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第11分科会 精神障害

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
  また、共同研究者については省略しています。

1 デイケア単独型就労支援 ~シームレスな就労支援の実現のために~

【発表者】

清澤 康伸(医療法人社団欣助会 吉祥寺病院デイケア・ナイトケア室 精神保健福祉士)

【発表概要】

2019年に就労支援の専門家であるEmployment Specialistをデイケアに配属し医療機関が単独で就労支援を行うシステムの提供を開始した。特徴は専門的多職種チームが、就労前から就労後のキャリア支援までの一連の支援と医療的側面からの支援をワンストップで行い、医・職・住の支援をワンストップで実施している点である。今回は吉祥寺病院の就労支援の取り組みについて発表したい。

2 キャリアのある方の就労支援 ー年の差のある対象者との関係構築ー

【発表者】

菅野 未沙樹(NPO法人コミュネット楽創 就労移行支援事業所コンポステラ 支援員)

【発表概要】

本報告は、約30年キャリアを積んできた双極性障がいを持つ50代男性が再就職活動を行った過程と働いたその後の変化を考察する。Aさんと支援関係を築き、本来の力が発揮できるよう、ストレングスや本来の希望を大切にしながら、周囲との関係を再構築していく過程を支援した。Aさんが希望した仕事に就き、悩みながらも励ましながら、働き続けることをサポートする過程を振り返る。

3 精神障がい者の組織適応を促進する要因 ープロアクティブ行動の視点からー

【発表者】

福間 隆康(高知県立大学 社会福祉学部 准教授)

【発表概要】

本研究は、精神障がい者の組織適応への支援策をプロアクティブ行動の観点から明らかにすることを目的とした。調査は民間企業の精神障がい者(入社3年目まで)を対象に行われ、245名から有効回答を得た。分析の結果、「積極的に新しいアイディアを提案したり、実行すること」、「自身の仕事や役割に対するフィードバックを上司等から積極的に求め、仕事や会社に関する情報を得て内省すること」が組織適応を促すことが示された。

4 精神障害・発達障害があるLGBTQの福祉サービス利用と、就労支援について考える

【発表者】

藥師 実芳(認定特定非営利活動法人ReBit 代表理事)

【発表概要】

LGBTQは社会の状況等からメンタルヘルスが悪化しやすく、精神障害におけるハイリスク層です。一方、支援者の無理解等から福祉サービスの利用時にハラスメントや困難を経験し、福祉を安全に利用できないことも。この状況を受け、認定NPO法人ReBitは、日本初となるLGBTQフレンドリーな就労移行支援事業所を東京都に設立。本発表では、精神・発達障害があるLGBTQ に関する調査研究及び支援実践を報告します。

5 「仕事の取組み方と働き方のセルフマネジメント支援」の開発について

【発表者】

森田 愛(障害者職業総合センター職業センター 障害者職業カウンセラー)

【発表概要】

障害者職業総合センター職業センターでは、気分障害等による休職者のキャリア形成に関する従来の支援技法を見直し、経済産業省が推奨する「社会人基礎力」の考え方や、新しい生活様式に対応した働き方である「テレワーク」に関する内容を含む「仕事の取組み方と働き方のセルフマネジメント支援」の関発に取り組んでいる。本発表では、支援のポイント等について中間報告を行う。