実践報告書 令和8年3月 No.43 作業管理支援の改良 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター職業センター はじめに 障害者職業総合センター職業センターでは、発達障害者に対する職業リハビリテーション技法の開発・改良を進めるため、平成17年度から「ワークシステム・サポートプログラム」を開始し、その成果について実践報告書や支援マニュアルとして取りまとめるとともに、職業リハビリテーション研究・実践発表会をはじめ、さまざまな機会をとおして発信しています。 本報告書で取り上げた「作業管理支援」は、在職中または休職中の発達障害者を対象に当センターで開発した支援技法であり、令和3年度実践報告書No.39として取りまとめたものです。発達障害者の職場定着においては、職場環境の調整のほか、マルチタスクの遂行など作業管理上の困難さに係る対策が必要な場合があり、マルチタスクを行ううえでの課題に対応した実行機能のアセスメントから、対処方法の検討および実践まで行うパッケージとして開発されました。 開発後、地域障害者職業センターを中心に普及を図ってきたところ、発達障害者以外の障害者への適用や実施方法の柔軟化などを期待する声が多数聞かれたことから、令和6年度からそれらの課題への対応方法について検討し、支援技法の改良に取り組み、その成果を実践報告書として取りまとめました。 本報告書の作成にあたり、滋慶医療科学大学大学院医療管理学研究科教授 岡 耕平氏、明星大学人文学部福祉実践学科准教授及び東京医科大学医学部兼任講師 縄岡 好晴氏、特定非営利活動法人ぶうしすてむ理事長 川崎 壽洋氏から、専門的知見に基づき、ご助言賜りましたことを深く感謝申し上げます。 本報告書が就労支援の現場において活用され、職業リハビリテーションサービスの質的向上の一助となれば幸いです。 令和8年3月 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター 職業センター  職業センター長 那須 利久 目次 序章 ワークシステム・サポートプログラムの概要 1 障害者職業総合センター職業センターにおける発達障害者に対する支援プログラムの取組 2  2 WSSPの構成 2 (1) WSSPの要素 2 (2) WSSPの構造 2 第1章 作業管理支援の概要  1 目的 6  2 作業管理とは 6 3 作業管理課題とは 6 4 作業管理支援における実行機能とは 8 第2章 作業管理支援の改良の視点  1 地域障害者職業センターにおける作業管理支援の導入状況 12  2 「適用対象者の拡大」に向けた検討 12 (1) 対象者の状況に合わせた運用 12 (2) アセスメントの視点の見直し 12  3 「柔軟な実施方法」の検討 13  4 具体的な取組 13  【特別寄稿】「訓練による認知機能の向上と転移の課題」   滋慶医療科学大学大学院医療管理学研究科 岡 耕平 教授 15 第3章 適用対象者の拡大のための各フェイズにおける実施上の工夫  1 適用対象者の拡大 18  2 フェイズ1 ~動機づけを高める仕掛け~ 19 (1) 作業管理課題実施前の対象者のレディネス 19 (2) オリエンテーション資料の導入 20  3 フェイズ2・3 ~なぜできているのかへの視点の転換~ 28 (1) 行動観察シートの改良 28 (2) ふりかえりシートの改良 31 (3) ふりかえりシート等の構成 33  4 振返り相談の効果的な進め方 ~作業スキル発見ノートの活用を中心に~ 36  5 改良版作業管理支援の実施例 44 第4章 作業管理支援の柔軟な実施方法  1 柔軟な実施方法 57 (1) アセスメントしたいことを絞って課題設定を行ったケース 57 (2) 作業管理課題を1回で終了したケース 60  2 ジョブリハーサルとの併用 62  3 テレワークにおける作業管理支援の活用の可能性 66    (1) 行動観察シートの活用 66    (2) ふりかえりシートの活用 66 第5章 まとめ 70 巻末資料 71 付録 作業管理支援Q&A集 100 序章 ワークシステム・サポートプログラムの 概要   序章 ワークシステム・サポートプログラムの概要 1 障害者職業総合センター職業センターにおける発達障害者に対する支援プログラムの取組  障害者職業総合センター職業センター(以下「職業センター」という。)では、知的障害を伴わない発達障害者(以下「発達障害者」という。)を対象とした「ワークシステム・サポートプログラム」(以下「WSSP」という。)を実施しています。職業センターは、WSSPの実施をとおして、発達障害者の職業リハビリテーションにおける支援技法の開発・改良と、その成果の伝達・普及を行っています。 2 WSSPの構成 WSSPは、13週間のプログラムを通じて①障害特性と職業的課題、就労上のセールスポイントなどについて把握すること、②個々の課題への対処方法、周囲に求める配慮などについて整理すること、③職業生活を維持するために必要なストレス・疲労への対処行動などの習得を図ることを目的としています。 (1) WSSPの要素  WSSPの構成要素は、大きく「就労セミナー」「作業」「個別相談」の3つに分けられます。 【就労セミナー】 問題解決技能トレーニング、職場対人技能トレーニング、リラクゼーション技能トレーニングおよび手順書作成技能トレーニングの4種類の技能トレーニングを通じて、職業生活を維持するために必要な技能の習得を図ります。 【作業】 ウォーミングアップ・アセスメント期と職務適応実践支援期の2期に分かれます。 ウォーミングアップ・アセスメント期では、シンプルに構造化した作業環境のもと、ワークサンプル幕張版※などの実施を通じて、作業遂行上の障害特性の現れ方を確認します。並行して、作業の進め方の工夫や環境調整などを行いながら、各受講者の障害特性に応じた対処方法を検討するための情報を収集します。 職務適応実践支援期では、より就労場面に近い作業環境を設定し、検討した対処方法や受講者に応じた周囲のかかわり方(指示の出し方など)を試し、その効果を検証します。 【個別相談】 支援者は受講者と毎週1回、相談を実施し、プログラム内での受講者の言動や就労セミナーで得られた知識・スキルについて受講者自身がどのようにとらえたかを確認し、自身の特性、困っていることや苦手なことへの対処方法、周囲から配慮を得たい事項などについて整理します。 (2) WSSPの構造 WSSPでは、支援を効果的に進めるために「就労セミナー」「作業」「個別相談」の各場面を関連づけながら支援を行います(図1)。例えば、「作業」において手順を何度も間違うといった課題が確認された場合、「就労セミナー」の問題解決技能トレーニングにてグループ・ディスカッションを行い、手順を間違わないための対処方法を検討します。また、「個別相談」では、検討した対処方法をどのように実行するかを話し合ったり、実行した結果の振返りなどを行っています。 ウォーミングアップ・アセスメント期 職務適応実践支援期 就労セミナー ・職場での対人行動や社会性、不安や混乱となり える事項の対処等、構造化された知識を集団講 義や演習、ロールプレイで学んだり、練習する ・4種類の技能トレーニング ①各技能トレーニングの実施 知識・理論 モデル/映像 観察・解釈 推論・選択 ロールプレイ 演習・実体験 段取り・事前試行 シュミレーション 実習/実践模擬場面 個別相談 ・過去の経験やWSSPの振返りを行う ・対処方法やナビゲーションブック作成の相談を行う ③個別に必要なスキルの向上 作業 ・作業面で現れる障害特性を確認する ・就労セミナーや個別相談で学んだスキルや対処方法等を作業場面で試す ②各技能トレーニングで学んだことを実践 ④作業場面で再度練習 図1 WSSPの構造(「就労セミナー」「作業」「個別相談」の関連) ※ ワークサンプル幕張版とは、職業リハビリテーションの中でさまざまに現れる対象者の課題について、作業を通じてその状況を把握したり訓練できるツールのことです。現在、16種類のワークサンプルが開発されており、主に作業体験や作業能力の初期評価に用いられる「簡易版」と、作業能力の向上や補完方法の活用、作業やストレス・疲労への対処行動などのセルフマネジメントスキルの確立に向けた支援に用いられる「訓練版」が用意されています。 また、訓練版には各ワークサンプル内に難易度が設定されています。難易度は、処理すべき情報量、情報処理の複雑さや認知的負荷(一時的に記憶しなければならない情報量、注意配分数、確認箇所数など)の増加などによって高くなります。 【参考文献】 障害者職業総合センター:「トータルパッケージの活用のために(増補改訂版)-ワークサンプル幕張版(MWS)とウィスコンシン・カードソーティングテスト(WCST)幕張式を中心として-」(2013) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.4 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 障害者支援マニュアルⅡ」(2009) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.6 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 発達障害者のための職場対人技能トレーニング(JST)」(2011) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.8 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 発達障害者のための問題解決技能トレーニング」(2013) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.10 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 発達障害者のためのリラクゼーション技能トレーニング ストレス・疲労のセルフモニタリングと対処方法」(2014) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.13 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム ナビゲーションブックの作成と活用」(2016) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.15 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 手順書作成技能トレーニング」(2017) 第1章 作業管理支援の概要   第1章 作業管理支援の概要 1 目的 作業管理支援は、在職中または休職中の発達障害者の作業管理能力を実行機能の側面からアセスメントし、個々の特徴に応じた対処方法を検討するため、令和3年度に職業センターで開発した支援技法です。発達障害者の職場定着においては、人的、物理的環境の構造化などの工夫が奏功する可能性はあるものの、多少のマルチタスクや臨機応変な対応は避けられないことから、対象者の作業管理能力の向上を目指す取組として、作業管理支援が開発されました。なお、本支援が在職中または休職中の者を主な適用対象者として開発された理由は、作業管理上の困難を一因として職場適応がうまくいかない者が多かったためです。 作業管理支援は、「支援者が対象者の作業管理上の課題を実行機能の側面からアセスメントし、対処方法の検討および提案を行う」「作業管理課題を通じて、対象者自らが作業管理上の得手不得手を把握し、主体的に対処方法を検討、習得、実践することを目指す」の2点を目的として実施します。 2 作業管理とは 本技法では、「作業指示を受ける」「期限内の作業完了に向けた計画を立てる」「作業を実施する」「作業後の結果を確認する」「指示者へ結果を報告・相談する」といった作業の基本的な流れにおける一連の工程を的確に処理し、与えられたタスクを期限内に完了することを「作業管理」と定義しています(図1参照)。 1指示 2作業予定・計画 3作業実施 4結果確認 5指示に報告・相談 異常・緊急時      図1 作業管理の流れ 3 作業管理課題とは 作業管理支援の工程として図2のとおり3つのフェイズを設定しており、フェイズ1を支援の準備段階とし、フェイズ2およびフェイズ3において「作業管理課題」を実施します。 フェイズ1 •作業管理課題で必要とされる基礎的な対応力の習得を図る準備段階 5週間程度を想定 フェイズ2 •作業管理課題を実施し、作業管理上の能力をアセスメントし、その結果に基づく対処方法を検討する。 ※作業管理課題   ➡1週間 振返りと対処方法の検討   ➡2週間程度 2~3週間程度を想定 フェイズ3 •再び作業管理課題を実施し、対処方法の実践的活用に向けたトレーニングを行う。 2~3週間程度を想定 図2 作業管理支援の工程 作業管理課題は、ワークサンプル幕張版(以下「MWS」という。)などを活用し、表1のような特徴をもたせた7区分12種類のタスクからの中から選択して設定します。支援者はAからGまでの各区分から1種類ずつ計7つのタスクを選択し、各タスクについて対象者のMWSの習得状況などに合わせて作業量を設定します。対象者はこの7種類のタスク(作業管理課題)を5日間かけて実施します。 対象者に指示するタスクの項目、量、難易度の設定は、「タスクる」という支援者用の補助ツールを活用します。 表1 作業管理課題の各タスクの特徴 対象者は各タスクに設定された締切り日時を守り、すべてのタスクを完了することが求められます。また、フェイズ2で明らかになった改善が望まれる事項について、その対処方法を検討のうえフェイズ3を実施し、その効果を検証しています。  また、フェイズ2およびフェイズ3では、表2のとおり支援者は「行動観察シート」を、対象者は「ふりかえりシート」を作成します。これらのシートを活用して作業管理課題の取組状況を対象者と支援者がともに振り返り、作業管理上の強みや改善事項の整理、対処方法の検討などにつなげていきます。 表2 各シートの作成者と作成する目的およびタイミング 作成者 目的 作成のタイミング 行動観察シート 支援者 実行機能に着目したアセスメント 作業管理課題期間中は毎日 ふりかえりシート 対象者 作業管理課題の取組の振返り 作業管理課題終了日または翌日 振返り相談では、対象者が自らの行動や思考を振り返り、自身の強みや課題への対処方法を主体的に検討し、その後の実践につながるような支援者のかかわりが重要です。振返りの進め方によっては、「できないことばかりだった」などネガティブな感想に終始してしまう可能性も考えられます。できたことに目を向けるとともに、できなかったことも「どのようにすればできるようになったか」という気づきを促すなどし、対処方法の検討に結びつけていくために「行動観察シート」および「ふりかえりシート」をうまく活用しながら相談を進めていくことが必要です(詳細は第3章を参照)。 4 作業管理支援における実行機能とは 本技法では、作業管理を効率よく的確に行ううえで、実行機能の働きを重視しています。 本技法においては、広義の実行機能を「課題解決や目標達成を効率よく行うために、思考・行動・情動を意識的に制御する高次脳機能」とし、さらに表3のとおり実行機能の下位概念を定義しています。作業管理支援は、作業管理が適切に行えるようにするために、実行機能の下位概念と関連づけて分析を行います。 表3 実行機能の下位概念と定義 実行機能の下位概念 定義 抑制 ・当該の状況で優位な(優勢な)行動や思考を抑制する力 ・衝動を制御する力 ・自動的な反応を意図的に抑制する力 シフト ・新しいルールや思考、反応に柔軟に切り替える力 情緒の コントロール ・情緒的な反応を適切に節すること ・今の自分の感情に気づいたり、興奮を抑えたり、場に応じた適切な感情を表出する力 開始 ・自発的に課題や活動を始める力 ワーキングメモリ ・さまざまな課題の遂行中に一時的に必要となる記憶 計画・組織化 ・計画:ある目標の達成に向けて事前に行動の手順を計画する力 ・組織化:目標を成し遂げるための情報、活動、道具に秩序をもたらす力 道具の整理 ・仕事場、生活空間、道具を整然と保つ力 タスクモニタ ・目標の達成を確実にするため、課題遂行中または課題終了後の仕上がり具合について評価する力 セルフモニタ ・自分の行動と自分の行動が他者に与える影響を把握する力、個人のセルフモニタリング機能 下記の内容など作業管理支援の詳細については、令和3年度に発行した実践報告書No.39を参照ください。 ・実行機能の9つの下位概念についての知見 ・作業管理課題の各タスクの詳細 ・「タスクる」の詳細  本報告書の巻末には、作業管理支援の実施においてよくある質問をQ&A集としてとりまとめましたので、あわせてご確認ください。 【参考文献】 障害者職業総合センター職業センター:「実践報告書No.39 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 在職中又は休職中の発達障害者に対する作業管理支援」(2022) 第2章 作業管理支援の改良の視点   第2章 作業管理支援の改良の視点 1 地域障害者職業センターにおける作業管理支援の導入状況  令和6年度、地域障害者職業センターおよび広域障害者職業センター(以下「地域センター等」という。)を対象に、作業管理支援の実施状況についてアンケートを行ったところ、約5割の地域センター等から「実施している」または「部分的に実施している」との回答がありました。 作業管理支援を実施したことのある地域センター等からは、「会社にわかりやすく配慮事項を整理して伝えることができた」「実行機能のどの点に課題があり、どのような対処方法が考えられるか、具体的な相談ができるようになった」など、作業管理支援の効果が感じられる意見や感想が確認できました。また、「発達障害者以外にも、実行機能に課題がある対象者へ実施したい」などの適用対象者の拡大に向けた作業管理支援の改良を期待する声もありました。 一方、実施に至っていない地域センター等からは「スタッフ間で実施手順や実行機能の下位概念について理解するなど、実施のための十分な準備ができていない」といった意見が散見されました。そのほか、「通所期間が短い対象者の場合、作業管理支援を既定のスケジュールどおり実施することが難しい」との声もありました。 以上の理由から作業管理支援の「適用対象者の拡大」や「柔軟な実施方法」への対応について検討することとしました。 2 「適用対象者の拡大」に向けた検討  地域センター等からのアンケートにもあるように、実行機能の側面から作業管理能力を把握し、対処方法を習得することは、発達障害者に限らず、精神障害や高次脳機能障害などの認知機能の障害のある者へも有効であると考えられることから、適用対象者に含めることとしました。また、在職者のみならず、課題がまだ顕在化していない求職者においても職場での適応力を高めるうえで効果的な取組であると考え、同じく適用対象者の範囲とすることとしました。その際、以下のような課題について検討を行いました。 (1) 対象者の状況に合わせた運用 現行の作業管理課題は一定の就労経験があることを前提としていることから、対象者にとって精神的緊張感をともなうストレスの高い作業となり、うつ病等の二次障害がある者などへの実施は、自己効力感の低下につながる可能性があるなど逆効果となる場合も考えられます。これらのことから、対象者像の整理にあたり、作業管理支援の実施の可否を検討する際のポイント、作業管理課題を実施する目的の共有や動機づけの仕方などを検討することとしました。 (2) アセスメントの視点の見直し  対象者の拡大にともない、当初「より複雑な問題の原因をどう実行機能レベルで把握するか」に注目していました。しかし、WSSPでの作業管理支援の状況を振り返ったところ、以下のようなことが確認されました。 作業管理支援を遂行するうえで生じている問題は、多様な要因が重なっている場合が多く、実行機能以外にも、睡眠不足などの体調や生活習慣、作業管理の遂行を妨げる思考、感覚過敏などの特性による影響なども考えられること。 いくら分析を進めてもあくまでも仮説であり、問題となっている点が実行機能の視点から検討した場合でも、実用的な対処方法に結びつくとは限らないこと。 仮に実行機能の視点から有効な対処方法が導き出せない、または導きにくい場合でも、行動分析学の視点から検討し直すなどのほかのアプローチを行うことが有効な場合もあること。  これらのことから、作業管理支援の改良にあたっては、実行機能のほかにも幅広くアセスメントの視点をもつ必要があるとの考えに至りました。 3 「柔軟な実施方法」の検討  作業管理支援を実践報告書No.39のとおり行う場合、9~11週間を要します。また、作業管理課題は連続した5日間で実施することを想定していますが、通所距離・時間などの理由により週数日または短期間の通所を希望される者もおり、作業管理支援の実施に至っていないことも考えられます。 本報告における作業管理支援では、作業管理課題にて確認された場面と類似した場面が実際の職場で発生した際に、作業管理支援で見出した補完手段を実践できるようにすることを目指しています。これは「近転移と遠転移」の視点を参考にしています。15ページに滋慶医療科学大学大学院医療管理学研究科教授 岡 耕平氏による特別寄稿「訓練による認知機能の向上と転移の課題」を掲載しておりますので、あわせて確認ください。 このような視点をふまえると、作業管理支援を実施するにあたっては、必ずしも既定のフルセットの実施でなくても部分的な実施も可能との考えに至りました。例えばWSSPでの実践例として、1回目の作業管理課題を実施した時点で補完手段の効果が確認できたことから、2回目の作業管理課題は実施せず、実際の職場などで補完手段を実践していくこととして終了したケースもあります。このように、「なぜできたのか、その時の状況や条件などを振り返り、それを再現することに意識を向けてもらえるよう対策を図ること」を作業管理支援の実施目的とすることによって、柔軟な実施が可能となると考えます。 4 具体的な取組  以上のことから、作業管理支援の対象者の拡大にあたっては、実行機能のアセスメントだけでなく、「うまくいった理由を探り、それを実際の就労場面でも活かせるよう対処方法を検討する」ことを目指したアプローチを検討することとしました。「なぜできたのか、その時の状況や条件などを振り返り、それを再現することに意識を向けてもらえるよう対策を図ること」で、必要な対象者へ作業管理支援を実施できるようにすることを目指しました。 具体的には、①適用対象者の拡大にともなう作業管理支援の導入の仕方(フェイズ1の実施方法など)、②「できたこと」に注目したアセスメント、振返り相談の仕方(各種シートの改良など)について取りまとめました。  また、既定の作業管理支援では対応が難しい場合の柔軟な取組について、WSSPや地域センター等から事例を収集し、実施方法や留意点などについて紹介しています。 詳細については第3章および第4章を参照ください。 コラム 今回の検討において、以下2点の視点も参考にしました。 ①『解決志向ブリーフセラピー』  トラッパーほか(2013)は、解決志向ブリーフセラピーとは「過去の欠点や問題に対する強調を最小化し、そのかわり、クライエントの強みおよび成功体験に注目するという、能力に基づいたモデルである。」1)と述べています。この解決志向ブリーフセラピーでは、問題は終始起こっているのではなく例外や解決行動が存在し、これらに焦点をあて、問題解決ではなく解決を構築していくことなどが基本的な考え方になります。  作業管理支援の改良にあたりヒアリングを実施した専門家からも、問題の原因を細かく探り、特定することよりもうまくいった理由に目を向け、それを再現していくことに目を向けることの重要性について助言を受けました。  問題の背景について検討することは支援を行ううえで大切な視点ですが、すでにある解決行動に目を向け、それを拡大していくという視点をもつことは、支援の幅を広げるきっかけになるのではないでしょうか。 ②『ネガティブ・ケイパビリティ』  ネガティブ・ケイパビリティは様々な分野で使われており、定まった定義があるわけではありませんが、枝廣(2024)は「ひと言で言えば、ネガティブ・ケイパビリティとは「不確実性を許容する高度な能力」です。」2)と述べ、「不安に耐えたり不確実な場所にとどまること自体が目的なのではなく、その結果として「新しい思考や認識が出現」するために発揮するのがネガティブ・ケイパビリティなのです。」