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第10分科会 企業における採用・職場定着の取組Ⅲ/発達障害

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
  また、共同研究者については省略しています。

1 発達障害当事者のキャリア形成のプロセスと「就労パスポート」の活用の効果

【発表者】

宇野 京子(職場適応援助者)

【発表概要】

職場定着には、本人が職業能力の向上を意識することや健康の自己管理などが一つの鍵となる。本研究では、週30時間就労から正規職員ヘキャリアアップする中で、移行連携シート「就労パスポート」を有効なツールとして活用し続けてきた発達障害当事者を対象にインタビュー調査を行った。調査結果を質的に分析し、長期的視点でキャリアパスについて考える発達障害当事者の職業意識の変化とそのための支援について質的に分析する。

2 障害をもつ係員たちが病院の業務を支える存在になるまでの成長と道のり

【発表者】

岡山 弘美(公立大学法人奈良県立医科大学 法人企画部 人事課障害者雇用推進係 係長)

【発表概要】

奈良医大障害者雇用に取り組んでから10年となる。この10年で「拡大」「定着」「発展」をしてきたが、決して簡単な道のりではなかった。係員たちの頑張り、組織や職員の理解、支援者の熱意、関係団体の支援等の歯車がうまく噛み合った取り組みであったと自負している。この10年にわたる障害者雇用の取り組みを奈良医大だけのものとするのはなく障害者雇用の取組促進や障害者理解に繋げていきたい。

3 企業主のための高機能ASD者雇用マニュアルの作成

【発表者】

梅永 雄二(早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授)

【発表概要】

ASD者は、社会的コミュニケーションの困難さや実行機能の弱さ、感覚の過敏性などから就労および職場定着が困難だと言われている。その理由は、実行機能の弱さから仕事の見通しを持てないこと、同僚上司にASD者の特性理解がされていないこと、そして独特の感覚刺激があるからである。本研究ではそのようなASD者を雇用する上での企業主が対応すべき合理的配慮についての報告を行う。

4 知的障害を伴うASD者に有効な就労支援に関する一考察 ーTTAPアセスメントに基づいてー

【発表者】

康 一(早稲田大学大学院 教育学研究科修士課程 修士2年)

【発表概要】

近年ASDの発症率が増加している。しかしながら、ASD者の就労支援は十分な対応されているとは言えない。そのような中、米国ノースカロライナ州TEACCH Autism Programでは、ASD者の就労支援に数多くの成果が報告されている。よって、本研究ではTEACCH Autism Programで用いている就労アセスメントTTAPの有効性について報告する。

5 知的障害を伴うASD者に有効な就労支援に関する考察 ーBWAP2によるソフトスキルのアセスメントとその支援

【発表者】

横山 明子(早稲田大学大学院 教育学研究科 梅永研究室)

【発表概要】

昨今、ASDの診断数が増加傾向にあるが、依然として発達障害の中でも就労に最も課題を有する者はASD者である。ASD者が抱える課題とは、対人関係やコミュニケーションを含むソフトスキルである。そこで、実際に仕事をしている状況でアセスメントを行うBWAP2を用いて支援を行った事例を報告する。