除外率が適用されている事業所における障害者が就いていない業務への障害者の配置
- ここでご紹介するのは、厚生労働省の要請に基づき障害者職業総合センターが
2020年 に実施した調査結果の一部です。2018年 の障害者雇用状況報告において、障害者雇用率制度の除外率(下の「障害者雇用への示唆」に解説)が適用されている企業の事業所から抽出された25,700事業所 を対象に調査票を郵送し、7,341事業所 の人事・労務管理担当者から有効回答をいただきました。

- 図1は、「現在、障害者が就いていない業務に障害者を配置するとしたら、どのような支障がありますか。」という設問に対し、選択肢の中から該当するものすべてを選択する形式での回答結果です。この設問に、有効回答事業所のうち
6,806事業所 が回答しました。
- 結果は、「業務遂行の手助けをする援助者、介助者が必要になる」が最も多く、次いで「業務上の安全が確保できない。本人に危険が伴う」、「周りの従業員や顧客などに危険が及ぶ恐れがある」、「設備・機器を障害者が使いやすくするための改善・改造にコストがかかる」、「作業効率上の課題が大きい(作業時間、休憩時間など)」が支障とされていました。

- 図2は、「現在、障害者が就いていない業務に障害者を就けるために何が必要だと思いますか。」という設問に対し、選択肢の中から該当するものをすべてを選択する形式での結果です。
- 結果は、「同僚、上司等、ともに働く人の理解」が最も多く、次いで「人的支援」、「設備・機器の改善」等が必要とされていました。
障害者雇用への示唆
- すべての事業主には、常時雇用する労働者のうち法定雇用率以上の人数の障害者を雇用する義務があります(障害者雇用率制度)。除外率制度は、業種ごとに障害者の就業が一般的に困難だと認められる職務の割合に応じて除外率を設定し、特定の業務についての雇用義務の軽減を図るものでしたが、
2004年 (平成16年) に廃止が決定され、経過措置が取られています。 - 除外率制度は、①身体障害者の就労が困難な職務(例えば高所、地下、水上の作業など)、②他人の生命安全に重大な危険を与えるおそれのある職務(例えば鉄道、航空機の運転手など)及び③一律に雇用率を適用するになじまない職務(例えば医師、裁判官等高度の知識を要するものなど)を除外職種として規定し、これに該当するか否かを個別の労働者ごとに判断する除外労働者制度を前身としています。
- 上記を前提に今回の調査結果をみてみると、除外率適用事業所においては、現在、障害者が就いていない業務に障害者を配置する場合、「業務遂行を手助けする援助者、介助者が必要になる」、「業務上の安全が確保できない。本人に危険が伴う」、「周りの従業員や顧客などに危険が及ぶ恐れがある」といった項目の選択率が高く、「人的支援」と「本人・周囲の安全確保」の2点が支障となっていることが示唆されました。