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第12分科会 高次脳機能障害

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
  また、共同研究者については省略しています。

1 高次脳機能障害者の障害理解と職業リハビリテーション支援に関する研究 ー自己理解の適切な捉え方と支援のあり方ー

【発表者】

竹内 大祐(障害者職業総合センター 研究員)

【発表概要】

文献調査及び障害者職業カウンセラーを対象としたグループインタビューの結果を踏まえ、高次脳機能障害者の自己理解と職業リハビリテーション支援の望ましいあり方を整理した。高次脳機能障害者の自己理解の支援にあたっては、自己理解の多様な側面や、生物・心理・社会環境的な要因を考慮したアセスメントを行った上で、信頼関係の構築や支援対象者の目標達成を前提とした支援を行う必要がある。

2 就労移行支援事業所における高次脳機能障がいの方の復職支援の実践報告 ~地域ニーズの聞き取りと結果~

【発表者】

角井 由佳(NPO法人クロスジョブ クロスジョブ札幌 就労支援員(作業療法士))

【発表概要】

高次脳機能障がいの方の復職支援は働き方改革の柱であると考える。そこに札幌市が考えるリワーク支援やデイケア等では限界があり、就労移行の有効性を訴えてきた。その内容はこの会にて過去2回にわたり「札幌市での復職支援を目的とした就労移行支援の利用実現に向けた課題と実際の取り組み、今後の展望について」を伝えてきたところである。今回は復職支援実現から約2年、札幌市の復職支援の現状について事例を通して報告する。

3 記憶障害のある方に対する、精神的不安からくる不調の視覚化による認知の促し ~定着支援システムSPISを使用して~

【発表者】

家門 匡吾(NPO法人クロスジョブ クロスジョブ梅田 就労支援員(作業療法士))

【発表概要】

精神的不安と不安からくる体調不良について、記憶障害の影響から認知が出来ず、急な欠席が続く利用者に対し、定着支援システムSPISを使用した。不安感の数値化、服薬・体調不良の有無を視覚化し共有することで、精神的不安と体調不良の関係性を認知することが出来た。また、体調不良と精神的不安が結びつくことにより、早い段階での不安の相談が可能となったため、就職活動へと移行できた事例を報告する。

4 「注意障害に対するカリキュラム」の開発について

【発表者】

武内 洵平(障害者職業総合センター職業センター 障害者職業カウンセラー)

【発表概要】

障害者職業総合センター職業センターでは、英国において神経心理学的リハのために開設されたOZCで実施しているグループセッションを参考に、注意障害に対するカリキュラムを作成し、試行実施を行っている。このカリキュラムは、注意の間題への「メタ認知スキルの向上」を図っていくことが特徴である。本発表では、カリキュラムのポイント等について中間報告を行う。