3)としています。  就労支援においても、時にネガティブ・ケイパビリティが必要とされるのではないかと考えます。生じている問題の背景は多様で、複雑に絡み合っている場合もあり、それを早急に特定することが必ずしも効果的な支援につながるとは限りません。不確実さのあるなかでも解決志向ブリーフセラピーの考え方なども参考に、今できていることや今後に目を向け、支援の糸口を探ることが必要な場面もあるのではないでしょうか。 【引用文献】 1)テリー・S・トラッパーほか(著).第2章 解決志向ブリーフセラピーマニュアル.シンシア・フランクリンほか(編).長谷川啓三ほか(編訳).石井佳世(訳):「解決志向ブリーフセラピーハンドブック エビデンスに基づく研究と実践」、金剛出版(2013)p.26 2)枝廣淳子:「答えを急がない勇気 ネガティブ・ケイパビリティのススメ」、イースト・プレス(2023)p.32 3)枝廣淳子:「答えを急がない勇気 ネガティブ・ケイパビリティのススメ」、イースト・プレス(2023)p.34 【特別寄稿】 訓練による認知機能の向上と転移の課題 滋慶医療科学大学大学院医療管理学研究科 教授 岡 耕平  職業リハビリテーション分野において、しばしば話題になるテーマに、認知機能の訓練がある。具体的には、集中して作業を続けるといった注意機能、作業手順を覚えておいたり聞いた内容を覚えておいたりする記憶機能、現状の状況を観察して何をすべきかを判断するような状況認識機能、などである。訓練として考えたとき、どのように訓練すればそれら認知機能が向上するのか、訓練した認知機能がさまざまな課題に対して利用できるようになる(転移する)のか、といったことが重要になる。もちろん、訓練による機能向上や技能獲得のみが職業リハビリテーションの手段ではない。自身の能力だけではなくどのような環境条件(ツールの利用や手続き・ルールの調整)であれば仕事がしやすいかということを見出すことも職業リハビリテーションにおいて重要である。ここでは機能訓練や技能の獲得において誤解されやすい課題、そして職務において自身がパフォーマンスを発揮しやすい環境を見出す際に重要になる視点について整理する。 近年、特別支援教育の分野での認知機能トレーニングブームが職業リハビリテーション分野にも波及しているように見受けられる。単純な認知的課題を反復練習することで、注意機能、視覚-運動協応機能、ワーキングメモリ機能などが向上し、結果としてさまざまな日常生活場面での学習・作業スキルが向上する、と説明されている一般書やメディアがSNSで話題になっている。しかしながらこれには多くの誤解が含まれている。 認知心理学の分野においては課題の反復練習によって遂行速度と正確性が向上し、遂行に要する負担感も減少することが古くから知られている。代表的な技能学習の三段階モデル(Fitts & Posner, 1967)では、技能習得は動作の目的や手順を思考しながら理解しようとする「認知段階」から、動作がある程度の速度で遂行できるようになり、試行錯誤を通じて正確性や安定性が高まる「連合段階」を経て、最終的に意識せずとも動作が遂行できるようになる「自動化段階」に至ると説明される。このモデルが示すように、さまざまな課題の反復練習によってパフォーマンスは向上し、注意や記憶の負担は軽減される。しかしながら、反復練習すれば認知的な負担感が下がるということは、個人の認知機能のパフォーマンスが向上したことを意味しない。 ひとつの課題で身につけた身体的・認知的技能が、どの程度他の課題に転移できるかということについては、さまざまな研究知見がある。練習した課題と類似要素が多い課題への技能の転移は近転移と呼ばれ、類似要素が少ない課題への転移は遠転移と呼ばれる。認知機能の向上を目指す練習は、基本的な認知機能(注意、ワーキングメモリ、状況認識など)のパフォーマンス向上を指すものであり、これはすなわち遠転移を目指すものである。しかしながら多くの研究結果から基礎的認知機能のトレーニングによって学習・生活場面での課題遂行能力がほぼ向上しない(遠転移しない)ことが指摘されている(例えば Sala & Gobet, 2017; Kassai et al., 2019; 坪見ら, 2019など)。「ほぼ」というからには少しは効果があるという知見もあるのだが、その効果を得るための練習コストを考慮すると、苦手な課題をそれぞれ練習する方が効率は良いのである。 したがって、職業リハビリテーションにおいては、仕事の中で遂行困難な課題要素がある場合、その仕事自体を反復練習するか、遂行困難な課題要素をうまく回避する方法を検討する方が良いと考えられる。近年、認知機能の困難に関して、オフローディングというテクニックが注目されている。これは難しいものではない。要するに自身に認知的負荷がかからないように自身の認知的な情報処理の一部を外部化するというものである。例を挙げると、頭で覚えておくことが難しい場合にメモに書き出しておく(記憶の外部化)ことや、外部からの音声で注意が逸れて集中が困難な場合にイヤーマフを装着する(問題が生じにくい環境の構築)ことが相当する。これは職業リハビリテーションにおいて既に普及している方法であり、いまさら特段ここで説明するべきものでもない。 重要なのは、課題の反復練習による技能の獲得と、困難な課題要素に対するオフローディング方法の獲得のバランスである。そして強調したいのは、転移は偶然ではなく設計できるということだ。遠転移を目指すよりも、今後自身が取り組む可能性の高い課題に共通する要素に的を絞って練習し、近転移しやすい技能を増やすことは有効と思われる。同時に、メモやチェックリスト、タイマー、リマインダー、スケジューラー、など身近にあるPCやスマートフォンに標準装備されているようなテクノロジーをうまく利用し、認知的負荷をオフローディングするようなテクニックを習慣化する。最近では生成AIを使うことも(職場および職務内容によっては)有効だろう。オフローディングしやすい手続きになるように工夫したりすることも重要だ。このような練習とオフローディングの二本立てが職務スキルの向上につながると考えられる。 1.Fitts, P.M. & Posner, M.I. (1967). Human Performance. Brooks/Cole, Belmont. 2.Sala, G. & Gobet, F. (2017). Developmental Psychology, 53(4), Pp.671-685. 3.Kassai, R., Futo, J., Demetrovics, Z., & Takacs, Z. K. (2019). A meta-analysis of the experimental evidence on the near-and far-transfer effects among children’s executive function skills. Psychological bulletin, 145(2), 165-188. 4.坪見博之, 齊藤智, 苧阪満里子, 苧阪直行. (2019). ワーキングメモリトレーニングと流動性知能―展開と制約―. 心理学研究, 90(3), 308-326. 第3章 適用対象者の拡大のための 各フェイズにおける実施上の工夫   第3章 適用対象者の拡大のための各フェイズにおける実施上の工夫 1 適用対象者の拡大  ヒアリングを行った地域センター等(以下「協力センター」という。)に、作業管理課題の実施が必要と判断した理由を尋ねました。以下のように、作業管理上の何らかの課題が不適応の要因であり、作業管理課題の取組状況から自己対処の方法を検討するため実施に至ったというケースが多く確認されました。 発達障害の診断を受けたばかりで自身の特性を把握できておらず、作業管理課題を通じた特性の把握と自己対処の方法について整理する必要があると思われたため。 仕事を引き受けすぎてキャパオーバーになり休職に至った経緯があったため、タスクマネジメントと体調管理を並行して実践してみることで、今後の自己対処や環境整備の必要性について気づきを得る必要性があると考えたため。 作業の段取りや優先順位を考えることの苦手さについて分析し、対処方法を検討するためには、通常の講座受講や個別作業だけでなく、作業管理課題の実施が必要と考えたため。 復職支援において、スケジュール管理やマルチタスクの苦手さなどのエピソードが確認されたケースについては作業管理課題を積極的に実施している。 1つずつ作業して報告するという通常の作業は問題なくこなせていたため、複数課題になった場合の状況も把握しておくこととした。 また、ヒアリングを実施した専門家からも、自己対処の方法を検討することが作業管理支援において重要な取組の一つであると助言をいただきました。対象者を精神障害者や高次脳機能障害者、就労経験がない者等へも適用するにあたっても、対象者自身が作業管理における自己対処の方法を検討する姿勢があることは、作業管理支援の実施を検討する際の前提になるといえます。表1で示すような作業管理における課題があり、効果的な対処方法が見つかっていない場合や、現在の作業管理能力を把握し、今後の仕事選びの参考にしたい場合などに実施することが想定されます。 表1 作業管理上の課題の例 作業の基本的な流れ 課題の例 指示受け ・聞きそびれた指示内容を確認せず自己判断で作業を進め、指示と異なる成果物を提出した。 作業予定・計画立案 ・時間の見積もりをせず作業を進め、締切りに間に合わなかった。 作業実施 ・一つのタスクが終わるまで別のタスクに取り組めず、締切りに間に合わないタスクがあった。 結果確認 ・複数のタスクになると進捗状況を正確に把握できなくなる。 報告・相談 ・報告が簡潔にまとめられず、言いたいことが伝わらない。  作業管理課題は、締切りのある最大7つのタスクを同時に指示され、対象者が自身でスケジュール管理やタスクの優先順位づけ、必要に応じて指示者に質問・相談を行いながら進めます。タスクによっては、完成形が曖昧なものや完成までの工程が不明瞭なものもあり、対象者にとっては、心理的・認知的に負荷の高いものとなります。このため、自信や意欲の喪失などの影響が予測される場合には、以下の「2 フェイズ1 ~動機づけを高める仕掛け~」に述べるような工夫を検討したうえで、作業管理課題を実施してください。 2 フェイズ1 ~動機づけを高める仕掛け~ (1) 作業管理課題実施前の対象者のレディネス  作業管理支援をより広い対象者に効果的に実施するためには、以下のようなフェイズ1の取組方法を工夫することが有効です。 フェイズ1の段階では、フェイズ2で行う作業管理課題にまったく対応できないという状態を避けるため、作業管理課題を遂行するうえでの一定の知識やスキルの獲得状況を確認する必要があります。その際の対応例について、職業センターや協力センターでの取組事例を参考に表2のとおり記載しました。 表2 作業管理課題に必要な知識・スキルの確認 確認事項 知識付与、スキル習得の機会が必要な場合の対応例 MWSの実施手順を習得できているか ・作業管理課題で実施する予定の作業種について実施し、手順の習得を促す。 ※各作業レベル4程度まで実施しておくことを推奨しています。 報告や質問などが自発的に行えるか ・職場対人技能トレーニングやSST、アサーションなどを実施し、職場で求められる基本的なコミュニケーションについて学ぶ機会を設定する。 自分が必要と感じた際にメモを取ることができるか ・手帳やto-doリストなどの活用方法を確認し、自分に合ったメモの取り方や活用方法などについて検討し、練習する機会を設定する。 ・手順書作成技能トレーニングを実施し、自分に合った手順書を作成する練習をする。 締切りのあるタスクや数日間にわたるタスク、急な追加指示などの負荷に対し、体調や気分が大きく崩れないか ・リラクゼーション技能トレーニングやアンガーマネジメントなど、ストレス対処について学べる機会を設定し、自分に合ったストレス対処の方法を確認、実践する。 ・日々の体調や気分などを記録し、日中、作業に集中できる状態を整える。  上記の取組内容は一例で、このような知識・スキルをすべて獲得できていないと作業管理課題の実施に移れないというわけでもありません。 また、作業管理課題の習得状況によっては、既定の作業管理課題どおりの実施ではなく、対象者がつまずきそうな点についてあらかじめ補足の説明を加えるなど、以下「(2)オリエンテーション資料の導入」等における指示の出し方やタスクの設定の仕方などを参考にして調整するとよいでしょう。 (2) オリエンテーション資料の導入 就労経験があまりない対象者への実施を想定してオリエンテーション資料を作成しています。 オリエンテーション資料の各工程(「1.指示」から「5.指示者に報告・相談」)は作業管理課題においてよく見られる行動を基に設定しています。ここで説明している行動がすべての職場で求められるものではありません。必要に応じて補足説明を加えるなどして使用ください。対象者によっては適宜、加筆や修正を加えることも可能です。 以下に、WSSPでオリエンテーションを行う際の実施方法について紹介します。WSSPでは個別にオリエンテーションを行う場合と、集団で実施する場合があります。なお、作業管理課題において具体的に何を意識して取り組むとよいか分からず不安に感じる対象者もいるため、集団でオリエンテーションを実施した場合も、対象者によっては個別に補足説明を加えたり、具体的な取組目標などについて相談しておくとよいでしょう。 1 今後、作業支援の1つとして作業管理課題に取り組んでいただきたいと思います。 本日のオリエンテーションでは作業管理課題とは何かについてお伝えします。 2 まず、仕事の流れから確認しましょう。 仕事の基本的な流れとして、指示者から指示を受ける、作業予定や計画を立てる、作業を実施する、作業結果を確認する、指示者に報告相談するという段階があります。途中、異常が生じたり緊急で対応が必要なことがあれば指示者への報告・相談が必要です。 このような流れで仕事を進めていくためには、各自が仕事を管理する力が求められます。各自が仕事を管理するためには、仕事の流れの中で、次のスライドに示したような行動を取る必要があります。 3 まず、指示の段階です。ここでは、指示を集中して聞くこと、指示を記憶すること、メモを取ること、不明点について自分から質問することなどが含まれます。 この指示の段階を完了するためには、指示を受けるときに素早くメモを取る準備をし、指示を正確に記憶すること、不明点やあいまいな理解になっていることについては自分から相手に質問することが必要です。ここまでが指示を受ける側に求められる役割となります。 では、ここでこれまでの指示の段階について振り返ってみましょう。「指示を集中して聞く」「指示を記憶する、メモを取る」「不明点について自分から質問する」について、これまでやっていた・できていたと思う項目にチェックをつけてください。 ※チェックがついた項目は、それができた具体的な場面を確認します。 ※チェックがつかない項目は経験がないのか、経験はあるができなかったのかを確認します。 ⇒経験がない場合はその行動を取る自信はあるか、できそうか等本人の見立てを確認します。 ⇒経験はあるができなかった場合は、どのような時にできなかったのか、どこまではできていたのかを確認します。 ※「病前はできていたが現在は分からない、できない」という場合には、経験がない場合と同様に確認します。 4 次は、作業予定・計画の段階です。ここでは、自分が抱えているタスクを把握する、作業の優先順位をつける、作業を完了するためのスケジュールを立てるなどが含まれます。 作業予定・計画を完了するため、自身が抱えているタスクが把握できていない場合に自分から指示者へ自分が抱えているタスクを確認すること、作業を完了するために各作業時間を予測してスケジュールを立てることが必要になります。 また、ここには異常が生じた場合の対応や緊急時の対応が含まれます。例えば、スケジュールを立てたところタスクが終わらないと思ったときが該当します。そのときはすぐに指示者に報告・相談する必要があります。ここまでが作業予定・計画で求められる役割となります。 では、ここでこれまでの作業予定・計画の段階について振り返ってみましょう。 「自分が抱えているタスクを把握する」「作業の優先順位をつける」「作業を完了するためのスケジュールを立てる」について、これまでやっていた・できていた場合はチェックをつけてください。 5 次は、作業実施の段階です。ここでは、作業環境を整理された状態に保つ、作業の優先順位を意識して行動する、作業の締切りが近づいても、落ち着いて作業を進めるなどが含まれます。 作業を完了するためには、作業を締切りまでに完了すること、作業をミスなく行うこと、追加指示や作業に対応することが必要になります。 また、ここには異常が生じた場合の対応や緊急時の対応が含まれます。例えば、ミスがあった時や、やむを得ず追加指示に対応できそうにないと思ったときが該当します。そのときはすぐに指示者に報告・相談する必要があります。ここまでが、作業実施で求められる役割となります。 では、ここでこれまでの作業実施の段階について振り返ってみましょう。「作業環境を整理された状態に保つ」「作業の優先順位を意識して行動する」「作業の締切りが近づいても、落ち着いて作業を進める」について、これまでやっていた・できていた場合はチェックをつけてください。 6 次は、結果確認の段階です。 結果確認には、作業終了後にミスがないか確認し、ミスがあったら修正する、作業スケジュールと作業の進捗をすり合わせるなどが含まれます。 結果確認を完了するためには、指示者に提出する前にミスがないか確認をすること、作業スケジュールと作業の進捗が合っているか、計画どおりに進んでいるか確認することが必要になります。 また、ここには、異常が生じた場合の対応や緊急時の対応が含まれます。例えば、作業が計画どおりに進んでいない、遅れていることが分かったときが該当します。そのときは、すぐに指示者に報告・相談する必要があります。 ここまでが結果確認で求められる役割となります。では、ここでこれまでの結果確認の段階について振り返ってみましょう。「作業終了後にミスがないか確認し、ミスがあったら修正する」「作業スケジュールと作業の進捗をすり合わせる」について、これまでやっていた・できていた場合はチェックをつけてください。 7 次は、指示者に報告・相談の段階です。 指示者に報告・相談には、報告する内容を整理してから報告する、作業の進捗状況に応じて指示者に報告するなどが含まれます。 指示者に報告・相談を完了するためには、完了しているタスク、また完了していないタスクが分かるように報告すること、完了していないタスクの今後の見通し(どのくらいで終わりそうかなど)を報告すること、適切なタイミングで報告することが必要になります。 ここまでが、指示者に報告・相談で求められる役割となります。 では、ここでこれまでの指示者に報告・相談の段階について振り返ってみましょう。「報告する内容を整理してから報告する」「作業の進捗状況に応じて指示者に報告する」について、これまでやっていた・できていた場合はチェックをつけてください。 ここまで仕事の流れに沿って、ご自身について振り返ったことで、ご自身ができていることが少し把握できたでしょうか。今回振り返りをしたことで、各段階で必要な行動が確認できたと思います。 では、次のスライドから作業管理課題について説明します。 8 作業管理課題とは、ご自身の仕事を管理する力を把握するために設定した作業課題です。 普段行っている作業とは異なり、支援スタッフより締切りのある複数の課題を指示したり、作業の途中で追加指示をすることがあります。 作業管理課題を実施する目的は、現在できていること、今後対処が必要なこと、どのような対処が必要なのかを知ることです。作業管理課題に取り組むことで、次のようなことが分かるのではないかと思います。 ・ご自身ができていることが分かり、自信を持って作業に取り組む。 ・どのような対処をすると作業が完了するのかが分かる。 ・ご自身に合った対処方法が分かるため、同じミスを繰り返すことを防げる。 ・職場で作業を進める際に、職場に求める配慮事項を整理することができる。 作業管理課題に関する説明は以上です。 説明を聞いて、作業管理課題に関して質問はありますか?また、作業管理課題に取り組みたいと思いましたか?  WSSPや協力センターにて作業管理支援を実施したケースで、以下のようなエピソードがありました。 指示に対してあいまいな点はあったが質問せず、結果、指示者の求めるものと異なる成果物を提出したことについて振り返ったところ、対象者は指示者側の説明不足を指摘した。 「報告」に関するイメージが対象者と支援者間で異なっており、支援者が想定していた「報告」がなかった。 作業管理支援を通じて対象者の作業管理に関する知識や認識を確認できる一方、場合によっては対象者と支援者の主張が平行線でその後につながる振返りにならない、支援者側の判断基準を一方的に押しつけていると感じられるなどが生じる可能性もあります。こういったことを避けることも目的の一つとし、オリエンテーションでは「作業管理とは何か」「なぜ作業管理課題を行うか」などについてあらかじめ対象者と共有認識を図ることとしています。また、資料は作業管理課題実施後に対象者が作成する「ふりかえりシート」の内容にもつながっているため、振返り相談が進めやすくなることも期待できます。 繰り返しになりますが、作業管理課題は対象者によっては負荷の高いものとなります。このため、作業管理課題の実施の目的や目標について、対象者と支援者間で十分にすり合わせたうえで、実施することが重要です。 3 フェイズ2・3 ~なぜできているのかへの視点の転換~ (1) 行動観察シートの改良  行動観察シートは、支援者が作業管理課題実施中の対象者の行動観察を行った際の記録として作成します。  今回開発した「行動観察シート(2025)」では、実践報告書No.39の「行動観察シート」に設定されていた「関連する実行機能」の欄を削除しています。これは、対象者の行動が実行機能のどれに該当するのか特定するよりも、対象者が作業管理課題を完了するためにどのような行動を取っているのかといった視点からのアセスメントができることを意図しています。 行動観察シートでは、対象者の自己対処や今後必要な対処方法を整理、検討しやすくするため作業の基本的な流れである「指示受け」から「報告・相談」までの一連の流れを観察することを想定しています。なお、これまでの支援の中で既に把握できている項目は省略すること、作業管理課題実施期間中に特に確認したい項目を設定し、観察するポイントを限定することも可能です。   表3 (実践報告書No.39)行動観察シート 作業管理支援【行動観察シート】 作業管理課題 令和年月日() 記録者【】作業工程 作業工程ごとに必要な行動 アセスメントのポイント評価関連する 実行機能観察メモ ①指示受け・指示を聞く態勢をとる・直前の行動や思考から離れて指示を聞くことに注意を向ける【シフト】 ・指示受けに必要な道具を準備する・素早くメモ、筆記具等を取り出す【道具】 ・指示内容についてメモを取る・指示を正確に記憶する【WM】 ・指示を聞きながらメモを取る ・不明点を質問する・適切な台詞、声の大きさ、態度で質問する【コミュ】 ・自信がない点について確認する・適切な台詞、声の大きさ、態度で確認する【セルフモニタ】 ・誤りに対して冷静に事実確認を行う・冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う【情緒】 【コミュ】 ②作業予定・計画立案★各タスクを指定された納期までに完了させるための計画を立てる・タスクの全体把握※報告もタスクとして認識しているか【計画】 ・優先順位づけ ・工程の明確化 ・時間の見積もり ・スケジューリング ・レポート、社内報原稿:完成形を明確にし(目標の明確化)、指示者と共有する・完成形の明確化※完成形のイメージでもよい。