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令和5年度の研究

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  • 1 発達障害、精神障害、高次脳機能障害及び難病者等の職業リハビリテーションに関する先駆的な研究

     

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  • 2 職業リハビリテーション業務を行う地域センター等の現場の課題解決に資するための研究

     

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  • 3 地域の就労支援機関向けの有効な支援ツール等の開発のための研究

     

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  • 4 国の政策立案に資する研究

     

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1 発達障害、精神障害、高次脳機能障害及び難病者等の職業リハビリテーションに関する先駆的な研究

テーマ1
調査研究名 難病患者の就労困難性に関する調査研究
趣旨・内容  難病患者の就労困難性については平成26年度に実態調査を行っているが、この間、難病法の施行、指定難病の増加、障害者雇用の進展、障害者手帳を所持しない難病患者のハローワーク利用の増加等難病患者を取り巻く状況が変化していることから、最新の実態を把握する必要がある。
 難病患者の就労状況や就労困難性の最新の状況を把握するとともに、企業側の支援ノウハウや地域支援体制の整備状況について、実態を把握する。
研究期間 令和3~5年度
担当部門 社会的支援
テーマ2
調査研究名 事業主が採用後に障害を把握した発達障害者の就労継続事例等に関する調査研究
趣旨・内容  事業主が採用後に発達障害であることを把握した場合、就労継続のために様々な困難に直面することが考えられるが、それらを解決するための方法や必要な支援については明らかになっていない。
 このため、事業主が採用後に発達障害であることを把握し、就労継続のために職場適応上の課題解決に取り組んだ事例を通して、発達障害であることを把握したプロセスや課題解決のプロセスについて整理し、採用後に発達障害であることを開示した労働者を雇用する事業主に対してどのような支援が必要であるかを明らかにする。
研究期間 令和4~5年度
担当部門 事業主支援
テーマ3
調査研究名 「実行機能」の視点を用いた効果的なアセスメント及び支援に関する調査研究
趣旨・内容  実行機能はある目標を達成するために思考と行動を調整する認知機能のことである。この機能に障害があると、職業生活では仕事の段取りが悪い、期限内に仕事を終えられない、などの困難が現れることが想定される。しかし、このような困難は、日常の慣れた課題の解決や習慣化した活動では表出しにくく、新しい課題の解決や、変化した場面への対応を要求される状況で表れやすい。したがって、このような実行機能の問題について評価を行うためには、複数の作業を一定の期間内で管理しつつ処理するという複合的な作業の管理能力を、職場内や模擬的な職場場面においてアセスメントする必要があると考えられる。そこで、本調査研究では複合的な作業場面における対象者の作業管理能力について、実行機能の視点を用いた効果的なアセスメント方法及び効果的な支援のポイントについて明らかにすることを目的とする。
研究期間 令和5~6年度
担当部門 障害者支援
テーマ4
調査研究名 職場復帰支援におけるキャリア再形成に関する調査研究
趣旨・内容  メンタルヘルス不調や高次脳機能障害等により、やむなく休職に至った場合における社員の復職では、いわゆる外的キャリア(経験した仕事の内容や実績、組織内の地位等)の視点だけでなく、内的キャリア(職業生活における歩み等に対する自分なりの意味づけ)の視点も必要となってくるケースが多くみられる。
 このため、職場復帰支援におけるキャリア再形成や再形成に向けた支援の実態を把握し、支援機関や企業の参考とする。
研究期間 令和5~7年度
担当部門 障害者支援

