は、当機構が運営するポリテクカレッジ(職業能力開発大学校、同短期大学校)等における、発達障害を有する等により「特別な配慮が必要な学生」への支援・対応のレベルアップを図る取組について、その経緯、内容、意義等を中間的に総括するとともに、これら学生等に対する配慮・支援に関する論点・課題の抽出等を行うことにある。
このため、①発達障害の定義・分類、特性等及び発達障害に関する支援等制度の状況の概観(第1章)、②発達障害等により特別な配慮が必要な学生・生徒の状況、これら学生・生徒に対する支援の状況や課題等の概観及び「職業リハビリテーションセンター」における発達障害者等に対する先導的な職業訓練の状況の概観(第2章)、③ポリテクカレッジ等における今回の取組についての背景、課題認識、方法、経過、事例等の整理、今回の取組の成果物として作成された「訓練・学習の進捗等に特別な配慮が必要な学生への支援・対応ガイド(実践編)」(第Ⅱ部に掲載)の紹介(第3章)を行った。そのうえで、①~③を踏まえ、発達障害(の可能性)を有する等により「特別な配慮が必要な学生等」に対する教育・訓練機関における支援・対応に関する論点の抽出・整理を行うとともに、今回の取組の成果と残された課題について整理した(第4章)。
研究の結果得られた知見
第Ⅰ部では、a)「特別な配慮が必要な学生等」という対象設定について、b)発達障害の「気づき」・「受容」・「診断」・「障害者手帳」・「オープン・クローズ」をめぐって、c)発達障害者に対するアセスメントと配慮・支援のサイクルについて、d)「集団的な指導」と「個別的な配慮・支援」の調和と「グループ作業」について、e)教育・訓練機関における体制・研修等について、f)制度改正の影響についての論点を抽出・整理するとともに、残された課題として、次の点を挙げた。
○ ポリテクカレッジ等における更なる取組と各種の教育・訓練機関間の相互参照等
- 全国のポリテクカレッジが今回の取組の成果を活用するほか、各種の教育・訓練機関がそれぞれ自助努力を行いつつ、相互の交流・参照をさらに推進すること。
- ポリテクカレッジ等におけるノウハウを蓄積し、職業の現場における配慮・支援の参考とすること。
○ 障害に関する専門機関の課題 —特別の配慮が必要な学生等への支援・対応上の課題を抱える機関に対する地域での間接支援(バックアップ・ネットワークの充実)—
- 発達障害者支援センター、児童相談所、医療機関、地域・広域障害者職業センター等に関しては、通常の教育・訓練機関等に対する間接支援機能(教職員に対する研修の実施や教職員へのアドバイス等)の明確化と充実を図ること。
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