-ロービジョン用就労支援機器を使いこなそう-
資料シリーズ No.65
ロービジョン用就労支援機器の利用状況と改善の方向性
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発行年月
2012年03月
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キーワード
ロービジョン 拡大読書器 画面拡大ソフト
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職業リハビリテーション活動による課題領域の体系図・ICFによる課題領域の体系図 該当項目
執筆者(執筆順)
執筆者 |
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岡田 伸一 (障害者職業総合センター 特別研究員) |
本書活用のポイント
- ①ロービジョン者の就労支援機器利用の現状を知る
- ②機器・ソフトに対する改良・開発要望を知る
- ③眼や体の疲労対策のヒントを得る
- ④事務職を中心にロービジョン者の職務内容を知る
- ⑤日本に於ける拡大読書器やパソコン画面拡大ツールの変遷を知る
研究の目的と方法
多くのロービジョン者にとって、拡大読書器やパソコンの画面拡大ソフトは不可欠の就労支援機器となっているが、職場での利用状況に関する調査は、これまであまり行われていなかった。 そこで、これら機器・ソフトの利用状況を調査し、ロービジョン用就労支援機器の改善の方向性を検討することを目的にアンケート調査等を行った。
当機構実施の就労支援機器等普及啓発事業(就労支援機器等の貸し出し)の過去3年間の利用者及びロービジョン者関係の4組織に協力を依頼し、平成23年後半に調査を行った。 33名の方からアンケートに回答をいただき、うち12名の方にヒアリングも行った。
研究の結果得られた知見
- ・アンケート回答者の内訳は男性17名、女性16名で、平均年齢はそれぞれ45.9歳、32.0歳であった。
- ・障害程度は、2級が最多で16名、続いて3級5名、1級4名(重度者が過半を占める)。
- ・職種は、27名が事務職で、他はヘルスキーパー3名、理学療法士、治療院自営、カードシステム運用設計各1名。
- ・利用拡大読書器のタイプは、デスクトップ型30名、携帯型11名で、両タイプ利用者8名、携帯型のみの利用者3名。
- ・拡大読書器の用途としては、資料や伝票などの「読み」が多いが、データや文書・メモの記入など「書き」もある。
- ・利用パソコンのタイプは、デスクトップ24名、ノート9名。
- ・パソコンの用途としては、文書処理、データ入力、メール利用が多い。
- ・画面拡大ソフトの利用者は24名で、うちZoomText14名が最多で、Windows拡大鏡7名が続く。
- ・画面読み上げソフトの利用者は18名、内訳はJAWSが6名、Focus Talk、PC Talkerが各5名(うち両用が1名)、XPReaderが3名(画面拡大ソフトと画面読み上げソフトの併用は18名)。
- ・眼の疲労軽減への工夫・配慮が比較的多く、その対策として画面読み上げソフトの利用を挙げる回答者が多い。
- ・デスクトップ型拡大読書器に対しては、可搬化と省スペース化の要望が強い。
- ・携帯型拡大読書器に対しては、書字がしにくく改善して欲しいとの要望が強い。
- ・画面読み上げソフトに関しては、適用範囲に制約があり改善して欲しいとの要望が強い。
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あり