【計画】 ・独力で完成形の明確化が難しい場合、指示者に相談する【コミュ】 ・完成形について共有する ③作業実施・整理整頓をする・机上など作業環境を整理された状態に保つ【道具】 ・定例作業に対応する・定例作業があることを覚えている【WM】 ・進行中の作業から定例作業に切り替える【シフト】 ・計画通りに作業を進める・苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する【開始】 ・計画外の行動を抑制する(例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する)【抑制】 ・急ぎのタスクとして指示される「追加作業」に対応する・動揺や焦りをコントロールする【情緒】 ・スケジュールを組みなおす(作業予定・計画立案★の項を参照)【計画】 ・進行中の作業から追加作業に切り替える【シフト】 ・各タスクをミスなく完了させる・作業中の見直しによるミスの発見と修正【タスクモニタ】 ・ネガティブな結果を予想したり、ネガティブな状況に直面しても冷静さを保つ・締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ【情緒】 ・作業方法、ルールの変更に対応する※・新しいルールで対応する(対応困難な場合は、下記①②を検証)【シフト】 ①新しいルールを覚えている【WM】 ②古いルールに基づく反応を抑制する【抑制】 ④結果確認・作業の見直しをする・作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する【タスクモニタ】 ・進捗状況の確認をする・スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談・指定された期間中または日時に進捗報告を行う・報告する情報を体系的に整理する(例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる)【計画】 ・報告のタイミングを覚えている【WM】 ・進行中の作業から報告へ行動を切り替える【シフト】 ・正確に報告を行う【タスクモニタ】 ※作業方法、ルールの変更に対応する 【ストップウォッチの計測(旧:あり、新:なし)】【レベルを進めるルール(旧:3連続正答、新:ミスの修正)】 【物品請求書作成の消費税率(前半:8%、後半:10%)】【作業日報集計(前半:少数点第2位を切り上げ、後半:少数点第2位を四捨五入)】 ■その他■ 作業管理を妨げる思考実行機能の働きを阻害する要因 □強いストレス(詳細:) □不安、抑うつ(詳細:) □睡眠不足(詳細:) □実行機能を酷使した直後(詳細:) 感覚特性(感覚刺激への反応) □視覚(詳細:) □聴覚(詳細:) □その他(詳細:) ■MEMO■ ■関連する実行機能等の記載方法について 情緒のコントロールを【情緒】と記載。 ワーキングメモリを【WM】と記載。 計画・組織化を【計画】と記載。 道具の整理を【道具】と記載。 コミュニケーションに関する知識・スキルの不足を【コミュ】と記載。 表4 行動観察シート(2025) 令和年月日() 記録者【】作業工程 作業工程ごとに必要な行動 行動観察シート(2025) 作業工程作業工程ごとに必要な行動アセスメントのポイント評価観察メモ ①指示受け・指示を聞く態勢をとる①-1:直前の行動や思考から離れて指示を聞くことに注意を向ける(対応できた時、できなかった時にどのような行動を取っていたか?)(課題を完了するためにどのような質問があったか?) ・指示受けに必要な道具を準備する①-2:素早くメモ、筆記具等を取り出す ・指示内容についてメモを取る①-3:指示を正確に記憶する ①-4:指示を聞きながらメモを取る ・不明点を質問する①-5:不明点を適切な台詞、声の大きさ、態度で質問する ・自信がない点について確認する①-6:自信がない点について適切な台詞、声の大きさ、態度で確認する ・誤りに対して冷静に事実確認を行う①-7:冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う ②作業予定・計画立案★各タスクを指定された納期までに完了させるための計画を立てる②-1:タスクの全体把握  ※報告もタスクとして認識しているか ②-2:優先順位づけ ②-3:工程の明確化 ②-4:時間の見積もり ②-5:スケジューリング ・レポート、社内報原稿:完成形を明確にし(目標の明確化)、指示者と共有する②-6:完成形の明確化 ※完成形のイメージでもよい。 ②-7:独力で完成形の明確化が難しい場合、指示者に相談する ②-8:完成形について共有する ③作業実施・整理整頓をする③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ ・定例作業に対応する③-2:定例作業があることを覚えている ③-3:進行中の作業から定例作業に切り替える ・計画通りに作業を進める③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する ③-5:計画外の行動を抑制する(例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する) ・急ぎのタスクとして指示される「追加作業」に対応する③-6:動揺や焦りをコントロールする ③-7:スケジュールを組みなおす(作業予定・計画立案★の項を参照) ③-8:進行中の作業から追加作業に切り替える ・各タスクをミスなく完了させる③-9:作業中の見直しによるミスの発見と修正 ・ネガティブな結果を予想したり、ネガティブな状況に直面しても冷静さを保つ③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ ・作業方法、ルールの変更に対応する※③-11:新しいルールで対応する(対応困難な場合は、下記①②を検証) ③-12:①新しいルールを覚えている ③-13:②古いルールに基づく反応を抑制する ④結果確認・作業の見直しをする④-1:作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する ・進捗状況の確認をする④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談・指定された期間中または日時に進捗報告を行う⑤-1:報告する情報を体系的に整理する(例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる) ⑤-2:報告のタイミングを覚えている ⑤-3:進行中の作業から報告へ行動を切り替える ⑤-4:正確に報告を行う ■その他■ 作業管理を妨げる思考 作業管理を阻害する要因 (詳細) ストレス (詳細) 不安、抑うつ (詳細) 睡眠不足 (詳細) その他 感覚特性(感覚刺激への反応) (詳細) 視覚 (詳細) 聴覚 (詳細) その他 ■MEMO■ (2) ふりかえりシートの改良  ふりかえりシートは、対象者が作業管理課題実施期間終了後に作業管理課題実施中の状況を思い返しながら作成します。 今回の改良ではシートを分割し、「対象者が既に習得しているスキルの把握」「作業を完了するために必要な対処方法の把握」を振り返りしやすくしました。 なお、ふりかえりシートは、対象者が自身のできていること、今後必要な対処について検討しやすくなるよう複数シートに分けて作成しますが、自己評価をどのようにつけてよいか迷う場合は、無理に自己評価をつける必要はありません。埋められなかった項目は振返り相談で対象者と支援者が一緒に整理します。以下、各シートについて解説します。 表5 改良前(実践報告書No.39)ふりかえりシート 作業管理支援【行動観察シート】 作業管理課題 令和  年  月  日(  ) 記録者【           】 作業工程作業工程ごとに必要な行動振返りのポイント自己評価振返りメモ ①指示受け・指示を聞く態勢をとる・直前の行動や思考から離れて指示を聞くことに注意を向ける ・指示受けに必要な道具を準備する・素早くメモ、筆記具等を取り出す ・指示内容についてメモを取る・指示を正確に記憶する ・指示を聞きながらメモを取る ・不明点を質問する・適切な台詞、声の大きさ、態度で質問する ・自信がない点について確認する・適切な台詞、声の大きさ、態度で確認する ・誤りに対して冷静に事実確認を行う・冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う ②作業予定・計画立案★各タスクを指定された納期までに完了させるための計画を立てる・自分が抱えている全てのタスクを把握する ・タスク間の優先度を決める ・目標を達成するうえで効果的な方法や工程を選択する ・各タスク、各工程に必要な作業時間を予測する ・各タスク、各工程に予定を組み込む ・レポート、社内報原稿:完成形を明確にし(目標の明確化)、指示者と共有する・完成形の明確化 ※完成形のイメージでもよい。 ・独力で完成形の明確化が難しい場合、指示者に相談する ・完成形について共有する ③作業実施・整理整頓をする・机上など作業環境を整理された状態に保つ ・定例作業に対応する・定例作業があることを覚えている ・進行中の作業から定例作業に切り替える ・計画通りに作業を進める・苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する ・計画外の行動を抑制する(例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する) ・急ぎのタスクとして指示される「追加作業」に対応する・動揺や焦りをコントロールする ・スケジュールを組みなおす(作業予定・計画立案★の項を参照) ・進行中の作業から追加作業に切り替える ・各タスクをミスなく完了させる・作業中の見直しによるミスの発見と修正 ・ネガティブな結果を予想したり、ネガティブな状況に直面しても冷静さを保つ・締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ ・作業方法、ルールの変更に対応する※・新しいルールで対応する(対応困難な場合は、下記①②を検証) ①新しいルールを覚えている ②古いルールに基づく反応を抑制する ④結果確認・作業の見直しをする・作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する ・進捗状況の確認をする・スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談・指定された期間中または日時に進捗報告を行う・報告する情報を体系的に整理する(例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる) ・報告のタイミングを覚えている ・進行中の作業から報告へ行動を切り替える ・正確に報告を行う ※作業方法、ルールの変更に対応する 【ストップウォッチの計測(旧:あり、新:なし)】【レベルを進めるルール(旧:3連続正答、新:ミスの修正)】 【物品請求書作成の消費税率(前半:8%、後半:10%)】【作業日報集計(前半:少数点第2位を切り上げ、後半:少数点第2位を四捨五入)】 ■その他■ 作業管理課題の実施を妨げる思考があったか強いストレス、不安、抑うつ、睡眠不足、疲労などがあったか 感覚特性が作業管理課題に影響を与えることがあったか 表6 改良版ふりかえりシート(一部抜粋) 作業管理課題お疲れ様でした。 作業管理課題に取り組んでいる間のご自身について振り返ってみましょう。 各作業工程の振返りです。アセスメントのポイントを読み、自己評価を付けてください。 【自己評価】 +:できた  ±:できたり、できなかったりした  -:できなかった  レ:場面がなかった 作業工程 自己評価 作業工程 自己評価 ふりかえりシート~全体評価~ ①指示受け ①-1:直前の行動や思考から離れて、指示を聞くことに集中する ①-2:指示受けに必要なメモ、筆記道具等を素早く取り出す ①-3:指示を正確に記憶する ①-4:指示を聞きながらメモを取る ①-5:指示の不明点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で質問する ①-6:自信がない点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で確認する ①-7:指示者の誤りに対して、冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う アセスメントのポイント アセスメントのポイント ②-1:報告を含め、タスクの全体を把握する ②-2:作業の優先順位を付ける ②-3:作業の工程を明確にする ②-4:作業にかかる時間の見積もりをする ②-5:作業を完了するためのスケジュールを立てる ②-6:レポート、社内報原稿の完成形を具体的にする ※完成形のイメージでもよい。 ②-7:レポート、社内報原稿を独力で完成形を具体的にすることが難しい場合、指示者に相談する ②-8:レポート、社内報原稿の完成形について指示者と共有する ②作業予定・計画立案 ③作業実施 ③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ ③-2:定例作業があることを覚えている ③-3:進行中の作業から定例作業に切り替える ③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する ③-5:計画外の行動を思いついても、優先順位を意識して行動する(例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する) ③-6:追加作業を指示された時に動揺や焦りをコントロールする ③-7:必要に応じて、スケジュールを組みなおす ③-8:進行中の作業から追加作業に切り替える ③-9:作業中に見直しをするなどミスの発見と修正を行う ③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ ③-11:新しいルール(※1)で対応する ③-12:新しい作業方法、ルール(※1)の変更を覚えている ③-13:古い作業方法、ルール(※1)を思い出しても新しい作業方法、ルールで作業を続ける ④結果確認 ④-1:作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する ④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談 ⑤-1:報告する情報を体系的に整理する(例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる) ⑤-2:報告のタイミングを覚えている ⑤-3:進行中の作業を一旦止め、報告する ⑤-4:作業の進捗状況、完了した作業・未完了の作業を分けて報告を行う※未完了の作業は今後の見通しを報告する ※1 作業方法、ルールの変更に対応する【ストップウォッチの計測(旧:あり、新:なし)】【レベルを進めるルール(旧:3連続正答、新:ミスの修正)】【物品請求書作成の消費税率(前半:8%、後半:10%)】【作業日報集計(前半:少数点第2位を切り上げ、後半:少数点第2位を四捨五入)】 ふりかえりシート~考え・体調~ (自由記述) 作業管理課題に取り組んでいる間には、様々な考えが浮かんだり、様々な気持ちを感じていたと思います。ご自身が作業管理課題に取り組んでいる間、どのような考えや気持ちを感じていたのか振り返ってみましょう。ご自身の考えや気持ちを振返り、該当する箇所に☑を付けてください。該当する箇所がない場合は、自由記述欄に記載してください。 (自由記述) ■作業管理課題に取り組んでいる間、どのような考えが浮かびましたか? 作業が終わるように頑張ろう 作業時間がもっと欲しい 課題が多くて、混乱してきた 作業が楽しみだ 思っていたよりも課題を進めることができた 何とかなる気がする とにかくやるしかない 他の人に作業について質問、または、相談がしたい 課題を終わらせることができそうだ 締切りまでに終わらないかもしれない ■作業管理課題に取り組んでいる間のご自身の体調はいかがでしたか? 睡眠時間は十分に取れていた 疲れを感じていたが、対処はしなかった(または、できなかった) よく眠れてない日があった 低い程度のストレスを感じていた 疲れは感じていなかった 中程度のストレスを感じていた 疲れは感じたが、適切に対処できた 高程度のストレスを感じていた ■作業管理課題に取り組んだ感想   ふりかえりシート~できたことの分析~ 「+(できた)」と「±(できたり、できなかったりした)」と回答した項目について分析しましょう。 ①「+(できた)」と評価した項目は、何かしらの対処や工夫をしていたからできたのかもしれません。ご自身がどのような対処をしていたのか分析しましょう。 ②「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目は、できたときは、ご自身がどのような対処をしていたのかを分析しましょう。 【記入例】 作業工程 自己評価 + + 作業工程 自己評価 (できていたときはどんなことをしていた?何をするとできた?) (できていたときはどんなことをしていた?何をするとできた?) アセスメントのポイント ①指示受け ①-1:「今日から新しい課題だ!」と前向きな気持ちでいたから。 ①-2:指示を聞きに行く前にメモとペンを予め用意していたから。 アセスメントのポイント ①指示受け ①-1:直前の行動や思考から離れて、指示を聞くことに集中する ①-2:指示受けに必要なメモ、筆記道具等を素早く取り出す ①-2:指示受けに必要なメモ、筆記道具等を素早く取り出す ①-3:指示を正確に記憶する ①-4:指示を聞きながらメモを取る ①-5:指示の不明点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で質問する ①-6:自信がない点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で確認する ①-7:指示者の誤りに対して、冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う ②作業予定・計画立案 ②-1:報告を含め、タスクの全体を把握する ②-2:作業の優先順位を付ける ②-3:作業の工程を明確にする ②-4:作業にかかる時間の見積もりをする ②-5:作業を完了するためのスケジュールを立てる ②-6:レポート、社内報原稿の完成形を具体的にする ※完成形のイメージでもよい。 ②-7:レポート、社内報原稿を独力で完成形を具体的にすることが難しい場合、指示者に相談する ②-8:レポート、社内報原稿の完成形について指示者と共有する ③作業実施 ③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ ③-2:定例作業があることを覚えている ③-3:進行中の作業から定例作業に切り替える ③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する ③-5:計画外の行動を思いついても、優先順位を意識して行動する(例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する) ③-6:追加作業を指示された時に動揺や焦りをコントロールする ③-7:必要に応じて、スケジュールを組みなおす ③-8:進行中の作業から追加作業に切り替える ③-9:作業中に見直しをするなどミスの発見と修正を行う ③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ ③-11:新しいルール(※1)で対応する ③-12:新しい作業方法、ルール(※1)の変更を覚えている ③-13:古い作業方法、ルール(※1)を思い出しても新しい作業方法、ルールで作業を続ける ④結果確認 ④-1:作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する ④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談 ⑤-1:報告する情報を体系的に整理する(例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる) ⑤-2:報告のタイミングを覚えている ⑤-3:進行中の作業を一旦止め、報告する ⑤-4:作業の進捗状況、完了した作業・未完了の作業を分けて報告を行う※未完了の作業は今後の見通しを報告する 記入例 ※1 作業方法、ルールの変更に対応する【ストップウォッチの計測(旧:あり、新:なし)】【レベルを進めるルール(旧:3連続正答、新:ミスの修正)】【物品請求書作成の消費税率(前半:8%、後半:10%)】【作業日報集計(前半:少数点第2位を切り上げ、後半:少数点第2位を四捨五入)】 ふりかえりシート~できたことの分析~ 「+(できた)」と「±(できたり、できなかったりした)」と回答した項目について分析しましょう。 ①「+(できた)」と評価した項目は、何かしらの対処や工夫をしていたからできたのかもしれません。ご自身がどのような対処をしていたのか分析しましょう。 ②「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目は、できたときは、ご自身がどのような対処をしていたのかを分析しましょう。 【記入例】 作業工程 自己評価 + + 作業工程 自己評価 (できていたときはどんなことをしていた?何をするとできた?) (できていたときはどんなことをしていた?何をするとできた?) アセスメントのポイント ①指示受け ①-1:「今日から新しい課題だ!」と前向きな気持ちでいたから。 ①-2:指示を聞きに行く前にメモとペンを予め用意していたから。 アセスメントのポイント ①指示受け ①-1:直前の行動や思考から離れて、指示を聞くことに集中する ①-2:指示受けに必要なメモ、筆記道具等を素早く取り出す ①-2:指示受けに必要なメモ、筆記道具等を素早く取り出す ①-3:指示を正確に記憶する ①-4:指示を聞きながらメモを取る ①-5:指示の不明点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で質問する ①-6:自信がない点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で確認する ①-7:指示者の誤りに対して、冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う ②作業予定・計画立案 ②-1:報告を含め、タスクの全体を把握する ②-2:作業の優先順位を付ける ②-3:作業の工程を明確にする ②-4:作業にかかる時間の見積もりをする ②-5:作業を完了するためのスケジュールを立てる ②-6:レポート、社内報原稿の完成形を具体的にする ※完成形のイメージでもよい。 ②-7:レポート、社内報原稿を独力で完成形を具体的にすることが難しい場合、指示者に相談する ②-8:レポート、社内報原稿の完成形について指示者と共有する ③作業実施 ③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ ③-2:定例作業があることを覚えている ③-3:進行中の作業から定例作業に切り替える ③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する ③-5:計画外の行動を思いついても、優先順位を意識して行動する(例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する) ③-6:追加作業を指示された時に動揺や焦りをコントロールする ③-7:必要に応じて、スケジュールを組みなおす ③-8:進行中の作業から追加作業に切り替える ③-9:作業中に見直しをするなどミスの発見と修正を行う ③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ ③-11:新しいルール(※1)で対応する ③-12:新しい作業方法、ルール(※1)の変更を覚えている ③-13:古い作業方法、ルール(※1)を思い出しても新しい作業方法、ルールで作業を続ける ④結果確認 ④-1:作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する ④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談 ⑤-1:報告する情報を体系的に整理する(例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる) ⑤-2:報告のタイミングを覚えている ⑤-3:進行中の作業を一旦止め、報告する ⑤-4:作業の進捗状況、完了した作業・未完了の作業を分けて報告を行う※未完了の作業は今後の見通しを報告する 記入例 ※1 作業方法、ルールの変更に対応する【ストップウォッチの計測(旧:あり、新:なし)】【レベルを進めるルール(旧:3連続正答、新:ミスの修正)】【物品請求書作成の消費税率(前半:8%、後半:10%)】【作業日報集計(前半:少数点第2位を切り上げ、後半:少数点第2位を四捨五入)】 (3) ふりかえりシート等の構成 ①ふりかえりシート~全体評価~ 「ふりかえりシート~全体評価~」は、各工程での自己評価を記入するシートです。