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第6分科会 高次脳機能障害・難病

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
  また、共同研究者については省略しています。

1 ニーズが高まる高次脳機能障がいのある方の復職支援に関する実践報告からの提言 ~誰もが安心して働ける時代を目指して~

【発表者】

伊藤 真由美(特定非営利活動法人クロスジョブ クロスジョブ札幌 所長)

【発表概要】

高次脳機能障害のある方に対する復職支援については、クロスジョブ札幌開所以来、医療機関をはじめとした地域への周知に積極的に取り組んできた。その結果、2020年度より相談及び利用件数が増加し、これまで5名の方が職場復帰され、現在も雇用継続されている。この実践を踏まえ、そこから見えてきた課題と誰もが障害者となり得る時代の中で重要となってくる「高次脳機能障害のある方の復職支援のあり方」に関して提言する。

2 回復期リハビリテーション病棟退棟後の脳卒中者の障害に応じた就労支援の提案 -地域障害者職業センターとの連携を視野に

【発表者】

大島 埴生(岡山リハビリテーション病院 リハビリテーション部 理学療法士)

【発表概要】

脳卒中者の障害は、身体障害と高次脳機能障害を併発することが多く、障害の重症度も様々である。ゆえに、残存した障害の程度に応じて、就労支援の方法・時期は大きく異なる。今回は、就労支援のデータベースをもとにフローチャートを作成した上で、3つに大別し就労支援をモデル化したため報告する。加えて、各モデルの典型例を示す。これらをもとに脳卒中者における医療機関と障害者職業センター等の連携について検討したい。

3 身体障害と高次脳機能障害のあるN様の再出発に向けて~事例を通して就労支援の難しさと見えてきた地域課題~

【発表者】

髙津 華奈(医療法人三九会 三九朗病院 地域連携推進部 MSW)

【発表概要】

回復期リハビリテーション病院である当院では復職支援チームを中心に支援しているが、身体障害と高次脳機能障害の複数の障害をもつ患者の就労支援に困難さを感じている。課題分析の為、N様の事例を通して関連機関との連携の難しさや市域が抱える地域課題の考察を行った。

4 左被殻出血により運動麻痺と高次脳機能障害を呈した40代男性の就労支援 ~医療機関と就労移行支援事業所間の連携~

【発表者】

石澤 匠(原宿リハビリテーション病院 リハビリテーション科 作業療法士)

【発表概要】

症例は左被殻出血により運動麻痺と高次脳機能障害を呈した40代男性である。男性は営業職としてビルメンテナンス会社に勤めており、休職期間は発症日より2年間とされていた。入院時から就労移行支援事業所と連携を図り、病院・事業所・本人で役割を明確にしたことで、円滑に機能訓練から就労支援に移行する事ができた。退院後は無事期間内に復職を果たすことができた。

5 千葉県総合難病相談支援センターにおける難病患者の就労支援と今後の展望

【発表者】

横内 宣敬(千葉大学医学部附属病院 患者支援部 ソーシャルワーカー)

【発表概要】

千葉県総合難病相談支援センターでは2014年から難病患者の就労支援に取り組んでいる。県内の地域難病相談支援センター及び保健所を対象に、研修会、シンポジウム、ワークショップを開催し、関係機関との連携を推進する一方で、2017年には社会保険労務士を採用し、患者家族を対象に直接支援も担ってきた。本発表では、これまで取り組んできた事業内容を振り返り、医療・保健が担う就労支援の在り方や今後の展望を考察する。