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第10分科会 復職支援

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
  また、共同研究者については省略しています。

1 脳性麻痺者の職業リハビリテーション ~全人的視点による取り組みから~

【発表者】

北澤 和美(社会福祉法人相模原市社会福祉事業団 生活相談課 主査)
中川 亜矢子(社会福祉法人相模原市社会福祉事業団 生活相談課 相談支援専門員)

【発表概要】

元来、自立心が高い脳性麻痺者がうつ病を罹患したことを契機に、精神的不安からくる過剰な福祉サービスへの要求が課題となっていた。当ケースにおいて、本人の入院や、相談員の担当変更を契機に、再アセスメントを行った結果、本人への全人的な回復を目標とした就労的支援の必要性が明らかとなった。支援を展開する中での、本人自身の変化、また、家族、医療関係機関、福祉サービス支援機関との関係性について発表したい。

2 就労継続支援A型事業に貧困対策と障害者雇用を取り入れた実践報告 労働統合型社会的企業の可能性について

【発表者】

堀田 正基(特定非営利活動法人社会的就労支援センター 京都フラワー事務局 理事長/管理者/サービス管理責任者)

【発表概要】

日本の経済環境を俯瞰すれば、雇用問題、特に完全雇用は厳しくなっており、障害者も健常者も何らかの要因によって労働市場から排除される傾向が広がっている。特定非営利活動法人社会的就労支援センター京都フラワーでは、就労継続支援A型事業のフレームを活用し、障害者、健常者の分け隔てなく、生産・事業活動を通じて労働・訓練の機会の提供を実施している。本発表では、社会から排除された人達の労働市場統合までのプロセスについて報告する。
※都合により当日の発表は中止になりました。

3 視覚失認を呈した方への復職支援について

【発表者】

豊田 志奈子(三重県身体障害者総合福祉センター 支援部 作業療法士)

【発表概要】

左後頭葉障害では視覚失認、色彩失名辞、純粋失読、記憶障害を併発しやすく、これらは就労において正確に物事を遂行するための障害になりやすい。今回、統合型視覚失認を呈した方が調剤薬局への復職に成功した経験を得たため、その経過について報告する。

4 「ジョブリハーサルの改良」について

【発表者】

井上 恭子(障害者職業総合センター職業センター開発課 障害者職業カウンセラー)

【発表概要】

障害者職業総合センター職業センターでは、平成28年度、模擬的な職場環境でチームとしてノルマ達成を目指しながら復職準備性の向上を図る「ジョブリハーサル」の支援技法を開発した。令和2年度からは、チームにおける役割の追加やタスクワークの拡充、豊富な運営方法の提案等、より効果的な実施に向けたジョブリハーサルの改良に取り組んでいる。本発表では、ジョブリハーサルの改良のポイント等について中間報告を行う。

5 右片麻痺・失語症を呈した脳卒中患者に対し復職支援を行った1例

【発表者】

横堀 結真(社会医療法人財団慈泉会 相澤病院回復期リハ科 作業療法士)

【発表概要】

症例は左被殻出血を発症し右片麻痺・失語症を呈した50歳台の男性。入院当初から復職を視野に入れた取り組みを行い、発症3ヶ月後に会社側と復職に向けたカンファレンスを開催。発症4ヶ月後に自宅退院となり、外来リハビリテーションで復職支援を継続。就業生活支援ワーカーの導入や医療スタッフの職場訪問を通し、会社側と就労場面での問題や対応、本人の活かせる能力について検討した。発症1年4ヶ月後に復職に至った。