2 職業リハビリテーション業務を行う地域センター等の現場の課題解決に資するための研究

テーマ5
調査研究名 オンラインによる就労支援サービスの提供に関する調査研究
趣旨・内容  新型コロナウイルス感染症影響下における新しい生活様式の普及等により、障害者の就労支援においても、オンラインによる相談等の就労支援サービスの提供が利用者から求められてきていること等から、今後、期待される就労支援サービスの在り方として注目される。しかしながら、現状では、オンラインによる就労支援の十分なノウハウが蓄積されているとは言えない状況にある。このため、本調査研究においては、オンラインによる就労支援の現状、支援の実施に当たって必要な配慮事項や条件整備等、支援実施上の課題等を把握することにより、今後のオンライン支援の在り方や効果的な実施方法等の検討に資する。
研究期間 令和4~5年度
担当部門 事業主支援
テーマ6
調査研究名 職場における情報共有の課題に関する研究—テレワークの普及等の職場環境の変化を踏まえて—
趣旨・内容  職場における情報のやり取りについて、障害に起因する課題を抱える者は多い。職場で共有される情報には、業務に関するフォーマルなものだけではなく、職業生活に不可欠なインフォーマルなものも含まれるが、インフォーマルな情報も含めた職場での情報共有のあり方は変化してきており、とりわけ近年のテレワークの広がりは大きな影響を与えている。このような変化の機会を捉えて、改めて障害者が情報のやり取りについてどのような課題に直面し、どのような配慮を必要としているのかを明らかにするとともに、課題解消の取組事例についても把握を試みる。
研究期間 令和5~6年度
担当部門 事業主支援
テーマ7
調査研究名 就労支援実務者の専門性と支援力に資する知識・スキル等に関する研究
趣旨・内容  最近の就労支援機関の実態調査で、効果的な障害者就労支援を行うために必要な知識・スキル等の普及状況に組織ごとの格差があることが確認され、就労支援実務者の支援力の底上げとさらなる向上が必要であることが示唆された。そこで、本調査研究では、研修等の効果的な内容の検討に資することや、就労支援実務者と人材育成担当者が共通認識をもって専門性の向上に取り組むことができるよう、就労支援機関における多様な就労支援実務者が効果的な支援を実施するために必要な知識・スキル等の内容(これらの充足過程も含む)を明らかにする。
研究期間 令和5~6年度
担当部門 社会的支援
テーマ8
調査研究名 障害者が障害のない労働者とともに働く職場環境で醸成される価値と障害者とともに働く労働者の取組に関する研究
趣旨・内容  近年、職場において障害者の活躍の場は広がっているものの、障害者雇用義務を遂行するための「数量」的な側面が重視された結果として、ノーマライゼーションの考えにそぐわないような取組が行われているケースも見受けられる。本調査研究は、国連障害者権利条約の「インクルーシブ」という基本理念を勘案しつつ、障害者とともに働く労働者の立場から障害者雇用の価値が醸成されるプロセスや障害者の働きやすさを考慮した取組が実施されていくプロセスを明らかにする。
研究期間 令和5年度
担当部門 事業主支援

3 地域の就労支援機関向けの有効な支援ツール等の開発のための研究

テーマ9
調査研究名 「ワークサンプル幕張版(MWS)」新規3課題による効果的なアセスメント及び補完方法の獲得に関する調査研究
趣旨・内容  障害者職業総合センター研究部門で開発した「職場適応促進のためのトータルパッケージ(TP)」のうち、ワークサンプル幕張版(MWS)についてはユーザーのニーズを踏まえ、既存課題よりも難易度が高く、現在の実務に近い新規のワークサンプル3課題(給与計算、文書校正、社内郵便物仕分)を開発したところである。これらの新規課題が効果的に活用されるためには、地域の就労支援機関において多様化している支援対象者像や各機関が担っている機能に応じた活用方策の提案が必要であると考えられることから、その方策を検討する。
研究期間 令和4~5年度
担当部門 障害者支援