Excelファイルへの入力によって、自己評価は「ふりかえりシート~できたことの分析~」と「ふりかえりシート~対処策の検討~」に自動反映されます。「ふりかえりシート~全体評価~」で入力した結果を「ふりかえりシート~できたことの分析~」で変更したい場合は、「ふりかえりシート~できたことの分析~」の該当セルを変更するだけで「ふりかえりシート~全体評価~」「ふりかえりシート~対処策の検討~」も同時に変更されます。  「ふりかえりシート~全体評価~」には、別紙として「ふりかえりシート~考え・体調~」のシートがあります。このシートは、作業管理課題に取り組んでいる際の対象者の思考やストレスに感じたこと等の作業遂行を阻害する要因、作業管理課題に取り組んだ感想を記入できるようにしています。 ②ふりかえりシート~できたことの分析~ 「ふりかえりシート~全体評価~」の自己評価を「+」と評価した項目と「±」と評価した項目を取り上げ、なぜその行動ができたのか、その行動をするためにどのようなことが必要なのかを整理します。 「+」と評価した項目は、その行動ができた要因を整理することで、対象者が意識せずとも身についている対処策や強みを把握しやすくなります。 「±」と評価した項目は、「できたとき」に着目することでできるためにどのような行動を取るとよいのかを把握しやすくなります。 ③ふりかえりシート~対処策の検討~ 「ふりかえりシート~全体評価~」の自己評価を「-」と評価した項目のみを取り上げ、今後どのような対処をするとその行動ができそうかを整理します。今後の対処策について対象者が思いつかない場合には、実践報告書No.39「発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 在職中又は休職中の発達障害者に対する作業管理支援」に掲載されている「作業管理課題において活用した課題への対処方法~ヒント集~」を参考に対象者が試してみたい、これならできそうだと思えるものから選択します。 ア グラフの活用  対象者との振返りを深めるために作業管理課題の取組結果に係る自己評価を視覚化するグラフがシートとして作成されます。グラフの詳細については表7のとおりです。 表7 作成されるグラフ 第1回グラフ 第2回グラフ 作成のタイミング 第1回の「ふりかえりシート~全体評価~」作成後(自動作成) 第2回の「ふりかえりシート~全体評価~」作成後(自動作成) グラフの種類 帯グラフ 帯グラフ 目的 「+、±、-、レ」評価の視覚化 第1回と第2回の変化の比較 活用場面 第1回の振返り相談 第2回の振返り相談 着目するポイント 各作業工程にどのくらい「+、±」があるか 第1回からどの作業工程がどのように変化したか  第1回のグラフは各作業工程に対し、「+、±、-、レ」の数を作業工程毎に相対値で表した帯グラフが作成されます。各作業工程の評価が視覚化されることで、対象者が「+(できた)」と評価した作業工程と「±(できたり、できなかったりした)」や「-(できなかった)」と評価した今後対処が必要と思われる作業工程が分かります。 第1回作業管理課題 指示受け 作業予定・計画立案 作業実施 結果確認/報告・相談 :+(できた) :±(できたり、できなかったりした) :-(できなかった) :レ(場面がなかった) :+(できた) :±(できたり、できなかったりした) :-(できなかった) :レ(場面がなかった) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図1 第1回グラフ(作成例) 第2回のグラフは、各作業工程の第1回と第2回の結果を帯グラフで示しています。第2回は、第1回の結果を踏まえて、対処を検討した上で実施していますので、第1回に比べてどの作業工程がどのように変化したのかについて着目することが重要です。 指示受け 第1回 第2回 0% 20% 40% 60% 80% 100% 作業予定・計画立案 第1回 第2回 0% 20% 40% 60% 80% 100% 作業実施 第1回 第2回 0% 20% 40% 60% 80% 100% 第1回 第2回 結果確認/報告・相談 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図2 第2回グラフ(作成例) 各グラフはあくまで対象者の自己評価を視覚化したものであることを支援者と対象者が理解し、実際の作業管理課題の状況や結果を振り返ることが必要です。グラフの活用のポイントは「付録 作業管理支援Q&A集」を参照ください。 いずれのグラフも「ふりかえりシート~全体評価~」を入力することでグラフを作成することができます。ただし、「ふりかえりシート~全体評価~」の自己評価がすべて入力されていないとグラフは作成されませんので、判断できない項目は空白とせず、とりあえず「レ(場面がなかった)」を入れてください。 4 振返り相談の効果的な進め方 ~作業スキル発見ノートの活用を中心に~  振返り相談は、対象者が「ふりかえりシート」を作成した後に実施します。以下、適用対象者の拡大にあたって、振返り相談を対象者と進めるために新規に開発したツール「作業スキル発見ノート」を活用した振返り相談の実施方法などについて解説します。 ①振返り相談の目的  振返り相談の目的は、①対象者が与えられた作業を完了するために既に習得している自己対処や強みを把握すること、②与えられた作業を完了するために今後必要な対処方法を整理、検討することです。 ②振返り相談の進め方 振返り相談を進めるにあたっては、課題だけを取り上げないように注意が必要です。 対象者のできていることや強みを中心に振返り相談が進められるよう「作業スキル発見ノート」を作成しました。 「作業スキル発見ノート」は、対象者にふりかえりシート記入後に作成してもらって相談の際に利用したり、支援者が相談場面で提示し、対象者と支援者で内容を確認しながら作成することも可能です。以下、「作業スキル発見ノート」の作成の仕方について示しています。 ③作業スキル発見ノートの活用 ア 作業管理課題に取り組んでいる間の本人の状態  作業管理課題は普段の支援とは異なる課題設定になる場合が多く、対象者によっては、作業管理課題への取組を楽しみに感じたり、不安に感じるなど様々な考えが浮かんでいる状態で取り組むこともあります。それらの考えによって、作業管理課題に取り組むための準備を整える対象者もいれば、不安や心配から睡眠や体調などに影響を及ぼすこともあるかもしれません。対象者がどのような状態で作業管理課題に取り組み、どのような力を発揮して作業管理課題に取り組んでいたのかを確認しましょう。 1 作業管理課題への取り組み、お疲れ様でした。 ※受講者の作業管理課題への取組を労う。  これから作業管理課題にどのように取り組んでいたのか振り返りたいと思います。まず、ふりかえりシート~考え・体調~からご自身がどのような状況で作業管理課題に取り組んでいたのか教えてください。 ※ふりかえりシート~考え・体調~を確認する。  作業管理課題に取り組んでいた際の、考えや体調について確認させてください。また、必ずしも前向きな考えではなかったり、体調が十分でなかった場合、そのような状況でどのようにして作業管理課題を進めることができたのでしょうか。 ※ネガティブな考えが浮かんでいた場合は、ネガティブな考えが浮かぶ中で対象者がどのような力を発揮しながら作業管理課題に取り組んでいたのかを確認する。 ※本人に投げかけ、作業管理課題を進めるために支えになっていたと思われることがあれば、太枠の中に書きこむ。 イ 成果の発見  「+(できた)」と評価した項目は、対象者が過去の経験から身につけたスキルや他者を頼るスキルが含まれていることが多く、強みになりえます。しかし、対象者は無意識に行っているために自身のスキルや強みに気づきにくいことがあります。できたことの分析では、「なぜ、できたのか」を具体的に整理することで対象者が身につけているスキルや他者を頼るスキルを振り返り、対象者のできていることや何をしたらできたのかを整理します。  また、できたことの分析の中で「他者を頼るスキル」について考えてもらうことは、対象者に「他者を頼ることも自分のスキルの1つ」と理解してもらうことがねらいです。対象者が事前の振り返りで他者を頼るスキルを把握できていない場合には、事例を提示しながら対象者に自身のスキルを検討してもらうと良いでしょう。 2 次に作業管理課題の中で「できた」ことについて振り返ります。 できたことの中には、作業を完了するために意識しなくてもできる「既に身についている対処や工夫」、作業を完了するための「他者を頼るスキル」が含まれています。 ふりかえりシート~できたことの分析~の「+(できた)」と評価した中から、既に身についている対処や工夫を探しましょう。 ※意識しなくてもできることは意識的に探さなければ、見つかりません。「何をしたから」できたのかに注目して探してみましょう。 3 次は、「できた」ことの中から他者を頼るスキルを探しましょう。  他者を頼るスキルは、例にあるように相談する、質問するなどの行動を含みます。作業を進める中で指示者に質問したり、相談したことはないでしょうか。 ※他者を頼るスキルが見つからない場合には、作業を完了するために他者の力を頼る選択をしてもよいことを伝えます。 ウ 伸びしろの発見  「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目は、少しの工夫や環境の調整によってできるようになる可能性があります。対象者ができたり、できなかったりした中で、できていたのはどのようなときか、何をしているときはできたのかを具体的に確認することが大切です。 4 次に「ふりかえりシート~できたことの分析~」から「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目について振り返ります。  「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目は、少しの工夫でできるに変化する可能性がある項目です。できていたときに何をしていたのか具体的に整理し、できるに変えるためのヒントを探しましょう。 ※「指示受け」から「報告・相談」までを振り返る。 エ 未来に向けたチャレンジ  「-(できなかった)」と評価した項目は、今後の対処方法を検討するために実施しています。ここで、なぜできなかったのかに着目すると、過去の上手くできなかったことを連想させ、対象者が具体的な対処方法を検討することは難しくなります。作業スキル発見ノートでは、①役割の認識不足、②知識・スキル不足、③思考・ストレスの影響から要因を検討してもらいます。できなかった理由には複数の要因が絡んでいる場合もあるため、1つに絞る必要はありません。 5 次に「ふりかえりシート~対処策の検討~」で「-(できなかった)」と評価した項目について振り返ります。  今回の作業管理課題の取組で「-(できなかった)」と評価した要因を次の3つから考えましょう。 ①その工程が自分の役割だと知らなかった、役割の認識が不足していたことによるもの ②その工程が自分の役割だと分かっていたが、やり方が分からなかった、経験がなかった、その工程を行うための知識やスキルが不足していたことによるもの ③体調や環境など普段と違うことがあり、対応できなかった、作業管理課題に取り組んだことで普段と異なる考えが現れた、普段どおりに行動できなかったなどの体調・思考・ストレスの影響によるもの ふりかえりシート~対処策の検討~の「-(できなかった)」と評価した項目の横に要因の番号を記入してください。  「-(できなかった)」と評価した項目の要因を分析することで、今後の対処方法が検討しやすくなります。 ※この分析は、今後の対処方法を検討するにあたって、役割の認識が必要なのか、スキル付与や経験を積むことで対応できるようになるのか、体調や思考、ストレスへの対処が必要なのかを整理するために設定しています。 オ 今後取り組みたいこと  必要な対処の検討は、対象者が今後対処が必要と思う場面を取り上げて検討します。対処方法は、①自己対処、②他者を頼る、③環境の調整の視点で検討します。自己対処の内容によっては、②他者を頼ることや③環境を調整することも合わせて実施することで、より自己対処が効果的に働く可能性もあることから、自己対処の視点に偏ることなく、さまざまな視点から対処方法を検討することが望ましいでしょう。 6 次に今回の作業管理課題で「±(できたり、できなかったりした)」、「-(できなかった)」と評価した項目の中から対処が必要と思われる場面に対する対処方法を検討しましょう。  対処方法は、自己対処、他者を頼る、環境調整から考えてみましょう。  自己対処は、メモを取る、気持ちを落ち着けるためにストレスボールを活用するなどの自分でできる方法です。  他者を頼るは、上司にメモを確認してもらう、完成品の見本をもらえないか相談するなどの周囲の手助けを得る方法です。  環境調整は、周囲の音が気になったら、ノイズキャンセリングヘッドフォンを使う、休憩時間は人が少ない場所に行くなどの環境面を工夫する方法です。 ※対処方法の検討では、「自己対処」「他者を頼る」「環境調整」を明確にすることが目的ではなく、この3つの視点から対処方法を検討することがねらいです。 7 次に今後対処が必要な場面について検討しましょう。ここで検討する対処は「±(できたり、できなかったりした)」、「-(できなかった)」と評価した項目をすべて取り上げる必要はありません。対処が必要だと思ったものだけを取り上げます。  また、対処方法も自己対処、他者を頼る、環境調整の視点で検討しましょう。 ※対処が必要な場面が複数挙げられた場合は、どの対処から取り組むか優先順位を決めます。 ④2回目の作業管理課題実施後の振返り相談  1回目の作業管理課題の振返りと同様に、今回の取組でできていたことは何か、必要な対処は何かを整理します。2回目は1回目の結果を基に対処行動を取っていることが多いため、1回目と比較して、対処行動を取ったことでできたことは何か、対処行動でどのようなプラスの変化が生じたのかを確認します。確認は、「第2回グラフ」を活用すると1回目の結果との比較が視覚的に分かりやすくなります。  次に対処行動を取った結果、想定していなかった場面で課題が生じていないかを確認します。対処行動を取った結果、新たに課題が生じた場合は、課題に対して対処が必要なのか、対処が必要な場合は、どのような対処を行うのかを検討します。  2回目の振返りを深めるためには、上記のような内容で振返りが必要です。振返りには、作業スキル発見ノートを活用しても、しなくても構いません。作業スキル発見ノートの一部を使うことも可能です。一部を活用する場合は、対象者の状況に応じて判断して構いませんが、「5.今後取り組みたいこと」を活用すると振返りが深めやすくなります。  2回目の振返り相談の内容は、ナビゲーションブックや復職時のレポート、報告書などの材料にもなります。ナビゲーションブックや復職時のレポート、報告書への反映の仕方は後述の「第3章 5 改良版作業管理支援の実施例」に記載します。 5 改良版作業管理支援の実施例   事例概要 Aさん 発達障害(ADHD,ASD)、女性、30代 求職者 障害を開示して就労した経験はなく、これまでは「作業が遅い」と指摘されることが多かった。 自身の特徴の整理と困っていることへの対処方法を検討するためにプログラムを利用。 【自覚していること】 スケジュールを立てられない 作業スピードが人よりも遅い フェイズ1  Aさんは就労していた間にマルチタスク作業に対応する経験が何度かあったようですが、うまく対応できず、失敗経験を重ねていました。フェイズ1では、Aさんが作業管理課題に対応するためのスキルをどの程度持っているのか、WSSPのプログラムに参加する中で表8のとおり確認しました。 表8 Aさんの状況 項目 詳細 普段の生活リズム  生活リズムは一定。 ストレス対処の仕方  ゲームをすることがストレス対処。ストレスが強いと長時間ゲームをしてしまい、就寝が遅くなることもある。  ストレスを感じたときにどのような対処をするとよいのかは分かっていない。 コミュニケーションの取り方  分からないことがあれば、すぐに質問・相談ができる。 作業指示の受け方  指示はメモを取ることが習慣になっている。指示内容は正確にメモできる。 作業を進めるまでの段取り  時折、必要な物品を忘れ、作業の途中で取りに行くことがある。 作業ミスの傾向と対策  作業後に見直しを必ずするためミスは少ない。  漢字やアルファベットの間違いには気がつきにくい。 Aさんは、就労している間にストレスや疲れを感じても意図的に休憩を取った経験がなかったため、ストレス対処の効果を実感するために「リラクゼーション技能トレーニング」を受講することとしました。受講後は、プログラムの中で休憩時間を決めて、さまざまなストレス対処の方法を試し、Aさんに合った対処方法が見つけられそうでした。 フェイズ2に向けた準備 使用した資料:オリエンテーション資料 フェイズ1で普段のAさんの様子や作業への取組状況が把握できたこと、プログラムの流れを把握できていること、体調が安定していることが確認できた段階でAさんに作業管理課題の実施を提案しました。提案にあたっては、Aさんのマルチタスク作業に対応した経験の少なさを考慮し、「オリエンテーション資料」を活用し、作業管理課題の必要性や作業の流れの各項目がどの程度できているかといった自己評価を実施しました。  Aさんのオリエンテーション時点での自己評価は表9のとおりです。 表9 Aさんの自覚 作業工程 自覚 指示  指示を集中して聞いたり、メモを取るのは自信がない 作業予定・計画  タスクの把握や作業に必要な時間を予測することはできている  苦手と感じる作業があると後回しにすることがある  作業スケジュールを自分で立てた経験がない 作業実施  作業の見直しはいつもできている  机を整理整頓しておくことや締切りが近づいても落ち着いて作業することは苦手 結果確認  作業の見直しをしているので、ミスの確認やミスの修正はできる  自分の作業の進捗と作業スケジュールをすり合わせた経験はない 指示者に報告・相談  報告はこれまでの仕事でもやっていたので、できる  Aさんは、「スケジュールを立てられない」と自覚していましたが、実際には経験が少なく、自信がないため、「スケジュールを立てられない」と自覚していることが分かりました。その他、Aさんからは「改めて振り返るとできていることもあったのだと分かった。マルチタスクは苦手な作業だけど、今後も必要なことだと思うので、やってみたい」との考えを聞くことができました。  Aさんから作業管理課題の実施について同意を得られた後、スケジュールや作業管理課題実施期間中のタイムスケジュール、日ごろの作業能率を確認し、「タスクる」を活用し、作業管理課題を設定しました。作業管理課題の設定後、支援者間で作業管理課題の目的、作業管理課題にAさんが取り組んでいる間の対応、評価のポイントを確認しました。打ち合わせた内容は次のとおりです。 第1回作業管理課題打合せ 実施期間:令和○年○⽉○⽇(○)〜○⽉○⽇(○) 計5日間 目的 ・本人の作業管理課題の取り組み⽅をアセスメントする ・作業管理課題中の疲労、ストレスへの対処が実行できているか確認する (オリエンテーションの状況) ・「指示受け」「作業実施」は⾃信がない。 ・他は取り組んでいるが、⾃信はないと考えている。 ・作業管理課題は自身に必要なことと捉えており、意欲的に取り組みたい様子。 (アセスメントのポイント) •支援の中で把握しきれていない「作業予定・計画立案の様子を中心に確認する。 • 追加指示等で焦る様⼦が⾒られた場合、焦って作業が進められない様子なら評価は「−」、焦っていても作業を進められるなら評価は「+」とする。 • 机上の整理は、メモを取りたいときにメモが見つからない場合、評価は「−」。⼀般的に見て机上が散らかっていても、本⼈が必要なものを出すことができ、資料等を紛失していないなら評価は「+」。 (実施時の懸念点と対応) ・メモの復唱はしてもらうか?→必須ではない。本⼈の判断に任せ、こちらからは促さない。 ・作業中の休憩は促すか? →オリエンテーションで休憩を取りながら⾏うように伝えているので、促さない。ただし、当⽇の睡眠時間や体調によっては休憩を促す。 図3 スタッフ間で打ち合わせしたこと フェイズ2 使用した資料:行動観察シート(2025) 設定した作業管理課題をAさんに指示し、支援者は複数名で取組状況を行動観察シートに基づいて確認しています。 WSSPでは、指示出しをしている支援者以外の支援者が、指示出しのときの本人の様子を記録するなど分担して観察をしています。また、評価基準を決めていても、実際の行動から判断に悩む場合には打合せの際に相談して評価を決めることもあります。  また、作業管理課題実施期間中はAさんの取組状況を支援者間で共有し、できていたことやできなかったことに対する今後の支援を検討します。 フェイズ2終了後  フェイズ2における作業管理課題実施期間全体を振り返り、期間中にできていたことや対処が必要な場面の分析、対処方法の習得に向けた取組について支援者間で共有しました。支援者間で共有したことは次のとおりです。 指示内容のメモを取れていた 社内報原稿作成は経験のない作業だったようで、不安を口にしていたが、取り掛かることができた 作業スケジュールを立てずに締切りの早い作業から開始していたが、追加指示を受けたことで焦りが強くなっている様子が見られた 締切りまでに作業が間に合わないことが分かると自発的に報告ができた 支援者間で共有したことを踏まえ、Aさんとの振返り相談を実施することとしました。 振返り相談 使用した資料:改良版ふりかえりシート 作業スキル発見ノート  「作業スキル発見ノート」を活用し、Aさんとの振返り相談を行いました。Aさんには「ふりかえりシート」で作成したグラフを提示し、作業工程毎の「+、±、-、レ」の分布を確認しながら、作業管理課題について振り返りました。Aさんの「ふりかえりシート」から作成したグラフは図4のとおりです。 第1回作業管理課題 指示受け 作業予定・計画立案 作業実施 結果確認/報告・相談 0% 20% 40% 60% 80% 100% :+(できた) :-(できなかった) :±(できたり、できなかったりした) :レ(場面がなかった) 図4 Aさんの1回目の作業管理課題のグラフ  Aさんのグラフから「指示受け」「作業実施」「結果確認/報告・相談」は「+(できていた)」と「±(できたり、できなかったりした)」の評価が多いことがわかりました。一方で、「作業予定・計画立案」は「-(できなかった)」や「レ(場面がなかった)」の評価が多くなっていました。Aさんはグラフを見て「やっぱり計画を立てることは苦手。」と話していました。グラフの結果だけでAさんの強みやできていることが把握できるものではないことを説明し、実際に作業管理課題にどのように取り組んでいたのか確認しました。作業管理課題の取組結果およびAさんの気づきは図5のとおりです。 第1回 作業管理課題 取組結果 結果 課題 結果 詳細 タスクA(定例作業) 〇 タスクB ○ タスクC × 指示者のイメージしている完成度合いに達していなかった タスクD ○ タスクE ○ タスクF ○ 追加作業 × 一部の作業を実施していない 本人の気づき 【できていること】 ・作業の注意点は付箋を付けることで忘れずに対応できる ・指示をメモし、復唱することで正確に指示を把握できる ・作業の進捗を報告できれば、作業のスケジュールを立てられる ・経験の少ない作業であっても、見本などももらえないか依頼することで、作業を完了することができる ※いずれも焦りや不安、疲れがないとき 第1回 作業管理課題 取組結果 本人の気づき 【今後の取り組みたいこと】 対処が必要な場面 自己対処 他者を頼る 環境調整 取り組む優先順位 作業のスケジュールを立てる •カレンダーにふせんを貼って、スケジュールを立てる •ふせんをどこに貼ったら良いか悩んだ時には相談する ① 不安や焦りが生じた時 •作業の進捗状況を報告し、作業の進め方について助言をもらう •重いひざ掛けを使って気持ちを落ち着かせる ③ 指示を聞きながらメモを取る •書いたメモを確認してもらう ② ・プログラムの中で実践し、習得できたところで、第2回 作業管理課題を実施する。 