第15分科会 高次脳機能障害
※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
また、共同研究者については省略しています。
1 重度高次脳機能障害のある方が、10時間の短時間雇用で活躍できる要因についての分析 -企業と就労移行支援事業所の視点から-
【発表者】
萩原 敦 (特定非営利活動法人クロスジョブ クロスジョブ福岡 管理者兼サービス管理責任者)
【発表概要】

今回、外傷性脳挫傷により重度の高次脳機能障害(記憶、抑制、注意等)を呈した事例を就労移行支援事業所で担当した。就職活動は難航したが、企業のキーパーソンとの面談を通して本人が奮起し、雇用前実習を経て1日2時間、週5日で就労が実現した。環境や業務のマッチング、職場のナチュラルサポートや企業の人材育成力などを考察し、企業と就労移行支援事業所の連携について発表する。
2 受傷・発症から長期間(最長41年)経過し、自律的に社会生活を送る当事者への今後の支援のあり方について
【発表者】
川原 薫 (福山リハビリテーション病院 リハビリテーション部 作業療法士)
【発表概要】

受傷・発症から長期間(最長41年)経過し、自律的に社会生活を送る高次脳機能障害当事者約20名にアンケートを実施し、現在の生活や仕事の状況、本人が残存すると感じる症状や困りごと及びあったらよいと思われる支援についてアンケートに回答する形で面談し聴取する。そして、回答結果をもとに長期間経過後の当事者の置かれている状況について調査分析し、今後の支援のあり方について検討する。
3 高次脳機能障害を有する就労移行支援事業所通所者に対する刺激等価性理論に基づいた訓練の実施とその効果
【発表者】
岩村 賢 (株式会社スタートライン CBSヒューマンサポート研究所 研究員)
【発表概要】

刺激等価性理論に基づく訓練は、障害児・者が言語・認知機能を獲得、形成する際に有効な手段として利用されはじめている。本研究では、就労に向けて課題を抱える高次脳機能障害を有する就労移行支援事業所通所者1名にPC上で刺激等価性理論に基づく訓練を実施した結果、刺激等価性スキルや関係フレームスキルにポジティブな効果が見られた。スキル面だけでなく、行動面の変化も含めて、訓練の有効性を検討する。
4 在職中の高次脳機能障害者の職場再適応に向けた支援技法の開発
【発表者】
熊谷 舞佳 (障害者職業総合センター職業センター 障害者職業カウンセラー)
【発表概要】

障害者職業総合センター職業センターでは、高次脳機能障害者に対する就職、復職等に向けた支援技法の開発に取り組んでいる。さらに、令和6年度から、現に職場で就業中の者のうち、高次脳機能障害による職務遂行上の問題等から職場適応に課題が生じているケースへの対応のため、これまで開発した相談支援ツールの適用や改良等の技法開発を行っており、本発表において、本開発の意義、経過等について報告する。
5 就業中の高次脳機能障害者に対する効果的な支援に関する一考察 ~医療機関や障害者職業総合センター職業センターとの連携事例~
【発表者】
西山 充洋 (千葉障害者職業センター 障害者職業カウンセラー)
【発表概要】

支援者が職場に介入し、環境調整を試みた在職中の高次脳機能障害者に対する支援について報告する。職場の理解を得るために、千葉障害者職業センターのジョブコーチ支援と並行して障害者職業総合センター職業センターの支援プログラムも活用しながら、医療機関を含む専門機関と連携して本人の気づきや職場への特性の伝達等に係る支援を行った内容を振り返り、効果的な支援のあり方について考察したい。