4 国の政策立案に資する研究

テーマ10
調査研究名 障害のある労働者の職業サイクルに関する調査研究(第8期)
趣旨・内容  本調査研究は、平成20年度から令和5年度までの16年間(全8期)の長期縦断調査の第8期である。障害のある労働者の職業生活の全体像をとらえ、様々な環境要因との相互作用によって生じる職業生活の質的側面の課題及びキャリア発達の各局面における支援ニーズを明らかにすることを目的として、調査対象者約1,150名に対して調査を行い、支援ニーズ等を明らかにする。第8期は最終期の調査を実施するとともに、第1期から第8期の研究結果を最終的に取りまとめる方法等について情報収集し、方針を決定する。
研究期間 令和4~6年度
担当部門 社会的支援
テーマ11
調査研究名 障害者の雇用の実態等に関する調査研究
趣旨・内容  近年の障害者雇用における様々な変化を踏まえ、現在在職中の障害者の状況についての基礎的なデータを正確に把握する必要がある。そこで、雇用障害者の職場環境・労働条件、必要な合理的配慮、利用している支援機関等の実態について、本人へのアンケート調査により明らかにする。
 一方、民間事業所においては、就労支援機関に対して職務創出・再設計等に関する専門的な助言を求めるニーズが高まっている。そこで、障害者が従事している具体的な職務内容等について、アンケート及びヒアリング調査や事例収集により整理し、就労支援機関が職務創出・再設計等を検討する事業所に助言する際の参考とするための事項を明らかにする。
研究期間 令和3~5年度
担当部門 障害者支援
テーマ12
調査研究名 AI 等の技術進展に伴う障害者の職域変化等に関する調査研究
趣旨・内容  近年のAI 等(AI、IoT、ビッグデータ、ロボット等をいう。)の新技術の進展が、産業構造そのものの転換をも促し、働き方や雇用に大きな影響を与えることが想定される中で、良質な雇用機会をどのように確保していくかが重大な課題となっている。今後の技術革新の動向を織り込んだ展望として、2020 年代以降、生産職や事務職が過剰となる一方で、技術革新をリードする専門職が不足するという推計があるといった課題が指摘されているところであるが、これは、障害者の職域においても同様の状況であることが予想される。本調査研究では、障害者が現在従事している業務の状況やAI等の技術進展に伴い障害者の職域がどのように変化しているかの把握を行うとともに、今後のAI 等の技術進展を踏まえた障害者の職域変化等についての調査研究を行う。
研究期間 令和3~5年度
担当部門 事業主支援
テーマ13
調査研究名 精神障害者の等級・疾患と就業状況との関連に関する調査研究
趣旨・内容  障害者雇用率制度において雇用義務の対象となっている3障害のうち、身体障害、知的障害については「重度」という区分があるが、精神障害についてはそのような区分は設けられていない。これについては障害者雇用率制度における精神障害者の「重度」の取扱いについて議論がされる等、その検討の必要性は高まっているが、検討に資する資料が乏しい状況である。そこで、検討に当たっての資料となるよう、精神障害者の手帳の等級・疾患と就業の実態や就労上の課題との関連の有無について明らかにする。
研究期間 令和4~6年度
担当部門 障害者支援
テーマ14
調査研究名 中高年齢障害者の雇用継続支援及びキャリア形成支援に関する研究
趣旨・内容  今後、職業リハビリテーションの対象となる障害者の高齢化が予測されるが、事業主が中高年齢障害者を継続して雇用する中で生じる課題については、職種・職場等の違いを含め個人で異なるものであり、適切な配慮があれば、年齢に関係なく活躍できる事例も多くみられる。
 そこで、本調査研究では、雇用する障害者の加齢により事業主が直面する課題や業務への影響のほか、その対応として実施される配慮の実態と効果等について把握するとともに、中高年齢障害者の活躍を推進する上での職場の雇用管理やキャリア形成支援等の総合的な検討を行うことを目的とする。具体的には、次の2つの課題の検討を総合的に行う。
・中高年齢障害者の就業継続に対する適切な支援のあり方
・中高年齢期での職業生活上の課題に対応するための若年からの支援や早期対策のあり方
研究期間 令和5~7年度
担当部門 社会的支援、障害者支援