図5 第1回作業管理課題の取組結果およびAさんの気づき 振返り相談の中で、できたことや、なぜできたかに着目して振り返ってもらうと、焦っていなかったり、不安に感じていないときはできていたことが確認できました。また、経験が少ないためにできなかったことも多いことに気がつくことができました。今後の取組を検討する際には、焦りや不安を生じにくくするためにはどのような対処があるとよいかという視点から考えることができ、実際に取り組んでみたいことを複数検討することができました。また、「経験が少なかったからできなかったこともある」と考えたことで、「練習したらできるかもしれない」と前向きな姿勢も見られました。今後取り組みたいことは優先順位に従って、プログラムの中で練習できる環境や課題を設定し、2回目の作業管理課題に向けて準備をしました。 本人の取り組みたい内容をプログラムの中で設定できない場合は、第2回の作業管理課題や日常生活の中で同様の場面を作れないか検討します。その他、実際の場面で支援者から「今が対処する場面ですよ」と声をかけ、練習の機会を逃さないように注意します。 フェイズ3 フェイズ3に向けた準備 Aさんが今後取り組みたいことにあげた対処方法の習得状況を確認したうえで、第2回作業管理課題の実施時期と作業管理課題を設定します。今回のケースは、スケジュールを立てることや不安や焦りが生じた時の対処、自身が作成したメモを相手に確認してもらうことが作業管理課題中に適切なタイミングで実施できるか確認することを目的にしました。作業管理課題を構成するタスクは前回同様、Aさんの作業能率に加え、スケジュールを立てる時間を含めて設定し、期間中に完了できる作業量としています。 フェイズ3終了後  作業管理課題実施期間全体を振り返り、期間中にできていたことや対処が必要な場面の分析、対処方法の習得に向けた取組について支援者間で共有します。支援者間で共有したことは次のとおりです。 指示内容のメモを指示者に見せながら、指示内容を復唱することができた 付箋を活用し、スケジュールを立てていた 定例作業を忘れないようにバイブレーションタイマーを使用していた 進捗報告を忘れ、支援者から声をかけられた 振返り相談 使用した資料:改良版ふりかえりシート 作業スキル発見ノート  Aさんには「ふりかえりシート」で作成したグラフを提示し、1回目の作業管理課題に比べて2回目の作業管理課題で実施した対処策の効果を確認しながら、作業管理課題について振り返りました。Aさんの「ふりかえりシート」から作成したグラフは図6のとおりです。 指示受け 作業予定・計画立案 作業実施 結果確認/報告・相談 0% 20% 40% 60% 80% 100% :+(できた) :-(できなかった) :±(できたり、できなかったりした) :レ(場面がなかった) 図6 Aさんの2回目の作業管理課題のグラフ   Aさんのグラフから2回目の作業管理課題では、すべての項目で「+(できた)」や「±(できたり、できなかったりした)」が増えていることがわかりました。Aさんもグラフを見て「1回目よりもできることが増えました。嬉しいです。」と話しており、自身の取組結果を喜んでいました。2回目の作業管理課題で行った対処方法の効果を確認するため、実際に作業管理課題にどのように取り組んでいたのか確認しました。2回目の作業管理課題の取組結果およびAさんの気づきは図7のとおりです。 第2回 作業管理課題 取組結果 結果 課題 結果 詳細 タスクA(定例作業) 〇 タスクB ○ タスクD ○ タスクE ○ タスクF ○ 追加作業 ○ 本人の気づき ・自信がなかったり、難しそうと思うと「できない」と思いやすいが、練習すれば「できる」ことが多い ・焦るとうまくいかないことが分かっていたので、落ち着くために重いひざ掛けや休憩は効果があった ・ふせんを使ってスケジュールを立てると焦りが軽減できた 第1回 作業管理課題 取組結果 本人の気づき 【ナビゲーションブックに記載すること】 強み・セールスポイント •ふせんやカレンダーを用いることでスケジュール管理ができる •休憩時間にストレスや疲れを軽減することができる 対処が必要な場面 自己対処 他者を頼る 環境調整 指示を聞きながらメモを取る •指示はメモを取る •書いたメモを確認してもらう 作業の進捗に不安や焦りが生じた時 •作業の進捗状況を報告し、作業の進め方について助言をもらう •重いひざ掛けを使って気持ちを落ち着かせる 図7 第2回作業管理課題の取組結果およびAさんの気づき 2回目の作業管理課題は、今後取り組みたいことであげていた対処を活かしながら作業に取り組むことができ、指示されたすべてのタスクを完了することができました。2回の作業管理課題を振り返り、「1回目の作業管理課題よりもできることが増えて嬉しかった。今までは、少しでもできないかもと思うと、できないと言ってしまうこともあったけど、練習するとできることが分かった」と振り返っています。また、2回の作業管理課題の取組を振り返り、今後どのような場面で対処が必要で、どのような行動を取ることができるとよいのかも整理することができました。 ナビゲーションブック 作業管理課題の結果を踏まえ、ナビゲーションブックの作成を行いました。ナビゲーションブックの作成には、第1回と第2回の作業管理課題の振返り相談や作業スキル発見ノートの「未来に向けたチャレンジ」のページを参考にしました。ナビゲーションブック作成では、これまでのうまくできなかった経験が思い出され、苦手なことが多数挙げられました。改めてAさんには「作業管理課題でも1回目でできなかったことは経験が不足していることが要因でできていなかったが、練習することでできるようになった」ことを伝え、過去のうまくできなかったことは経験がなかったためにできなかったこともあるのではないか、という視点で整理しました。整理することで過去にできなかったことも現在は適切な対処により、対応できることも増えてきたことを確認しました。当初挙げていた苦手なことは苦手なこととして残りましたが、どのように対処すると対応できるのか分かりました。 Aさんが作成したナビゲーションブックは図8のとおりです。 ナビゲーションブック 〇月 〇日作成 1.強み、セールスポイントについて ・ふせんやカレンダーを用いることでスケジュール管理ができる。 ・休憩時間にストレスや疲れを軽減することができる。 2. 苦手なことについて ■指示を受けるときにメモを書き間違えることがあります。 (対策) ・書いたメモを確認してもらいたいです。 ■作業の進捗に不安や焦りを感じることがあります。 (対策) ・作業の進捗状況について相談させてもらいたいです。 ・不安や焦りを落ち着かせるために重いひざ掛けを使っています。 3. 配慮をお願いしたいこと ・何度か経験することでできるようになります。作業を習得できるようになるまでは、1つの作業から始めたいです。 図8 ナビゲーションブック(一部抜粋) 【参考文献】 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.6 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 発達障害者のための職場対人技能トレーニング(JST)」(2011) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.15 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 手順書作成技能トレーニング」(2017) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.10 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム 発達障害者のためのリラクゼーション技能トレーニング ストレス・疲労のセルフモニタリングと対処方法」(2014) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.13 発達障害者のワークシステム・サポートプログラム ナビゲーションブックの作成と活用」(2016) 第4章 作業管理支援の柔軟な実施方法   第4章 作業管理支援の柔軟な実施方法   WSSPおよび地域センターでの作業管理支援の事例をご紹介します。 1 柔軟な実施方法 (1) アセスメントしたいことを絞って課題設定を行ったケース 本人が苦手とするスケジュール管理について作業管理課題の設定を工夫し、3日間で作業管理課題を実施した事例です。 (2) 作業管理課題を1回で終了したケース 対処方法の習得の効果を踏まえて作業管理課題2回目を実施しなかった事例です。 2 ジョブリハーサルとの併用 ジョブリハーサルで把握しきれなかった、作業を管理し、進めていく力を把握するために作業管理課題を実施した事例です。 3 テレワークにおける作業管理支援の活用の可能性 テレワーク場面での作業管理支援について、専門家からいただいた助言をふまえて整理した活用イメージを紹介します。   1 柔軟な実施方法  作業管理課題は通常5日間で実施しますが、5日間よりも短い日数で実施したケースについて紹介します。 (1) アセスメントしたいことを絞って課題設定を行ったケース 事例概要 診断名 ADHD、適応障害 作業管理課題に関連する課題  スケジュールを立てることが苦手 イレギュラーなことが起きると焦ってしまう 同時並行で作業を進めることが苦手 本人の状況  在職者(休職中) フェイズ1 作業管理課題を実施するに至った理由 休職前にはスケジュール管理やイレギュラー対応が苦手で対応できなかったことがありましたが、支援場面ではこれらの課題は見えませんでした。復職後も本人が業務を管理すること、イレギュラーなことにも対応する必要があったことから作業管理課題を実施し、本人の状況をアセスメントすることにしました。 作業管理課題実施時期と判断 実施に向けて、本人の体調が安定していること、作業もミスなく安定していることを確認したうえで、支援期間後半に作業管理課題を実施しました。 作業管理課題の設定 今回は、本人が苦手と感じているスケジュールを立てるための対策を検討することを目的にタスクを設定しました。    実施日数 3日間 制限したタスク  タスクC(MWSのミスの内容と防止策に関するレポート作成) タスクE(社内報原稿作成) タスクG(ピッキング) 課題の選定基準 本人が作業を完了するために必要な時間を把握できていること 本人はスケジュールを立てることに苦手意識を持っていたことから、実施日数は3日間とし、タスクC、Eのような完成形が見えない課題や作成にどのくらい時間が必要なのか分からない課題を除き、長期的なスケジュールを立てる必要がないようにしました。 このように対象者に応じた作業管理課題を設定することで、スケジュールを立てることの負担を軽減し、スケジュールを立てるための対策を把握できるようにしました。 フェイズ2 作業管理課題の結果(1回目) 本人は作業スケジュールを立てずに締切りが早い作業から始めました。その結果、自分が作業を完了するために必要な時間を確保できず、締切りまでに課題が間に合わないことがありました。 振返り相談(1回目) 本人は課題が締切りまでに終わらなかった要因を作業速度が遅かったと分析しました。支援者から見ると本人の作業速度は一般よりも速く、作業速度の課題ではないと考えていました。支援者より、作業速度は一般よりも速いこと、各作業を完了するために必要な時間を考えずに実施したことで、時間が足りず、課題を完了できなかったと思われることを伝えています。本人と相談し、2回目は各作業を完了するために必要な時間を考えたうえで、スケジュールを立てることにしました。 フェイズ3 作業管理課題の設定(2回目) 1回目の作業管理課題を実施し、対処策を検討できたことから1回目の作業管理課題に含めていなかったタスクC、E、Gを含めて作業管理課題を設定しました。 作業管理課題の結果(2回目) 支援者からの助言どおり、各作業を完了するために必要な時間を考えたうえでスケジュールを立て、作業に取り組んだことで、締切りまでに作業を完了することができました。 振返り相談(2回目) 振返り相談では、各作業を完了するために必要な時間を考えたうえでスケジュールを立てると締切りまでに作業を完了できること、スケジュールを立てるために必要なことを整理しています。本人は「スケジュールを立てるためには、作業経験があり、作業にどのくらい時間がかかるのか分かっていることが必要」と振り返っていました。 <まとめ›  今回のケースは、本人が苦手と感じているスケジュール管理に対する対処策を検討するために作業管理課題を実施しています。通常の作業管理課題はさまざまな仕掛けを設定し5日間で実施しますが、今回のケースのようにスケジュールを立てることに苦手意識がある場合は、5日間の複雑なスケジュール立てが本人にとって負担に感じることも想定されます。本人が取り組めそうな課題を設定し、具体的な対処方法を検討することも一案です。 (2) 作業管理課題を1回で終了したケース 事例概要 診断名 広汎性発達障害 作業管理課題に関連する課題  同時並行で物事を進めることが苦手  人の話声が気になって集中しにくい  複数回確認していても、ケアレスミスが頻発する 本人の状況  求職者 フェイズ1 作業管理課題を実施するに至った理由    人の話声が気になって集中しにくい特性があったことから今後はテレワークを含めて就労先を検討していました。一方で、同時並行で物事を進めることへの苦手さや普段から作業中のケアレスミスが多いことから就労イメージが持てませんでした。現状でできていること、今後対処が必要なことを整理するために作業管理支援を実施しました。 作業管理課題実施時期と判断    支援期間の中盤で作業手順を把握しており、自律的に作業を進めることができていること、体調が安定していることから作業管理課題を行いました。 フェイズ2 作業管理課題の結果(1回目)    本人の周囲で話している人の声が時折気になり、集中しにくいことはありましたが、ノイズキャンセリング機能が搭載されたヘッドホンを活用することで人の声が気になることは軽減し、作業を継続することができました。    同時並行で物事を進めることは苦手と感じていましたが、作業管理課題では自分の苦手としている作業や時間がかかる作業、締切りが早いものを確認したうえで作業を開始することができており、期日までに終えることができていました。    通常の作業支援では、ケアレスミスが多く見られましたが、作業管理課題ではほとんどなく、作業を終えることができていました。 振返り相談(1回目)    本人が苦手と感じていることは、これまでの経験で培ってきた対処で対応することができていることを確認しました。特に今回の作業管理課題ではケアレスミスがほとんど見られなかったため、普段の作業と作業管理課題の取組方法の違いについて整理しました。本人からは「普段はこれまでの作業でしてしまったケアレスミスを覚えていて、気を付けながら作業していたところにストップウォッチの計測もあったので、注意することが多くて大変だった。作業管理課題では、ストップウォッチの計測がそもそもないので、いつもよりも負担が少なかった」と話していました。 本人と整理した結果、本人の頭の中で意識していることを減らすことで、ケアレスミスを軽減し、力を発揮できるようになると考えられました。今後の取組として、これまでのようにケアレスミスの傾向などを覚えておくのではなく、手順書に書き起こし、手順書を確認しながら作業を進めることにしました。まずは、本人が意識していることをどこまで、どのように手順書に書き起こすとよいのかを整理しました。 この対応は作業管理課題の中で確認するよりも、通常の支援の中で手順書を作成し、効果を検証した方が対処策の効果を確認しやすいと考え、作業管理課題の2回目は実施しないことにしました。 <まとめ›  このケースは、1回目の作業管理課題でどのような対処が必要なのか検討することができました。しかし、作業管理課題の中で対処が効果的なものかどうかを十分に確認できないと考え、2回目の作業管理課題は実施していません。  対処方法の検討や習得、効果は必ずしも2回目の作業管理課題で確認する必要はありません。特に在職者(休職者含む)の場合は、実際の本人の職場環境や配慮の有無に合わせた設定、環境で取り組む方が効率的なこともあるでしょう。 2 ジョブリハーサルとの併用 ジョブリハーサルに加えて作業管理支援を実施した事例について紹介します。 ジョブリハーサルとは、休職者が職場に戻って勤務することを想定し、実際の職場に近い模擬的な職場環境のなかで、チームで協力し合いながら負荷のある作業課題に取り組み、それらを通じて職場復帰のために必要な知識や対処スキルを実践することを目的とする技法です。詳細は平成28年度に発行した支援マニュアルNo.16「ジョブデザイン・サポートプログラム 気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのジョブリハーサル」、令和4年度に発行した支援マニュアルNo.21「ジョブデザイン・サポートプログラム 気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのジョブリハーサルの改良」を参照してください。 これに対して作業管理支援は、さまざまな仕掛けのある複数課題を個人がどのように管理し、進めるのかを把握すること、必要な対処方法を検討することを目的とした技法です。ジョブリハーサルは、一緒に作業をするチームのメンバーと協力し合いながら作業課題に取り組みますが、作業管理支援は個人がどのように作業を管理し、進めていくかに着目します。 事例概要 診断名 高次脳機能障害、てんかん 作業管理課題に関連する課題  毎日行うことであっても忘れやすい  物事を順序だてて取り組むことが苦手 本人の状況  在職中(休職者) フェイズ1 作業管理課題を実施するに至った理由    復職後の勤務を想定し、ジョブリハーサルを実施しました。ジョブリハーサルでは、チームのメンバーと相談し、担当する作業を終えることができています。しかし、本人自身が作業を管理し、作業を終えるまでどのように取り組むのかについてのアセスメントが不十分だったため、作業管理課題を行いました。 作業管理課題実施時期と判断    毎日行うことであっても忘れやすい様子があったため、記憶の補助としてメモリーノート※1の活用習得と手順書の作成を支援しました。    作業管理課題実施の条件は次の状況が満たされていることとしました。 メモリーノートにメモが取れる 作業ごとに必要な手順書を取り出し、確認できる 体調が安定している 一定の作業に耐えられる体力が備わっている 睡眠時間の確保など疲れへの対処が取れている その他、てんかんにより睡眠不足や疲れが影響して発作が起きる可能性があったため、作業管理課題実施中は睡眠時間がいつもと変わりなく取れているか、体調に問題がないかを毎日確認していました。いつもよりも睡眠時間が取れていない、熟睡感がない、体調が悪いなどを確認した場合には中止することにし、スタッフ間で共有しました。 フェイズ2 作業管理課題の設定    手順書を確認するなど、作業開始までに時間がかかることから作業管理課題の設定は「タスクる」で設定後、支援スタッフが本人の作業速度に合わせて調整しました。 作業管理課題の結果(1回目)    フェイズ1で習得した「メモリーノートに指示内容をメモすること」「不明点はスタッフに確認すること」「各作業の手順書を確認して作業をすること」は、作業管理課題中も実施できていました。 メモリーノートにはすべてのタスクをメモすることができていましたが、日々のスケジュールを立てることなく、締切りの早い順番に作業を始めていました。結果、追加指示の締切りを勘違いし、締切りまでに作業を完了することができませんでした。 振返り相談(1回目)    作業スキル発見ノートを活用し、作業管理課題でできたことを中心に振返りを行いました。本人は、受障前と同様に自身で作業を管理し、進めていくのは今回が初めてだったため、最後まで終えることができるのか心配な点もあったようですが、できていることも複数確認することができました。    また、締切りまでに終えられなかったことについては「やっぱり覚えられないことがある」と振り返っていましたが、支援者から「メモは正しく取れているため、記憶だけではなく、メモを十分に活用すること」を提案しました。本人からも「病気になる前は仕事のスケジュールを立てることはあったし、好きだった」との話があり、今までに培ったスキルであり、好きだったことを活かしてスケジュールを立てること、見落しを防ぐために締切りなどはリマインダー機能を活用することにしました。2回目の作業管理課題の実施までに、スケジュールを立てることやリマインダーを設定することを練習することにしました。 フェイズ3 作業管理課題の結果(2回目)    作業指示をメモした後は、作業管理課題実施期間中のスケジュールを日ごとに立て、締切り日をスマホのリマインダーに登録してから作業に取り組んでいました。日ごとのスケジュールは前日と当日に確認し、その時点で不明点や不安に感じていることがあれば、スタッフに申し出ることもありました。その結果、スケジュールを立てて進捗を確認しながら進めることができ、課題は期日までにすべて終了することができました。 振返り相談(2回目)    作業管理課題期間中のスケジュールを立ててから課題に取り組んだことやリマインダー機能を活用したことで、1回目に実施した時よりも、各タスクの進捗状況や不明点を確認しながら取り組めていたことを確認しました。スケジュールの確認には多少時間がかかるものの、締切りまでに課題を終わらせるという目的以外にも、各タスクの進捗管理のために有効であることを確認し、職場復帰後もスケジュールを立ててから作業を開始することを継続することとしました。    2回の作業管理課題の実施をふまえ、課題を終えるためには不明点や不安に感じていることは周囲と共有し、早めに解決すること、指示はメモリーノートやリマインダーに登録することが力を発揮するために必要であることを本人と共有しました。また、職場復帰後は、本人が必要な対処について忘れないようメモを取ることができているか確認すること、不明点や質問がないか確認することを上司や同僚に依頼しています。 ※1 メモリーノートは、認知機能に障害のある人が、日常生活の行動管理や仕事の進行管理を自律的に行えるようにしていくための、構造化されたシステム手帳です。中には、スケジュールやTo-Doリスト、重要メモなどがあります。詳細は、「ワークサンプル幕張版 MWSの活用のために」をご覧ください。  <まとめ›  ジョブリハーサルは、チームのメンバーと協力して行う課題であるため、本人が課題を完了するためにどのような計画を立て、進めていくのかが把握しにくいこともあります。作業管理課題はさまざまな仕掛けのある複数課題を個人がどのように管理し進めるのかが把握しやすいため、今回のケースのように集団場面では課題が見られなくても、これまでの職場で困っていた、または、今後復帰する職場での対処を検討したいときに活用することができます。  今回のケースは、1回目の作業管理課題前、2回目の作業管理課題前に、必要な対処を習得する時間を設けてから実施しています。これらはスキル不足によって各タスクに対応できないという事態を回避するために行っています。ケースによっては、これらのスキルを獲得するために時間が必要なこともあるため、現状の本人のスキルでは作業管理課題に対応できない場合はスキルの習得に注力することにし、あえて作業管理課題は実施しないといった方法もあります。 3 テレワークにおける作業管理支援の活用の可能性 近年、在宅勤務の在職者、また、在宅勤務を希望する求職者が増えてきていることから、テレワークの場面で作業管理支援をどのように活用できるか、特定非営利活動法人ぶうしすてむ 理事長 川崎 壽洋 氏、明星大学人文学部福祉実践学科 准教授及び東京医科大学医学部 兼任講師 縄岡 好晴 氏よりご助言いただきました。助言いただいた内容をふまえて、テレワークにおける作業管理支援の活用の可能性についてご紹介します。なお、今回の活用イメージは、締切りのある複数課題に取り組むなど、作業管理課題と同程度の作業負荷がある場合で考えています。 (1) 行動観察シートの活用 テレワークにおいても、作業管理支援で作成している「行動観察シート(2025)」をアセスメントの際に活用することが可能です。