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テーマ9 障害者雇用の実態

※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。

1 障害のある労働者の職業サイクルに関する調査研究(第6期)結果報告 -仕事をする理由と仕事の満足度の関係-

発表者

大石 甲(障害者職業総合センター 研究員)

発表概要

障害者職業総合センターは、2008年度から2023年度まで16年間(全8期)の継続した質問紙によるパネル調査を約1,100名の障害者(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、内部障害、知的障害、精神障害のある労働者)を対象に実施している。本発表では、第1期から継続調査している「仕事の満足度」と第4期から追加調査している「仕事をする理由」の関係を分析した結果を報告し、考察する。

2 障害のある労働者の職業サイクルに関する調査研究(第6期)における新たな取組 -ヒアリング調査による事例報告-

発表者

高瀬 健一(障害者職業総合センター 主任研究員)

発表概要

障害者職業総合センターは、2008年度から2023年度まで16年間(全8期)の継続した質問紙によるパネル調査を約1,100名の障害者(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、内部障害、知的障害、精神障害のある労働者)を対象に実施している。本発表では、今までの調査研究の概要を説明するとともに、第6期の調査研究において新たに取り組んだヒアリング調査の事例について報告する。

3 成人期に診断を受けた発達障害者とその家族への就労前の支援ニーズに関する考察 -就労定着する本人と家族への調査を踏まえて

発表者

齋藤 淳子(株式会社グッジョブ 就労支援センターグッジョブ 施設管理者(精神保健福祉士・臨床発達心理士))

発表概要

当事業所には成人期に発達障害の診断を受けた方が通所し就職に向け取り組んでいる。就職及び就労定着に当たっては、作業遂行上以外の課題の方が多く、時に本人及び家族の障害理解など心理的支援が必要となる。今回、就労定着している本人とその家族への調査から、就労前に必要な本人と家族への支援ニーズを改めて考察する。

4 職務特性が職務満足および離職意思に与える影響 -特例子会社の障がい者を対象とした定量的分析-

発表者

福間 隆康(高知県立大学 社会福祉学部 准教授)

発表概要

本研究は、職務特性が職務満足および離職意思に与える影響を明らかにすることを目的とした。職務特性、職務満足、離職意思測定尺度を用いて、特例子会社の身体、精神、発達障がい者109名を対象に質問紙調査を行った。分析の結果、職務特性のタスク重要性、タスク完結性、技能多様性は職務満足に正の影響を与えており、タスク重要性とタスク完結性は離職意思に負の影響を及ぼしていることが明らかになった。

5 障害のある求職者が必要としている合理的配慮について -障害のある求職者の実態調査結果より-

発表者

井口 修一(障害者職業総合センター 主任研究員)

発表概要

2018年に全国のハローワークの協力により実施した「障害のある求職者の実態調査」結果より、障害のある求職者が職場で必要としている合理的配慮についてデータ分析を行い、障害種類別に必要としている合理的配慮を検討した。その結果、障害種類別に代表的な合理的配慮を抽出した。

6 文献調査に基づく就労困難性(職業準備性と就労困難性)の構成要因に関する検討

発表者

武澤 友広(障害者職業総合センター 研究員)

発表概要

障害者の就労(就労系障害福祉サービスを含む。以下同じ)への移行にあたっては、移行前の相談支援において障害者本人の現状に適した就労の場や必要な支援サービスを相談するため、就労困難性(職業準備性と就労困難性)の評価を実施する必要がある。本発表では、国内論文データベースを用いて検索した論文から就労困難性に関する記述を抽出し整理することをとおして、就労困難性の構成要因を検討した結果について報告する。

7 国立大学法人における障害者雇用に関する実態調査 -コロナ禍が与えた影響もふまえて-

発表者

宇野 京子(岡山大学 総務人事課グッドジョブ支援センター サブリーダー)

発表概要

全国の国立大学における障害者雇用について、今後の取り組みを模索検討するための実態調査を行った。各大学の雇用体制や定着支援の考え方について、企業とは異なる「大学」というリソースが障害者雇用の課題に寄与できるのかを考察する。また2020年前半のCOVID-19の流行が一般就労をする障害者や職場に与えていた影響から、Withコロナ時代の障害者雇用を考える。

8 障害者雇用管理と職場ソーシャルキャピタルの関連 -中高年齢障害者に対する職業生活再設計等に係る支援に関する調査研究から-

発表者

永野 惣一(障害者職業総合センター 研究員)

発表概要

障害者職業総合センターでは、現在「中高年齢障害者に対する職業生活再設計等に係る支援に関する調査研究」を進めている。企業へのアンケート調査の中では、障害者の働く職場の担当者に職場のソーシャルキャピタルについて訊ねている。ソーシャルキャピタルは人と人とのつながりや働く者の健康を考える上で注目されている概念である。これが、障害のある者が働く職場における雇用管理にどのように関連するかについて検討する。

(注)発表概要は、各発表者から提出していただいた内容を転記しています。