第6分科会 発達障害
※ 発表資料を掲載していない方については、発表論文を参照してください。
※ タイトル及び概要は、発表者からいただいた内容を掲載しています。
また、共同研究者については省略しています。
1 第四の発達障害 -定着できない境界知能者-
【発表者】
梅永 雄二(早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授)
【発表概要】
「境界知能者」とは、知能指数が70以上85未満であり、定型発達者と知的障害の間に位置する。学校教育では特別支援教育の対象となってはおらず、成人期に達した境界知能者は、就労が定着できず離職することが多いといわれている。しかしながら、境界知能者は、適切なサポートがなされ、具体的で予測可能な仕事を与えられるとうまくいく可能性が高くなる。本発表ではどのようなサポートが必要なのかについて報告する。
- 発表論文
(PDF/834.72KB)
2 発達障害のある学生への就労準備プログラム働くチカラPROJECT~ライフスキル、ソフトスキルの支援と今後の展望~
【発表者】
渡辺 明日香(株式会社エンカレッジ エンカレッジ早稲田駅前 主任)
高橋 亜希子(株式会社エンカレッジ エンカレッジ早稲田駅前 取締役)
【発表概要】

本発表では、発達障害の学生への早期からの働くための土台づくりの重要性について知ってもらうための取り組みとそのアプローチを解説し、ライフスキル(生活リズムや健康・体調管理等)とソフトスキル(対人コミュニケーションや職場でのルール・マナーや基本的な労働習慣)を学び、育むためのプログラム内容と実践結果を紹介する。また、卒業後の進路や今後の展望・課題についても報告したい。
3 自閉スペクトラム症の傾向がある精神障害者の雇用継続におけるソフトスキル支援の必要性について -離職事例より振り返る-
【発表者】
立川 未樹子(特定非営利活動法人クロスジョブ クロスジョブ堺 就労支援員)
【発表概要】

高機能ASD者の就労問題は、仕事そのものの能力であるハードスキルより日常生活や余暇などのソフトスキルの問題が上回っていると指摘している(梅永,2018)。本発表では、精神障害の診断ではあるものの、自閉スペクトラム症の傾向が見られた人の離職事例を通じ、雇用継続のために必要なソフトスキルの検証と、就労移行支援事業所利用時に必要であったアセスメントおよび支援について報告する。
4 発達障害者の障害特性を踏まえた相談の進め方
【発表者】
我妻 沙織(障害者職業総合センター職業センター 上席障害者職業カウンセラー)
【発表概要】

障害者職業総合センター職業センター「ワークシステム・サポートプログラム」では、発達障害者に対する様々な技法開発に取り組んでいる。本発表では、同プログラムにおける、発達障害者の自らの特性や課題に係る認識や理解を深化させることの困難さを踏まえ、経験の振り返り、職業的課題の把握、課題の改善に向けた目標設定と適切な対処方法の選択等を効果的に行うための相談の進め方についての開発経過について報告する。