テレワークの場合、本人の行動を対面で確認することができない場合が多いと思われますが、「行動観察シート(2025)」に記載された項目を参考に、アセスメントや進捗状況の聞き取りなどを行うことで、本人がどのような行動を取れていたのか、できていたことは何かなどが把握しやすくなります。専門家からも、例えば「指示内容についてメモを取る」という行動で課題が確認された場合、「行動観察シート(2025)」を活用することで、メモは取れるがどこに書いたかわからなくなった、メモはあるが後から見返すと内容がわかりづらいものになっているなど、状況に合ったより適切な対処方法の検討につなげられるのではないかと助言いただきました。 なお、「行動観察シート(2025)」では作業管理上の各行動について、できていたかどうか評価する項目があります。これについては例えば、「各タスクを指定された納期までに完了させるための計画を立てる」項目でアプリを活用する、「定例作業に対応する」項目でスマートフォンのリマインダー機能を活用する、「作業の見直しをする」項目でAIを活用するといった道具を活用する対応も「できた」と評価して問題ありません。ただし、「こうしたからできた」と、うまくいった理由を確認しておくことが大切です。また、アセスメントにおいては、必要に応じてWEB会議システムやバーチャルオフィスを活用して画面共有をしてもらい、実際の作業の様子を確認することも一案です。そのほか、通信の不具合など、テレワークで起こり得る不具合の想定ができているかも確認しておくとよいでしょう。   (2) ふりかえりシートの活用 次に、作業後に行う振返り相談については、職業センターで令和5年度に開発した「テレワークプログラム」※2にて掲載している「テレワークプログラム【ふりかえりシート】」を本人に作成してもらうことができます。「テレワークプログラム【ふりかえりシート】」は作業管理支援を参考に、テレワーカーとして必要な作業の自己管理力について振り返ることを目的に開発されたものです。このシートを活用し、テレワークにおいても今回、作業管理支援の改良でポイントとしている「原因の解明に固執しすぎず、どのような行動を取るとうまくいくのかに目を向ける」という視点から振返りを行うことで、必要な対処行動などが検討しやすくなると考えられます。なお、振返りはシートの記入のみで完結するのではなく、そこからどう相談を進めていくのかが大切です。これについては「第3章 4 振返り相談の効果的な進め方~作業スキル発見ノートの活用を中心に~」を参照ください。  また、対処行動を習得するためには、本人の特性や学習の仕方に合わせた対応が必要です。このため、前述のようにWEB会議システムなどを活用し、作業中の様子を共有するほか、毎日の始業・終業時にメールやチャットでの進捗報告、作成中の成果物を指定された場所に保管するなどの方法もあります。さらに、毎日の業務報告にあわせてタイムリーにフィードバックを行う、ふりかえりシートを活用して定期的に振返りの時間を設けるなど、フィードバックの仕方も工夫し、より適切な対処行動の習得に結びつけていけるとよいでしょう。 ※2  「テレワークプログラム」とは令和5年度に当センターで開発した支援技法の1つです。テレワーカーに求められる基礎的な対応力のうち、特に自己発信力、作業および体調の自己管理力について、講習や演習などを通じて理解を深めることを目的に開発しています。 テレワークプログラムでは、講習や演習で学んだ内容を実践してみる場として、対象者と支援者が離れた場所でパソコンを通じたやり取りを行いながら作業を実施する機会も設定しています。作業後は「テレワークプログラム【ふりかえりシート】」を使用し、振返りの相談を行います。 詳細は、支援マニュアルNo.25「テレワークにおける職場適応のための支援技法の開発」をご覧ください。 テレワークプログラム【ふりかえりシート】一部抜粋 テレワークプログラム【ふりかえりシート】  年  月  日(  ) 氏名【                   】 作業工程作業工程ごとに必要な行動下位項目・詳細など関連する テレワークに必要な力自己評価振返りメモ 作業準備・作業環境の整備・PCの立ち上げ・設定をスムーズに行う作業環境整備 ・仕事をするのにふさわしい環境を整える・デスク・イスの高さの調整、姿勢の調整、温度・湿度の設定、Web会議を行いやすいスペースの設定、家族の協力を得ることなど、作業しやすい環境に整えられたか ※自宅など自分で環境設定を行う場合 時間管理・作業の開始・終了時間を遵守する作業管理 ・作業開始・終了の報告を行う・作業計画書の作成、開始・終了時の報告などが的確に行えたか作業管理 自己発信 指示受け・指示書を見て作業内容を正確に把握する作業管理 作業予定・計画立案・各タスクを指定された納期までに完了させるための計画を立てる・自分が抱えている全てのタスクを把握できたか作業管理 ・タスク間の優先度を的確に判断することができたか ・目標を達成する上でもっとも効果的な方法や工程を選択することができたか ・各タスクに必要な作業時間を予測することができたか ・以上を踏まえて各タスクを予定に組み込んだ計画を立てられたか 進捗確認・計画見直し・進捗状況の確認をする・スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認していたか作業管理 ・計画を見直す・計画通りに進まなかった場合、計画を見直すことができたか 報告・相談・予定どおり進まなかった場合に相談する・予定どおりに作業が終わらなかった場合、状況を伝え相談することができたか自己発信 ・分からないことがあった場合に対応する・自分で調べられることとそうでないことを判断し、質問しなければ分からないことは、自分から質問できたか自己発信 ・レポート作成など完成形が明確でない作業で独力で完成形の明確化が難しい場合、指示者に確認することができたか作業管理 自己発信 ・相談・質問する際に適切なツールとタイミングで行う・どういうツールで、いつ連絡するか適切なツール(メール、電話、Web会議システム)とタイミングを判断できたか自己発信 ・質問や報告の内容を正確かつ簡潔に伝える自己発信 ・質問や報告に対して返答があった場合、相手に対して反応を返す・読んだこと、理解したことなど自分の状況を必要に応じて相手に伝えることができたか自己発信 体調の自己管理疲労の状況により適宜休憩を取る体調管理 作業と休憩とで切り替えるストレッチ、深呼吸、その他自分に合った方法でオン・オフを切り替える体調管理 情報管理パスワードやログイン情報を適切に管理する情報を所定の場所に格納して他者に見られないように管理する情報管理 【参考文献】 障害者職業総合センター:「ワークサンプル幕張版 MWSの活用のために」(2010) 障害者職業総合センター:「支援マニュアルNo.16 ジョブデザイン・サポートプログラム 気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのジョブリハーサル」(2017) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.21 ジョブデザイン・サポートプログラム 気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのジョブリハーサルの改良」(2022) 障害者職業総合センター職業センター:「支援マニュアルNo.25 テレワークにおける職場適応のための支援技法の開発」(2024) 第5章 まとめ   第5章 まとめ 本報告書では、作業管理支援の汎用性を高めるため適用対象者を拡大し、実施方法や各種シートなどを改良した取組について取りまとめました。また、作業管理支援の実施にあたってよくある質問を「作業管理支援Q&A集」として取りまとめました。作業管理支援を実施する際、必要に応じて参照してください。 今回の改良では、「うまくいかなかったことの原因を特定するより、うまくいった理由を探り、それを実際の就労場面でも活かせるよう対処方法を検討すること」を重視しています。改良に着手した当初は、開発のベースとなっている実行機能について、支援者によって理解の度合いに差があることが作業管理支援を実施するハードルの1つとなっている可能性を考え、対象者の拡大にともない、「より複雑な問題の原因をどう実行機能レベルで把握するか」に注目していました。しかし、複数の専門家の助言も受け、生じている問題の背景は多様であり、問題の原因を探ることだけではなく、うまくいっている状況を分析し、その再現性を高めていくことで、より効果的な支援が実施できるのではないかと考えました。 作業管理支援では、対象者自身が作業管理課題での取組を振り返り、「こうすればできる」など、うまくいく条件について気づき、見出した対処方法を作業管理課題以外の場でも実践していけることを目指しています。今回開発した「作業スキル発見ノート」もこのための1つのツールです。「作業スキル発見ノート」の使用は必須ではありませんが、問題に目がいきがちで、「こうやったからうまくできた」という振返りの経験が少ない対象者の場合には活用いただくとよいのではないかと考えます。 今回の改良では、作業管理支援の主軸となる作業管理課題の内容自体は変更しておりませんが、「第4章 作業管理支援の柔軟な実施方法」や「作業管理支援Q&A集」では作業管理課題を短縮して実施する際のポイントなどについて掲載しております。作業管理能力を把握し、必要な対処方法を実践するために、解決志向ブリーフセラピーなどの視点を取り入れることによって、ほかの支援を実施する場合にも参考になるよう本報告書を作成しました。 本報告書が地域センター等、各支援機関における就労支援の参考となり、支援の質の向上に役立つことを期待しています。 巻末資料 資料番号 資料名 ページ番号 1 オリエンテーション資料 72 2 行動観察シート(2025) 73 3 改良版ふりかえりシート 75 4 作業スキル発見ノート 93 5 支援者用進捗確認票(参考1) 96 6 支援者用進捗確認票(参考2) 97 ※資料3「改良版ふりかえりシート」には、実践報告書No.39でとりまとめた「作業管理課題において活用した課題への対処方法~ヒント集~」も掲載しています。 資料1 資料1_オリエンテーション資料 作業管理課題 オリエンテーション 作業支援の1つとして、作業管理課題に取り組んでいただきます。 本日のオリエンテーションでは、作業管理課題とは何かについてお伝えします。 ~内容~ 仕事の流れ 作業管理課題とは 仕事の流れ 1指示 2作業予定・計画 3作業実施 4結果確認 5指示者に報告・相談 異常・緊急時 ★仕事を進めていくためには、  各自が仕事を管理する力 が求められます。 ★各自が仕事を管理するためには、仕事の流れの中で、次のような行動を取る必要があります。 1.指示 1指示 2作業予定・計画 3作業実施 4結果確認 5指示者に報告・相談 異常・緊急時 「1指示」の中には… ☑ 必要な行動 □ 指示を集中して聞く □ 指示を記憶する、メモを取る □ 不明点について自分から質問する などが含まれます。 「 1指示」を完了するために… 指示を受ける時には、素早くメモを取る準備をし、指示を正確に記憶すること 不明点やあいまいな理解になっていることについては自分から相手に質問すること ここまでがあなたの役割となります。 2.作業予定・計画 1指示 2作業予定・計画 3作業実施 4結果確認 5指示者に報告・相談 異常・緊急時 「2作業予定・計画」の中には… ☑ 必要な行動 □ 自分が抱えているタスクを把握する □ 作業の優先順位をつける □ 作業を完了するためのスケジュールを立てる などが含まれます。 「2作業予定・計画」を完了するために… 自身が抱えているタスクが把握できていない場合には、指示者に自分から自分が抱えているタスクを確認すること 作業を完了するために各作業時間を予測し、スケジュールを立てること   異常・緊急時とは… ・スケジュールを立てたときに「指示されたタスクが終わらない!」と思ったら、すぐに指示者に報告・相談する必要があります。 ここまでがあなたの役割となります。 3.作業実施 1指示 2作業予定・計画 3作業実施 4結果確認 5指示者に報告・相談 異常・緊急時 「3作業実施」の中には… ☑ 必要な行動 □ 作業環境を整理された状態に保つ □ 作業の優先順位を意識して行動する □ 作業の締切りが近づいても、落ち着いて作業を進める などが含まれます。 「3作業実施」を完了するために… 作業を締め切りまでに完了すること 作業をミスなく行うこと 追加指示や作業に対応すること   異常・緊急時とは… ・作業ミスがあったとき、やむを得ず「追加指示に対応できなそう」と思ったときには、すぐに指示者に報告・相談する必要があります。 ここまでがあなたの役割となります。 4.結果確認 1指示 2作業予定・計画 3作業実施 4結果確認 5指示者に報告・相談 異常・緊急時 「4結果確認」の中には… ☑ 必要な行動 □ 作業終了後にミスがないか確認し、ミスがあったら修正する □ 作業スケジュールと作業の進捗をすり合わせる などが含まれます。 「4結果確認」を完了するために… 指示者に提出する前にミスがないか確認をすること 作業スケジュールと作業の進捗が合っているか、計画どおりに進んでいるか確認すること   異常・緊急時とは… ・作業が計画通りに進んでいない、遅れていることが分かったときには、すぐに指示者に報告・相談する必要があります。 ここまでがあなたの役割となります。 5.指示者に報告・相談 1指示 2作業予定・計画 3作業実施 4結果確認 5指示者に報告・相談 異常・緊急時 「5指示者に報告・相談」の中には… ☑ 必要な行動 □ 報告する内容を整理してから報告する □ 作業の進捗状況に応じて指示者に報告する などが含まれます。 「5指示者に報告・相談」を完了するために… 完了しているタスク、また完了していないタスクが分かるように報告すること 完了していないタスクの今後の見通し(どのくらいで終わりそうなのかなど)を報告すること 適切なタイミングで報告すること   ここまでがあなたの役割となります。 作業管理課題とは 作業管理課題 ・ご自身の仕事を管理する力を把握するために設定した作業課題。 ・普段の作業と異なり、締め切りのある複数課題や作業の途中で追加指示をすることがあります。 目的 ・ご自身が「できていること」「対処が必要なこと」を知る ・どのような対処が必要なのかを知る 作業管理課題に取り組むことで分かること ・できていることが分かり、自信を持って作業に取り組むことができる ・どのような対処をすると作業を完了することができるのかが分かる ・ご自身に合った対処方法が分かるため、同じミスを繰り返すことを防ぐ ・職場での作業を進めるために、職場に求める配慮事項を整理することができる 資料2_行動観察シート(2025) +:できていた、-:できなかった、±:できたりできなかったりした、レ:場面がなかった 行動観察シート(2025) 作業工程 作業工程ごとに必要な行動 アセスメントのポイント評価 観察メモ ①指示受け ・指示を聞く態勢をとる ①-1:直前の行動や思考から離れて指示を聞くことに注意を向ける (対応できた時、できなかった時にどのような行動を取っていたか?)(課題を完了するためにどのような質問があったか?) ・指示受けに必要な道具を準備する ①-2:素早くメモ、筆記具等を取り出す ・指示内容についてメモを取る ①-3:指示を正確に記憶する ①-4:指示を聞きながらメモを取る ・不明点を質問する ①-5:不明点を適切な台詞、声の大きさ、態度で質問する ・自信がない点について確認する ①-6:自信がない点について適切な台詞、声の大きさ、態度で確認する ・誤りに対して冷静に事実確認を行う ①-7:冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う ②作業予定・計画立案 ★各タスクを指定された納期までに完了させるための計画を立てる ②-1:タスクの全体把握  ※報告もタスクとして認識しているか ②-2:優先順位づけ ②-3:工程の明確化 ②-4:時間の見積もり ②-5:スケジューリング ・レポート、社内報原稿:完成形を明確にし(目標の明確化)、指示者と共有する ②-6:完成形の明確化 ※完成形のイメージでもよい。 ②-7:独力で完成形の明確化が難しい場合、指示者に相談する ②-8:完成形について共有する ③作業実施 ・整理整頓をする ③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ ・定例作業に対応する ③-2:定例作業があることを覚えている ③-3:進行中の作業から定例作業に切り替える ・計画通りに作業を進める ③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する ③-5:計画外の行動を抑制する(例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する) ・急ぎのタスクとして指示される「追加作業」に対応する ③-6:動揺や焦りをコントロールする ③-7:スケジュールを組みなおす(作業予定・計画立案★の項を参照) ③-8:進行中の作業から追加作業に切り替える ・各タスクをミスなく完了させる ③-9:作業中の見直しによるミスの発見と修正 ・ネガティブな結果を予想したり、ネガティブな状況に直面しても冷静さを保つ ③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ ・作業方法、ルールの変更に対応する※ ③-11:新しいルールで対応する(対応困難な場合は、下記①②を検証) ③-12:①新しいルールを覚えている ③-13:②古いルールに基づく反応を抑制する ④結果確認 ・作業の見直しをする ④-1:作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する ・進捗状況の確認をする ④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談 ・指定された期間中または日時に進捗報告を行う ⑤-1:報告する情報を体系的に整理する(例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる) ⑤-2:報告のタイミングを覚えている ⑤-3:進行中の作業から報告へ行動を切り替える ⑤-4:正確に報告を行う ■その他■ 作業管理を妨げる思考 作業管理を阻害する要因 (詳細) ストレス (詳細) 不安、抑うつ (詳細) 睡眠不足 (詳細) その他 感覚特性(感覚刺激への反応) (詳細) 視覚 (詳細) 聴覚 (詳細) その他 ■MEMO■ 資料3 ふりかえりシート~全体評価~ 作業管理課題お疲れ様でした。 作業管理課題に取り組んでいる間のご自身について振り返ってみましょう。 各作業工程の振返りです。アセスメントのポイントを読み、自己評価を付けてください。 【自己評価】 +:できた  ±:できたり、できなかったりした  -:できなかった  レ:場面がなかった 作業工程 アセスメントのポイント 自己評価 ①指示受け ①-1:直前の行動や思考から離れて、指示を聞くことに集中する ①-2:指示受けに必要なメモ、筆記道具等を素早く取り出す ①-3:指示を正確に記憶する ①-4:指示を聞きながらメモを取る ①-5:指示の不明点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で質問する ①-6:自信がない点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で確認する ①-7:指示者の誤りに対して、冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う ②作業予定・計画立案 ②-1:報告を含め、タスクの全体を把握する ②-2:作業の優先順位を付ける ②-3:作業の工程を明確にする ②-4:作業にかかる時間の見積もりをする ②-5:作業を完了するためのスケジュールを立てる ②-6:レポート、社内報原稿の完成形を具体的にする ※完成形のイメージでもよい。 ②-7:レポート、社内報原稿を独力で完成形を具体的にすることが難しい場合、指示者に相談する ②-8:レポート、社内報原稿の完成形について指示者と共有する ※1 作業方法、ルールの変更に対応する 【ストップウォッチの計測(旧:あり、新:なし)】【レベルを進めるルール(旧:3連続正答、新:ミスの修正)】 【物品請求書作成の消費税率(前半:8%、後半:10%)】【作業日報集計(前半:少数点第2位を切り上げ、後半:少数点第2位を四捨五入)】" ③作業実施 ③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ ③-2:定例作業があることを覚えている ③-3:進行中の作業から定例作業に切り替える ③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する ③-5:計画外の行動を思いついても、優先順位を意識して行動する (例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する) ③-6:追加作業を指示された時に動揺や焦りをコントロールする ③-7:必要に応じて、スケジュールを組みなおす ③-8:進行中の作業から追加作業に切り替える ③-9:作業中に見直しをするなどミスの発見と修正を行う ③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる 動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ ③-11:新しいルール(※1)で対応する ③-12:新しい作業方法、ルール(※1)の変更を覚えている ③-13:古い作業方法、ルール(※1)を思い出しても新しい作業方法、ルールで作業を続ける ④結果確認 ④-1:作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する ④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談 ⑤-1:報告する情報を体系的に整理する (例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる) ⑤-2:報告のタイミングを覚えている ⑤-3:進行中の作業を一旦止め、報告する ⑤-4:作業の進捗状況、完了した作業・未完了の作業を分けて報告を行う ※未完了の作業は今後の見通しを報告する" ふりかえりシート~考え・体調~ 作業管理課題に取り組んでいる間には、様々な考えが浮かんだり、様々な気持ちを感じていたと思います。 ご自身が作業管理課題に取り組んでいる間、どのような考えや気持ちを感じていたのか振り返ってみましょう。 ご自身の考えや気持ちを振返り、該当する箇所に☑を付けてください。該当する箇所がない場合は、自由記述欄に記載してください。 ■作業管理課題に取り組んでいる間、どのような考えが浮かびましたか? 作業が終わるように頑張ろう 作業時間がもっと欲しい 課題が多くて、混乱してきた 作業が楽しみだ 思っていたよりも課題を進めることができた 何とかなる気がする とにかくやるしかない 他の人に作業について質問、または、相談がしたい 課題を終わらせることができそうだ 締切りまでに終わらないかもしれない (自由記述) ■作業管理課題に取り組んでいる間のご自身の体調はいかがでしたか? 睡眠時間は十分に取れていた 疲れを感じていたが、対処はしなかった(または、できなかった) よく眠れてない日があった 低い程度のストレスを感じていた 疲れは感じていなかった 中程度のストレスを感じていた 疲れは感じたが、適切に対処できた 高程度のストレスを感じていた (自由記述) ■作業管理課題に取り組んだ感想 ふりかえりシート~できたことの分析~ 「+(できた)」と「±(できたり、できなかったりした)」と回答した項目について分析しましょう。 ①「+(できた)」と評価した項目は、何かしらの対処や工夫をしていたからできたのかもしれません。ご自身がどのような対処をしていたのか分析しましょう。 ②「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目は、できたときは、ご自身がどのような対処をしていたのかを分析しましょう。 