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-精神障害者の雇用管理ノウハウを提供-

調査研究報告書 No.109
精神障害者の雇用管理のあり方に関する調査研究

執筆者(執筆順)

執筆者 執筆箇所
相澤 欽一 (障害者職業総合センター 主任研究員) 第1章~第4章
大石 甲 (障害者職業総合センター 研究協力員) 第1章~第3章
鈴木 幹子 (障害者職業総合センター 研究員) 第3章

活用のポイント

事業所、雇用されている精神障害者、就労支援機関を対象とした調査に基づき、精神障害者の雇用管理ノウハウ(心の健康問題で休職したのちの復職も含む)に関する情報を提供。調査結果をもとにした「精神障害者雇用管理ガイドブック」は、事業所での精神障害者雇用のための活用が期待される。

研究の目的と方法

目的

精神障害者の雇用管理ノウハウを収集し、精神障害者雇用のための事業主向けガイドブックを作成。

方法

事業所、雇用されている精神障害者、就労支援機関に対する質問紙調査及びヒアリング調査。

研究の結果得られた知見

○精神障害者の新規雇用に関して
・35項目の雇用管理上の配慮事項のうち、20項目を7割以上の事業所が実施。配慮事項としては、例えば「特定の指導者を配置する」「本人の体調について注意し必要に応じて相談にのる」。
・35項目の雇用管理上の配慮事項のうち、実施事業所が5割を下回った項目は5つ、うち3項目が「いろいろな仕事を体験させる」「社内の集合研修を受講させる」といった能力開発・キャリア形成関連のもの。しかるに、精神障害者本人に対する調査によると「新たな仕事への挑戦」「訓練機会の設定」の要望が強いことから、事業所においては、精神障害者に対する能力開発・キャリア形成が今後の課題の一つ。
・9割の事業所が就労支援機関を大いに活用し、支援を受けた事業所の8割で支援効果があった。一方、支援機関に対する調査では、約5割の支援機関が事業所に配慮事項を提案しても理解が得られないなどの理由により「配慮事項の提案等が難しく、本人支援に終始せざるをえない場合がある」と回答。
○心の健康問題で休職した人の復職に関して
・29項目の雇用管理上の配慮事項のうち、20項目を7割以上の事業所が実施。配慮事項としては、例えば、「復職可否の判断の際に復職が予定される職場の受け入れ状況を把握する」「復職前の準備として再発のサインや本人の注意事項・周囲の配慮事項等について本人と確認する」。
・ヒアリング調査によると、職場復帰しても再休職する者や不安定な状態がいつまでも続く者などで苦慮している事業所がある。一定数の事業所は、復職可否の判断を慎重に行い、復職後の緩和勤務や相談体制についても配慮しているにも関わらず、復職後の問題に悩んでいる。
○「精神障害者雇用管理ガイドブック」
新規雇用における工夫や留意点、疾患の特徴と留意すべきポイント、企業の雇用事例、企業で働く精神障害のある従業員の事例、職場復帰における配慮と工夫などを提供。精神障害者雇用に取り組む企業にご活用いただきたい。
精神障害者雇用管理ガイドブックの表紙画像
精神障害者雇用管理ガイドブックの中身の画像

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