調査研究報告書 No.16
重度障害者の総合的就労支援技術の開発—その2—
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発行年月
1996年10月
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職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目
執筆者(執筆順)
執筆者 | 執筆箇所 |
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岡田 伸一 (適応環境研究担当主任研究員) | 第2部6章 |
八藤後 猛 (適応環境研究担当研究員) | 第1部 |
渡辺 哲也 (適応環境研究担当研究員) | 第2部(第6章を除く) |
(概要)
「重度障害者の職域拡大のための総合的就労支援技術の開発に関する研究」は、近年のマイクロエレクトロニクスをはじめ、コンピュータ関連技術を活用して、重度障害者にコンピュータ利用を可能にして、その職域拡大を図ることを目的としている。伊福部達北海道大学電子科学研究所教授を委員長とする、外部の専門家からなる障害者就労支援技術開発研究委員会を設置し、就労支援機器・ソフトの研究開発を平成5年度より6年計画で実施している。
初年度には、就労支援機器・ソフトのニーズを把捉するために、事業所ならびに障害者に対するニーズ調査を実施した。また、内外の機器等の開発動向の調査も実施した。これら調査の結果は、『重度障害者の就労支援技術の開発-その1-』(調査研究報告書No.7)として取りまとめられている。
引き続き、実際の開発作業に入り、上肢障害者用大型・小型特殊キーボードと視覚障害者用Windows画面読み上げソフトウェアの開発を進めている。本報告書は、その第一次試作の結果を取りまとめたものである。
第1部では、上肢障害者用大型・小型特殊キーボードの仕様決定の過程が詳説されている。大型キーボートは、粗大動作は可能だが、巧緻動作が困難な者(たとえば脳性まひ者)を対象としている。また、足での操作にも配慮されている。一方、小型キーボードは、上肢の可動域は狭いが、正確にキー押下できる者(たとえは進行性筋ジストロフィー症の者)を対象としている。また、マウススティック等のデバイスによる操作にも配慮している。具体的には、それぞれについて、キーピッチ、キートップ間隔、キートップの形状、キーガードの厚み、キーの感応時間、キーボードを立てて使用する場合の傾斜角等が検討された。
第2部では、視覚障害者用のWindows画面読み上げソフトウェアの第一次試作仕様の詳細と、試作ソフトの視覚障害者による試用評価の結果が報告されている。本ソフトウェアは、職場を中心に普及が目覚しいコンピュータの基本ソフトWindowsを視覚障害者にも使用可能にするものである。通常Windowsは画面を見ながらマウス等のポインティングデバイスで操作する。本開発ソフトでは、聞き取りやすい音声で画面の状況やキー入力を読み上げ、画面が見えなくても、またマウスを使わなくても、キーボードでWindowsを操作可能にするものである。この第一次試作では、Windowsバージョン3.1ついて音声化が試みられ、Windowsの基本的な部分については音声化できることが確認できた。また、視覚障害者による試用評価からは、読み上げの速度や音切れ、あるいはメニュー・コマンド等の読み上げ方など、本ソフトをより使いやすくするための貴重な意見を収集することができた。
これらの結果に基づき、大型・小型特殊キーボードと視覚障害者用Windows画面読み上げソフトウェアの第二次試作に入り、既存機能の改良ならびに新機能の追加を行う。
目次
- 概要
- 第1部 肢体不自由者用特殊キーボードの第一次試作
- 第1章 開発目的
- 第2章 基本仕様決定までの経過
- 資料
- 第2部 視覚障害者用Windows画面読み上げソフトウェアの第一次試作
- 第1章 開発の必要性
- 第2章 開発方針
- 第3章 第一次試作の用件仕様
- 第4章 第一次試作の概要
- 第5章 第一次試作の試用と評価
- 第6章 まとめ
- 資料
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