【記入例】 作業工程    ①指示受け アセスメントのポイント ①-1:直前の行動や思考から離れて、指示を聞くことに集中する ①-2:指示受けに必要なメモ、筆記道具等を素早く取り出す 自己評価 + + (できていたときはどんなことをしていた?何をするとできた?) ①-1:「今日から新しい課題だ!」と前向きな気持ちでいたから。 ①-2:指示を聞きに行く前にメモとペンを予め用意していたから。 ①指示受け ①-1:直前の行動や思考から離れて、指示を聞くことに集中する ①-2:指示受けに必要なメモ、筆記道具等を素早く取り出す ①-3:指示を正確に記憶する ①-4:指示を聞きながらメモを取る ①-5:指示の不明点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で質問する ①-6:自信がない点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で確認する ①-7:指示者の誤りに対して、冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う ②作業予定・計画立案 ②-1:報告を含め、タスクの全体を把握する ②-2:作業の優先順位を付ける ②-3:作業の工程を明確にする ②-4:作業にかかる時間の見積もりをする ②-5:作業を完了するためのスケジュールを立てる ②-6:レポート、社内報原稿の完成形を具体的にする ※完成形のイメージでもよい。 ②-7:レポート、社内報原稿を独力で完成形を具体的にすることが難しい場合、指示者に相談する ②-8:レポート、社内報原稿の完成形について指示者と共有する ③作業実施 ③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ ③-2:定例作業があることを覚えている ③-3:進行中の作業から定例作業に切り替える ③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する ③-5:計画外の行動を思いついても、優先順位を意識して行動する (例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する) ③-6:追加作業を指示された時に動揺や焦りをコントロールする ③-7:必要に応じて、スケジュールを組みなおす ③-8:進行中の作業から追加作業に切り替える ③-9:作業中に見直しをするなどミスの発見と修正を行う ③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる 動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ" ③-11:新しいルール(※1)で対応する ③-12:新しい作業方法、ルール(※1)の変更を覚えている ③-13:古い作業方法、ルール(※1)を思い出しても新しい作業方法、ルールで作業を続ける ④結果確認 ④-1:作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する ④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談 ⑤-1:報告する情報を体系的に整理する (例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる) ⑤-2:報告のタイミングを覚えている ⑤-3:進行中の作業を一旦止め、報告する ⑤-4:作業の進捗状況、完了した作業・未完了の作業を分けて報告を行う ※未完了の作業は今後の見通しを報告する" ※1 作業方法、ルールの変更に対応する 【ストップウォッチの計測(旧:あり、新:なし)】【レベルを進めるルール(旧:3連続正答、新:ミスの修正)】【物品請求書作成の消費税率(前半:8%、後半:10%)】 【作業日報集計(前半:少数点第2位を切り上げ、後半:少数点第2位を四捨五入)】 ふりかえりシート~対処策の検討~ 「-(できなかった)」と回答した項目について分析しましょう。 「-(できなかった)」と回答した項目は、今後どのような対処をするとできると思いますか?「作業管理課題において活用した課題への対処方法~ヒント集~」を参考に対策を検討してみましょう。 【記入例】 作業工程    ②作業予定・計画立案 アセスメントのポイント ②-1:報告を含め、タスクの全体を把握する ②-2:作業の優先順位を付ける ②-3:作業の工程を明確にする ②-4:作業にかかる時間の見積もりをする ②-5:作業を完了するためのスケジュールを立てる ②-6:レポート、社内報原稿の完成形を具体的にする ※完成形のイメージでもよい。 ②-7:レポート、社内報原稿を独力で完成形の具体的にすることが難しい場合、指示者に相談する ②-8:レポート、社内報原稿の完成形について指示者と共有する 自己評価 + ± + ± - + ± ± (できなかったことは、今後どのようなことをするとできると思うか?) ②-5:タスクとスケジュールの一覧表(ヒント集p6)を使ってスケジュールを立ててみたい。 ①指示受け ①-1:直前の行動や思考から離れて、指示を聞くことに集中する ①-2:指示受けに必要なメモ、筆記道具等を素早く取り出す ①-3:指示を正確に記憶する ①-4:指示を聞きながらメモを取る ①-5:指示の不明点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で質問する ①-6:自信がない点について、適切なセリフ、声の大きさ、態度で確認する ①-7:指示者の誤りに対して、冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う ②作業予定・計画立案 ②-1:報告を含め、タスクの全体を把握する ②-2:作業の優先順位を付ける ②-3:作業の工程を明確にする ②-4:作業にかかる時間の見積もりをする ②-5:作業を完了するためのスケジュールを立てる ②-6:レポート、社内報原稿の完成形を具体的にする ※完成形のイメージでもよい。 ②-7:レポート、社内報原稿を独力で完成形を具体的にすることが難しい場合、指示者に相談する ②-8:レポート、社内報原稿の完成形について指示者と共有する ③作業実施 ③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ ③-2:定例作業があることを覚えている ③-3:進行中の作業から定例作業に切り替える ③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する ③-5:計画外の行動を思いついても、優先順位を意識して行動する (例:計画を無視して自分のやりたいタスクを優先する) ③-6:追加作業を指示された時に動揺や焦りをコントロールする ③-7:必要に応じて、スケジュールを組みなおす ③-8:進行中の作業から追加作業に切り替える ③-9:作業中に見直しをするなどミスの発見と修正を行う ③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる 動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ ③-11:新しいルール(※1)で対応する ③-12:新しい作業方法、ルール(※1)の変更を覚えている ③-13:古い作業方法、ルール(※1)を思い出しても新しい作業方法、ルールで作業を続ける ④結果確認 ④-1:作業終了後、見直しを行い、ミスを発見したら修正する ④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する ⑤報告・相談 ⑤-1:報告する情報を体系的に整理する (例:完了/未完了とにタスクを分類、未完了のタスクは今後の見通しをまとめる) ⑤-2:報告のタイミングを覚えている ⑤-3:進行中の作業を一旦止め、報告する ⑤-4:作業の進捗状況、完了した作業・未完了の作業を分けて報告を行う ※未完了の作業は今後の見通しを報告する ※1 作業方法、ルールの変更に対応する 【ストップウォッチの計測(旧:あり、新:なし)】【レベルを進めるルール(旧:3連続正答、新:ミスの修正)】【物品請求書作成の消費税率(前半:8%、後半:10%)】 【作業日報集計(前半:少数点第2位を切り上げ、後半:少数点第2位を四捨五入)】 資料4 作業スキル発見ノート 作成日:  年  月  日 目次 1.作業管理課題に取り組んでいるときの状態・・・・・・・p3 2.成果の発見・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p4 3.伸びしろの発見・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p6 4.未来に向けたチャレンジ・・・・・・・・・・・・・・・p8 1.作業管理課題に取り組んでいるときの状態 作業管理課題への取り組み、お疲れ様でした。 普段とは異なる状況の中でも、複数のタスクに取り組まれたことは、並大抵のことではありません。これまでの経験を踏まえて努力と工夫を重ねて取り組まれていましたね。 ふりかえりシート~考え・体調~から、ご自身がどのような状況で作業管理課題に取り組んでいたのか振返ってみましょう。 ◎作業を進められたのはなぜでしょうか? ◎普段通りに作業に取り組めた場合、なぜ普段通りに取り組めたのでしょうか? (例)スケジュール帳を使ってスケジュールを立てることができたので、作業を進められた。    時間がかかる作業や苦手と感じる作業から始めるので、すべての作業を締切りまでに終えられた。 2.成果の発見 次に、「できたこと」を振返ります。 「できた」ことの中には、 意識しなくてもできる「既に身についている対処や工夫」 作業を完了するために「他者を頼るスキル」 が含まれていることがあります。 まずは、ふりかえりシート~できたことの分析~から「+(できた)」と評価した中から、「既に身についている対処や工夫」を探しましょう。 普段から意識しなくてもできることは、探そうとしないと見つけられません。「何をしたから」できたのかに注目して、探してみましょう。 既に身についている対処や工夫 (例)対処:指示は復唱する    工夫:メモがすぐに取れるようにメモとペンが一緒になった手帳を机に出しておく 2.成果の発見 次に、ふりかえりシート~できたことの分析~の「できていた」ことの中から、「他者を頼るスキル」を探しましょう。 <他者を頼るスキルの例> 作業の計画ができなかったので、指示者に相談した 作業を始めてから分からないところがあったので、質問した 社内報やレポートの完成形がイメージできなかったので、他の人が作成したものを見せてもらえないか相談した 他者を頼るスキル 作業を完了するためには、他者の力を頼る選択をすることも必要なスキルです。ご自身の力だけでなく、他者に頼ることも検討しましょう。 3.伸びしろの発見 ふりかえりシート~できたことの分析~の「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目について振返ります。 「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目は、 少しの工夫で「できる」に変化する可能性があります。 「できたり、できなかったりしたこと」が「できた」ときは、なぜ、できたのか整理しましょう。 <指示受け> (例)落ち着いて話を聞けたときは、指示をメモし、復唱できた <作業予定・計画立案> (例)1ブロックの作業時間が5~10分の作業は、作業量が多くても作業時間の見積もりができた <作業実施> (例)焦っていなければ、定例作業を忘れずにできた 3.伸びしろの発見 ふりかえりシート~できたことの分析~の「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目について振返ります。 「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目は、 少しの工夫で「できる」に変化する可能性があります。 「できたり、できなかったりしたこと」が「できた」ときは、なぜ、できたのか整理しましょう。 <結果確認> (例)「終わらないかも」と心配しているときは、1日に何度か進捗状況を確認できた <報告・相談> (例)作業が完了したものは、ミスの有無も含めて報告できた 「±(できたり、できなかったりした)」と評価した項目は、「+(できた)」ときと同様の対処や工夫をすることで「+(できた)」に変えていけるかもしれません。 4.未来に向けたチャレンジ ふりかえりシート~対処策の検討~で「-(できなかった)」と評価した項目についてふりかえりましょう。 ①なぜ「-(できなかった)」の評価になったのか、要因を考えましょう。 次の3つの要因の中から当てはまるものを選び、ふりかえりシート~対処策の検討~に記入しましょう。 <「-」評価になった要因> その工程が自分の役割だと知らなかった(役割の認識不足) その工程が自分の役割だと分かっていたが、やり方が分からなかった、経験がなかった(知識・スキルの不足) 普段はできているが、今回の作業管理課題ではできなかった(体調・思考・ストレスの影響) 「-(できなかった)」となった要因を分析することで、今後「役割を把握できればできる」、「知識やスキルの習得ができればできる」「今回できなかった要因への対策を習得すればできる」などできるために何をすればいいのかを考えやすくなります。 4.未来に向けたチャレンジ 職場でご自身の力を発揮するためには、 ①ご自身の得手不得手を知ること ②苦手なことへの対処方法を身につけること ③周囲にご自身が行う対処や職場に求める配慮事項を伝え、それらについて周囲から了承を得ることが必要です。 苦手なことへの対処方法は様々あります。 ご自身の力を発揮するために、どのような対処方法を活用することが適切か検討してみましょう。 <対処方法> ●自己対処 (例) メモを取る 気持ちを落ち着けるためにストレスボールをにぎる バイブレーションタイマーを使う ●他者を頼る (例) 上司にメモを確認してもらう 完成品の見本をもらえないか相談する 作業の優先順位について相談する ●環境調整 (例) 周囲の音が気になったら、ノイズキャンセリングヘッドフォンを使う 休憩時間は人が少ない場所に行く 5.今後取り組みたいこと ①「±」や「-」と評価した項目の中から、対処が必要な場面を確認しましょう。 ②対処が必要な場面に対する対処方法を検討しましょう。 対処が必要な場面 自己対処 他者を頼る 環境調整 取り組む優先順位 対処方法は、実際の場面で活用することで効果を確認出来ます。実際に対処方法を行い、よりご自身にあった手段を検討しましょう。 資料5_支援者用進捗確認票(参考1) 作業管理課題 (タスクと結果) 月 日( ) ~  月 日( ) タスクC、E、F以外はプルダウンから選べます。 空欄には指示した内容を記入します。 (例)Lv1-1 A Lv: 月 日( )  正解 月 日( )  不正解 月 日( )  未提出 月 日( ) 月 日( ) 本人からの報告後、正誤を確認し、該当の色を付けます。 B 〆:  月 日( ) 時 Lv: C レポート作成〆:  月 日( ) 時 D 〆:  月 日( ) 時 Lv: E 社内報原稿作成〆:  月 日( ) 時 F 進捗報告 〆:  月 日( ) 時 G〆:  月 日( ) 時 Lv: シートに保護はつけていません。 各施設で使いやすいよう加工してください。 資料6_支援者用進捗管理票(参考2) 作業管理課題実施期間:  月  日(  )~  月  日(  ) プルダウンからタスクが選べます 進捗管理において、支援者側で何か特記事項がある場合に記入します。 (例) A:毎日11時(※本人から申し出がなければ、5分程待って声を掛ける) A B C レポート作成 D E 社内報原稿作成 F 進捗報告 G  月 日( )  月 日( )  月 日( )  月 日( )  月 日( ) 作業管理課題以外の決まった予定など、支援者側が進捗管理において必要な情報を記入します。 10:00 (例) ●月●日 10:00~12:00 就労セミナー 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 備考 シートに保護はかけていません。 各施設で使いやすいよう加工してください。 付録 作業管理支援 Q&A集 作業管理支援Q&A集  作業管理支援に関する質問や今回の改良にともなう実施上のポイントなどをまとめました。作業管理支援実施の際の参考としてください。  また、回答とあわせて参照いただきたいページは次のように示しています。ご確認ください。 第〇章 〇~~~ P〇~ 対象者の選定  編 (P103~P105) Q1-1 どのような人が作業管理支援の対象になりますか? Q1-2 就労経験のない対象者は作業管理課題に取り組むのは難しいですか? Q1-3 作業管理課題に取り組むにあたって事前にどのような準備が必要ですか? 作業管理課題の設定  編 (P106~P115) Q2-1 作業管理課題の設定はどのように行いますか? Q2-2 就労経験がない対象者、マルチタスク課題に取り組んだ経験がない対象者にはどのような作業管理課題を設定するといいですか? Q2-3 5日よりも短い日数で作業管理課題を行うときはどうしたらいいですか? Q2-4 障害別の作業管理課題の設定はどうしたらいいですか? Q2-5 MWSを持っていない場合、どのように作業管理課題の設定を行うといいですか? Q2-6 教示内容はどこまで変更していいですか? Q2-7 対象者の進捗が早く、予定よりも早く作業が終わってしまいそうな場合は、追加指示をしてもいいですか? Q2-8 タスクCのレポート類は変更してもいいですか? Q2-9 「タスクる」は週をまたいで設定することや朝礼等の施設独自の時間を組み込んで設定できますか? Q2-10 タスクGでピッキングを実施する際、途中で薬ビンを戻す必要がありますか? Q2-11 タスクEについて、社内報のメール指示文の締切り時間と教示文の締切り時間が違います。どちらが正しい締切り時間ですか? 対象者への対応  編 (P116~P123) Q3-1 対象者が指示内容をメモしない、できない場合の対応はどうしたらいいですか? Q3-2 最初の指示出しの際に復唱確認を促すなど正しく理解できているか確認した方がいいですか? Q3-3 対象者が作業スケジュールを立てない場合は、どうしたらいいですか? Q3-4 対象者が作業管理課題をプレッシャーに感じ、「できません!」と言った場合は、どうしたらいいですか? Q3-5 対象者が作業管理課題の初日から遅刻、欠席した場合は、どうしたらいいですか? Q3-6 対象者が指示と異なるメモをしている、または、指示と異なるタスクに取り組んでいる場合は、どうしたらいいですか? Q3-7 対象者からタスクに関する質問が多く、指示が終わらない場合は、どうしたらいいですか? Q3-8 日付を間違って伝えていることに対象者が気づかない場合は、どうしたらいいですか? Q3-9 対象者が作業管理課題実施前または途中に体調不良になった場合は、どうしたらいいですか? Q3-10 対象者から「指示を受けていない」と言われた場合は、どうしたらいいですか? Q3-11対象者から締切りに間に合わないタスクについて相談、報告を受けた際の対応はどうしたらいいですか? Q3-12締切りを過ぎても対象者から報告や成果物の提出がない場合はどのように対応したらいいですか? 行動観察  編 (P124~P132) Q4-1 「行動観察シート①-5:不明点を適切な台詞、声の大きさ、態度で質問する」と「行動観察シート①-6:自信がない点について適切な台詞、声の大きさ、態度で確認する」の違いは何ですか? Q4-2 傍から見て確認しにくいことをどう確認したらいいですか? Q4-3 「行動観察シート③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ」はどこまでを指していますか?(フリーアドレスの場合はどうしますか?) Q4-4 「行動観察シート③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する」と「行動観察シート③-5:計画外の行動を抑制する」の違いは何ですか? Q4-5 「行動観察シート③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する」と「行動観察シート③-5:計画外の行動を抑制する」はどのようにアセスメントしますか? Q4-6 「行動観察シート③-6:動揺や焦りをコントロールする」の判断基準は何ですか? Q4-7 「行動観察シート③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ」の判断基準は何ですか? Q4-8 「行動観察シート④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する」はどうやって確認しますか? Q4-9 評価を「レ(場面がなかった)」としてもいいのですか? Q4-10 支援者が対象者の進捗状況を確認するにはどうしたらいいですか? Q4-11 行動観察から対処方法を検討する際にどのように分析したらいいですか? Q4-12 行動観察シートを作成する際に注意することはありますか? Q4-13 評価に迷ったときはどうしたらいいですか? Q4-14 行動観察シートを作業管理支援以外で活用することは可能ですか? 振返り相談 編  (P133~P137) Q5-1 対象者の自己評価と支援者の評価が異なるときはどうしたらいいですか? Q5-2 できなかったことの原因分析が困難なときはどうしたらいいですか? Q5-3 ふりかえりシートのグラフはどのように活用したらいいですか? Q5-4 ふりかえりシートのグラフの見方のポイントはありますか? 対象者の選定  編 Q1-1 どのような人が作業管理支援の対象になりますか?  今回の改良では、以下を対象者としています。 知的な遅れを伴わない発達障害者、精神障害者、高次脳機能障害者 上記のうち求職者、在職者(休職者を含む)  なお、次のような希望がある対象者に実施するとより効果的です。 作業の基本的な流れ(指示受け、作業予定・計画立案、作業実施、結果確認、報告・相談)に課題があるが、対処方法が見つかっていない 現在の作業能力を把握し、今後の仕事選びの参考にしたい  ただし、次のような場合には、実施の可否を検討する必要があります。 対象者が作業管理課題に取り組む必要性を感じていない 作業管理課題のような設定の課題に対応した経験がない 対象者が作業の基本的な流れを把握できていない、または、必要なスキルを習得できていない 自律的な作業管理が行えるよう同一業務を繰り返し行うことで習得を目指すことが有効な場合 習慣化できる範囲内に業務量を調整することが有効な場合 第2章 3 「柔軟な実施方法」の検討 P13 第3章 1 適用対象者の拡大 P18~19 Q1-2 就労経験のない対象者は作業管理課題に取り組むのは難しいですか?   就労経験がない対象者でも、基本的な作業の流れを把握できていれば対応可能です。 就労経験がない対象者の場合、仕事の流れ(指示受け→作業予定・計画立案→作業実施→結果確認→報告・相談)が分からず、作業管理課題への取り組みが難しい場合があります。オリエンテーションを丁寧に行い、仕事の流れを把握するとよいでしょう。対象者の経験によっては、作業管理課題実施前に仕事の流れに沿って作業を経験してもらうことも一案です。 第3章 2 フェイズ1 ~動機づけを高める仕掛け~ P19~P28 Q1-3 作業管理課題に取り組むにあたって事前にどのような準備が必要ですか?   作業管理課題にまったく対応できないという状態を避けるため、表1のような事前準備があると良いでしょう。 表1 作業管理課題を実施するための事前準備 段階 事前準備が必要なこと 内容 実施前 オリエンテーション 作業の流れの把握 指示受け メモ取り 手順書作成技能トレーニング 質問・報告のスキル JST 焦り、怒りなどの対処 リラクゼーション技能トレーニング、アンガーマネジメント 作業予定・計画立案 質問・報告のスキル JST MWSの習得 準備物、作業の手順の把握 作業実施 MWSの習得 準備物、作業の手順の把握 焦り、怒りなどの対処 リラクゼーション技能トレーニング、アンガーマネジメント 結果確認 体調・気分への対処 リラクゼーション技能トレーニング 報告・相談 質問・報告のスキル JST これらの準備は数日で完了するものもあれば、数週間、数か月と時間をかけて取り組む必要があるものもあります。対象者の習得状況に応じて、作業管理課題を実施する時期について検討するとよいでしょう。以下に対象者の状況に応じて作業管理課題の実施をどのように判断しているかの例を記載しました。 例 知識付与やスキル習得が十分でない状態で作業管理課題を実施 ADHD、ASDの診断を受けているBさんは、作業指示を受ける際に自発的にメモを取ることができます。Bさんのメモは作業指示の詳細を省略する、重要な情報が抜けるなど不十分な様子が見られていました。しかし、メモが不十分なことに気がついた場合はBさんから質問や確認することができていたことから作業管理課題にまったく対応できない状況になることはないと想定し、作業管理課題を実施することにしました。 例 知識付与やスキル習得をしてから作業管理課題を実施 高次脳機能障害(記憶障害、注意障害)の診断を受けているCさんは、記憶障害の影響から作業指示を覚えていることが苦手でした。受障前も作業指示のメモを取る習慣がなかったことから現状のまま作業管理課題を実施しても対応できないと考え、Cさんにはメモを取る練習を行い、対処方法を習得してから作業管理課題を実施することにしました。 作業管理課題の設定  編  Q2-1 作業管理課題の設定はどのように行いますか?   対象者の状況と作業管理課題を実施する目的をふまえて設定します。  対象者の状態は、以下について確認、整理します。 体調は安定しているか? 作業管理に必要な知識、スキルの習得はできているか? MWSの手順は習得できているか? 今後の就労の希望は?  作業管理課題を実施する目的は、以下から選択します。  作業管理課題への取組をアセスメントする  対象者の習得している対処方法の効果測定を行う  これらをふまえ、作業管理課題の設定を行います。 本人の状態 体調は安定しているか? 作業管理に必要な知識、スキルの習得はできているか? MWSは習得できているか? 今後の就労の希望は? 作業管理課題実施の目的 作業管理課題への取り組みをアセスメントする 本人の習得している対処方法の効果測定を行う 作業管理課題の詳細 作業管理課題を実施する日数は? 作業管理課題で取り組む作業の種類は? 各作業の難易度は? 本人の障害特性に応じた配慮事項、留意点は? 本人の就労の希望、または、本人の職場に応じた設定は? 図1 作業管理課題の設定の流れ 例 WSSPの受講者に行った作業管理課題の設定は、図2のとおりです。 ①本人の状態の確認 本人の状態 詳細 診断名 •ADHD、うつ病 障害特性 •決められたルールに従ってコツコツと作業に取り組むことが得意 •自発的に見直しを行い、正確性の高い作業ができる •質問や報告は伝え方に悩むことが多い 作業管理支援実施の留意点 •質問や相談、進捗報告の伝え方に悩んでいる場合は、介入する 就労の経験、及び希望 詳細 就労経験 •工場の検品作業(2年) マルチタスク課題に取り組んだ経験 •なし 今後の就労に関する希望 •事務職 作業管理課題に必要な知識、スキル 詳細 習得している作業 タスクA •数値チェック •社内郵便仕分け •検索修正 タスクB •文書入力 タスクD •物品請求書 タスクG •ラベル作成 •ピッキング 知識、スキル 指示受け •付箋にメモを取れる 質問・相談 •うまく言葉にできず悩むことがあるが、概ね質問・相談が可能 焦り・怒りへの対処 •焦りはあるが、作業の手が止まることはない •怒りはこれまでの支援で確認されていない 体調への対処 •元々休憩を取る習慣がないため、本人の様子を確認し、適宜介入する必要がある ②作業管理課題実施の目的の確認 目的 •作業管理課題にどのように取り組むのか、アセスメントを行う ③作業管理課題の難易度の設定 検討する項目 詳細 実施日数 5日間 実施する作業 タスクA 数値チェック  Lv3 5ブロック タスクB 文書入力    Lv2 5ブロック         Lv3 5ブロック タスクC MWSのミスの内容と防止策に関するレポート作成 タスクD 物品請求書作成 Lv2 4ブロック         Lv3 2ブロック タスクE 社内報原稿作成 タスクF 進捗報告    最終日11:00~12:00の間 タスクG ピッキング   Lv2 7ブロック         Lv3 5ブロック ~設定の考え方~ 【実施日数】 •他の支援に影響を及ぼさず、5日間日程を確保することが可能なため5日間を設定 【実施する作業】 •今後の希望職種が事務職であることから事務課題中心に設定 【課題の難易度】 •作業管理課題にどのように取り組むかアセスメントする目的での実施となるため、難易度は低めに設定し、すべてのタスクに手が付けられるようにした 図2 WSSPの受講者に行った作業管理課題の設定 Q2-2 就労経験がない対象者、マルチタスク課題に取り組んだ経験がない対象者にはどのような作業管理課題を設定するといいですか?   対象者の状況と作業管理課題を実施する目的に応じて対象者の作業能率に合わせた作業管理課題を設定するのがよいでしょう。 Q2-1に記載したとおり、作業管理課題の設定は対象者の状況と作業管理課題を実施する目的に応じて検討します。なお、就労経験がない対象者、マルチタスク課題に取り組んだ経験がない対象者には、オリエンテーション資料を使って、仕事の流れを把握してもらうことや事前に作業管理課題のような締切りのある複数課題を実施し、実際の取組のイメージを持ってもらうこともよいでしょう。 例 WSSPでマルチタスク課題に取り組んだ経験がない受講者にどのように作業管理課題を実施したのかご紹介します。 事例概要 本人の状態 詳細 診断名 自閉症スペクトラム、ADHD 障害特性 ・時間に合わせて行動することが苦手 ・スケジュールを立てるのに時間がかかる 作業管理課題実施前の準備 (1)オリエンテーションの実施  本人が仕事の基本的な流れで何ができていて、何が課題と感じているのか振返りを行うため、オリエンテーション資料を使って整理しました。整理した結果、「作業予定・計画」は経験がなく、できていないことが分かりました。 (2)スケジュールの立て方の習得  本人は指示内容をメモすることができましたが、複数タスクがある場合、何から手をつけていいのか分からず、スケジュールを立てることに時間が取られることが想定されたため、作業支援中に図3のようなタスクを本人に指示し、メモを取ってもらいました。 ① 7月14日指示 •数値チェック Lv3 8ブロック •文書入力   Lv4 5ブロック •検索修正   Lv3 10ブロック 7月14日 15:00までに完了する ② 7月17日指示 •物品請求書作成 Lv3 8ブロック 7月18日の14:00まで •社内郵便仕分け Lv4 5ブロック 7月17日の12:00まで •検索修正    Lv3 10ブロック 7月17日の14:00まで 図3 スケジュールを立てる練習のために本人に指示した内容   本人の作成したメモから各タスクを付箋に書き、図4のようにタスクの締切りや本人の作業速度などをふまえて、スケジュールを立てる練習を行いました。 ① 日付 午前 午後 7月14日 検索修正 数値チェック  Lv3 10ブロック Lv3 8ブロック 文書入力  Lv4 5ブロック ② 日付 午前 午後 7月17日 社内郵便仕分け 検索修正  Lv4 5ブロック Lv3 10ブロック 締切り:7/17 12:00 締切り:7/17 14:00 7月18日 物品請求書作成  Lv3 8ブロック 締切り:7/18 14:00 図4 表を活用してスケジュールを立てた例 作業管理課題の設定   作業管理課題を実施する段階では、希望職種が定まっていなかったこと、今回は作業管理課題にどのように取り組むのかをアセスメントする目的での実施としたことから、タスクは本人が経験した作業のみで設定しました。作業の難易度は本人の作業能率に合わせて設定しました(図5)。 作業管理課題の設定 検討する項目 詳細 実施日数 5日間 実施する作業 タスクA 社内郵便仕分け  Lv2 2ブロック タスクB 数値入力    Lv7 20ブロック         Lv8 20ブロック タスクC MWSのミスの内容と防止策に関するレポート作成 タスクD 物品請求書作成 Lv3 8ブロック         Lv4 5ブロック タスクE 社内報原稿作成 タスクF 進捗報告    最終日11:00~12:00の間 タスクG ピッキング   Lv3 3ブロック         Lv3  3ブロック 図5 マルチタスク課題に取り組んだ経験がない人への作業管理課題の設定の例 Q2-3 5日よりも短い日数で作業管理課題を行うときはどうしたらいいですか?  「タスクる」で作業可能時間を把握し、これまでの作業時間を参考に手動で設定します。 現状の「タスクる」は、5日よりも短い日数に対応することができません。ただし、「タスクる」のスケジュールに入力することで、作業管理課題期間中の作業可能時間を把握することはできます。作業時間をふまえて、実施するタスクや各タスクの量を決め、目的に応じた作業管理課題の設定を行いましょう。  なお、「タスクる」の手入力やリストから選択以外のセルは保護が設定されていますが、パスワードは設定されていないため、各施設の状況に合わせて設定を変更することが可能です。 (5日よりも短い日数で実施したケースの作業管理課題の設定例) 3日間で実施。「タスクる」を使用し、タスクA~Gまで設定。期日のみ修正(図6)。 ・作業しない日のスケジュールを個別相談や就労セミナー等で埋めることで、作業管理課題を実施する日数に応じた作業時間を把握できる ・「ブロック数」は普段の本人の作業能力を踏まえて設定 ・「期日」は作業管理課題を実施する日数に応じて変更 図6 5日よりも短い日数で実施したケースの作業管理課題の設定例 Q2-4 障害別の作業管理課題の設定はどうしたらいいですか? 障害種別によって特別に設定を変更する必要はありません。対象者の特性や状況によって、個別に作業管理課題の設定をします。  Q2-1を参考にしてください。 Q2-5 MWSを持っていない場合、どのように作業管理課題の設定を行うといいですか? 各施設にある作業を使ってタスクを設定します。 作業管理課題のタスクA~Gにはそれぞれ仕掛けや特徴があります。各施設で行っている作業がタスクA~Gの仕掛けや特徴を含んでいる、または設定できるものであれば、それらを活用して行います。 なお、支援マニュアルNo.21別冊「ジョブデザイン・サポートプログラム 気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのジョブリハーサル タスクワーク集」にもMWSを活用しないタスクワークが掲載されていますので、それらを活用することも一案です。 例 「ジョブデザイン・サポートプログラム 気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのジョブリハーサル タスクワーク集」を参考にした作業管理課題の設定(図7)   タスク グループ タスクグループの特徴 ジョブリハーサルタスクワーク集 備考 タスクA ・毎日定時(11:00または14:00)に行う 実務作業1-5「チラシの封入作業」 タスクB ・手順は簡易だが課題量が多い 実務作業1-6「販売促進品の作成作業」 タスクD ・締切日時について意図的に間違った情報を与える(1回目) ・作業範囲について意図的に分かりにくい指示を出す(2回目) ・作業のルールが途中で変わる(1回目、2回目共通) 実務作業1-1「物品の袋詰め作業」 袋詰めする物品は施設にあるものを活用 袋詰めする物品の種類や個数を変えることで作業のルールが途中で変わるように設定 タスクG ・「急ぎ」と指示される量の多い追加作業 ・準備や片付けに時間を要し段取りに手間がかかる 実務作業1-4「セミナー開催のための会場準備作業」 備品の準備リストの中に入れる物品は施設にあるものに変更 図7 「ジョブデザイン・サポートプログラム 気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのジョブリハーサル タスクワーク集」を参考にした作業管理課題の設定 Q2-6 教示内容はどこまで変更していいですか? 教示文の「①今からお願いしたい課題を伝えます。」と「【追加作業の教示】」以外は各施設の状況に合わせて変更して構いません。 作業管理課題の教示は指示者が意図的に指示を間違えるなどの設定をしているため、対象者に伝える課題内容と追加指示は変更しないことをおすすめします。それ以外は各施設の状況に合わせて変更して構いません。 Q2-7 対象者の進捗が早く、予定よりも早く作業が終わってしまいそうな場合は、追加指示をしてもいいですか?  作業管理課題実施の目的に応じて検討することが必要です。  対象者が以下のような状態や目的で作業管理課題に取り組んでいるのであれば、追加指示は問題ないと考えます。 対象者がタスクを完了する知識やスキルを十分に習得している 締切りぎりぎりの状態で、どのように対応するかを確認することを目的としている  一方、以下のような状態には追加指示はしないことをおすすめします。 「思っていたよりも早く終わりそう」「締切りまでに余裕がありすぎる」など支援者の印象だけで判断する 支援者からはスムーズに作業を進められており、締切りまでに余裕がありそうだと見えたとしても、対象者の作業スケジュールとしてはぎりぎりになる計算かもしれません。また、対象者は与えられたタスクを一生懸命行い、終りが見えていたのに追加指示を出され、再度スケジュールを練り直す工程が増えたことでタスクが完了しないことも考えられます。 Q2-8 タスクCのレポート類は変更してもいいですか?  変更して構いません。  タスクCは完成形のイメージと完成までの手順を自ら見出すレポート作成課題という特徴があるタスクです。この特徴をふまえていれば、対象者に合わせてレポート作成課題を変更して構いません。  WSSPでは支援マニュアルNo.21別冊「ジョブデザイン・サポートプログラム 気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのジョブリハーサル タスクワーク集」を参考にレポート作成課題を設定することがあります。 Q2-9 「タスクる」は週をまたいで設定することや朝礼等の施設独自の時間を組み込んで設定できますか?  できます。  WSSPでは、週3日プログラムに参加している受講者には、週をまたいで5日間の作業管理課題を設定することや朝礼等の時間を予め作業時間から除いて作業管理課題の設定を行っています。 Q2-10 タスクGでピッキングを実施する際、途中で薬ビンを戻す必要がありますか?  戻す必要はありませんが、一部のレベルにおいて使用する薬ビンが重なるため、設定を調整する必要があります。 使用する薬ビンが重なるもの  レベル5-1とレベル5-20  レベル6-2とレベル6-19  これらは使用する薬ビンが重なるため、作業管理課題の設定を行う際に注意が必要です。 Q2-11 タスクEについて、社内報のメール指示文の締切り時間と教示文の締切り時間が違います。どちらが正しい締切り時間ですか?  教示文の締切り時間が正しいです。  対象者に渡す社内報の指示文は、支援者あてに広報課から送られてきたメールの写しです。メールの締切り時間は広報課に提出する最終期限であり、支援者は対象者から提出された社内報原稿を確認したうえで広報課に提出する設定としていることから指示文はメールに記載された締切り時間よりも早い時間を設定しています。 対象者への対応  編  Q3-1 対象者が指示内容をメモしない、できない場合の対応はどうしたらいいですか?  指示受けに関して配慮が必要な場合を除いて、基本的には対象者がどのように対応するか観察します。 作業管理支援では、対象者が作業管理課題にどのように取り組み、何ができているのか、対処が必要なことはあるのかを整理します。よって、基本的には支援者から介入はせずに観察を行います。  ただし、これまでの支援で「対象者が指示をメモするよりも指示者から指示内容をまとめた文書を渡してもらう」方が望ましいと整理できている場合は、支援者が事前に指示内容を取りまとめ、対象者に渡します。図8を参照ください。 数値チェック  ・毎日、11時に行い、必ず12時に完了。課題は午後に持ち越すことはできません。 ・その日に実施する課題はスタッフが用意しています。 文書入力 ・金曜日の15時までに行ってください。 ・Lv2を8ブロック、LV3を6ブロック行ってください。 MWSのレポート作成 ・金曜日の15時までに行ってください。 ・これまで経験したMWSのミスの内容と防止策を記載してください。 作業日報集計 ・11月12日(木)の15時までに完了させてください。 ・Lv3を11ブロック、Lv4を4ブロック行ってください。 ・Lv3は総計の不良率欄のみ小数点第2位を切り上げで計算してください。 ・Lv4は総計の不良率欄のみ小数点第2位を四捨五入で計算してください。 社内報の原稿作成 ・11月12日(金)をめどにお願いします。 ・最遅で11月19日の午前中に提出してください。 作業の進捗報告 ・最終日の11時から12時の間に行ってください。 図8 対象者に提示している指示内容  その他、指示内容をメモする代わりにボイスレコーダー等を活用し、録音することも一案です。まずは、どのような対処をするとできるのかを把握するためにさまざまな対応を検討するとよいでしょう。しかし、在職者(休職者含む)においては、職場でできる対処かどうか検討する必要があります。 Q3-2 最初の指示出しの際に復唱確認を促すなど正しく理解できているか確認した方がいいですか?  支援者から復唱確認を促すことはありません。基本的には対象者がどのように対応するか観察します。 作業管理支援では、対象者が作業管理課題にどのように取り組み、何ができているのか、対処が必要なことはあるのかを整理します。よって、基本的には支援者から介入はせずに観察を行います。 Q3-3 対象者が作業スケジュールを立てない場合は、どうしたらいいですか? 基本的には対象者がどのように対応するか観察します。 「作業スケジュールを立てる必要性が分からない」「作業スケジュールを立てるのが面倒」などの理由によって、作業スケジュールを立てない対象者もいます。作業スケジュールを立てる、立てないは対象者の自由です。支援者から作業スケジュールを立てることを強要しないように注意しましょう。 また、作業スケジュールを立てずに作業管理課題に取り組んでいる場合は、観察できる範囲でどのような工夫をしているからできるのか把握できるとよいでしょう。 Q3-4 対象者が作業管理課題をプレッシャーに感じ、「できません!」と言った場合は、どうしたらいいですか? 基本的には取り組んでもらうよう促します。 しかし、促した後も作業が進まない、気分が大きく下がる場合などは、対象者の様子を確認し、時には中止の判断をします。  WSSPでは、作業管理課題の指示を出している途中に「できない!」と主張する受講者がいました。その受講者には「○○さんのこれまでの作業の様子から、きっと終わると思う作業量を設定しているので、まずは取り組んでみてください。」と促すことがありました。また、作業管理課題が対象者にとって大きなプレッシャーになったり、対象者が不安を強く感じることが想定された場合は、事前に作業管理課題のような締切りのある複数課題を指示し、取組の様子を確認するといった対応を行いました。 Q3-5 対象者が作業管理課題の初日から遅刻、欠席した場合は、どうしたらいいですか?  作業管理課題の初日に遅刻、欠席した場合は、作業時間を修正し、作業管理課題の設定を修正したうえで、作業管理課題を始められるとよいでしょう。 到着時刻の見通しが立たない場合などにより事前の調整が難しい場合には、対象者到着後に予定していたタスクの一部を減らす等の対応を図るとよいでしょう。 Q3-6 対象者が指示と異なるメモをしている、または、指示と異なるタスクに取り組んでいる場合は、どうしたらいいですか?  基本的に対象者の行動観察を行います。 指示と異なるメモをしていたり、指示と異なるタスクに取り組んでいることが分かっても基本的にスタッフから介入はしません。ただし、対象者から質問、相談、報告があった場合は、指示と異なっていることを伝えます。 Q3-7 対象者からタスクに関する質問が多く、指示が終わらない場合は、どうしたらいいですか?  指示内容の確認や疑問点の解消のための質問には時間がかかっても対応します。一方で、支援者に答えを求めるような質問は、まずは対象者に考えてもらうように促します。 例 対応する必要がある質問 対象者:数値チェックはLv2から2ブロック分で良かったでしょうか? 支援者:はい。そのとおりです。 対象者:社内報は自分のことを書くということでよろしいでしょうか? 支援者:はい。そのとおりです。 例 対象者に考えてもらうように促す質問 対象者:MWSのレポートってどんなことを書いたらいいですか?ミスの数ですか?よく分からないな…。 支援者:MWSのレポートは、これまで経験したMWSのミスの内容と防止策を書いてください。まずは○○さんが思うように書いてみてください。 Q3-8 日付を間違って伝えていることに対象者が気づかない場合は、どうしたらいいですか? 基本的には間違いを訂正せずに対象者の行動観察をします。 作業管理課題の指示の一部には、あえて日付と曜日を間違えて伝えている箇所があります。日付を優先するか、曜日を優先するのかによって締切りが異なります。対象者が曜日を優先した場合は、締切りに影響はありませんが、日付を優先した場合は、次のような対応が必要です。 日付を優先した場合の対応例① 締切りを過ぎても課題の提出がなかった場合に、対象者に声をかけます。 支援者:○○さん、 作業日報集計(タスクD)は今日が提出締切りですが、提出できそうですか? 対象者:え?締切りは△日と指示されたと思うのですが…。 支援者:いえ、作業日報集計は今日が締切りです。提出はできそうですか? 対象者:作業日報集計は△日が締切りだと思っていたので、まだ終わっていません。 支援者:△日には終わりそうですか?△日に終わるようなら作業日報集計は△日に提出してください。 ※この例では、対象者が認識していた締切りまで提出期限を延ばす対応をしていますが、対象者の状況に応じて、対象者ができているところまでで提出してもらうという対応でも構いません。 日付を優先した場合の対応例② 締切りを過ぎても課題の提出がなかった場合に、対象者に声をかけます。 支援者:○○さん、作業日報集計(タスクD)は今日が提出締切りですが、提出できそうですか? 対象者:え?締切りは△日と指示されたと思うのですが…。 支援者:いえ、作業日報集計は今日が締切りです。提出はできそうですか? 対象者:指示を受けたときは△日と言われたと思います!指示が間違っていませんか? 支援者:もしかしたら、指示を間違えて伝えていたかもしれません。ただ、作業日報集計は今日までに提出が必要だったので、急ぎ提出してほしいです。いつ提出できそうですか。 対象者:△日には提出できると思います。 Q3-9 対象者が作業管理課題実施前または途中に体調不良になった場合は、どうしたらいいですか?   体調不良となった場合、対象者の状況によってさまざまな対応があります。以下、図9および図10に対応例を紹介します。 (例)作業管理課題実施前に対象者が作業管理課題がうまく実施できるか不安で休む ・対象者の体調、気分 ・対象者の考え を聞き取る 不安軽減や取組を促す声掛けをする 取り組んでみようと思えた 作業管理課題の実施 振返り相談で「不安があっても取り組めた理由」を確認 声掛けの例 「○○さんのこれまでの作業を踏まえて、きっと終わるように課題を設定しています。取り組んでみませんか?」 「この作業は今できていることや今後対処が必要なことを検討するためのものです。できていることを確認する機会でもあるので、取り組んでみませんか?」 不安が強く取り組めない 不安時の対処方法を検討 リラクゼーション技能トレーニングの実施 図9 作業管理課題実施前に体調を崩した場合の対応 (例)作業管理課題2日目に対象者が「できそうにない」と考えて休んだ ・対象者の体調、気分 ・休んだ要因 ・対象者の考え を聞き取る 不安軽減や取組を促す声掛けをする 作業管理課題を継続 スケジュール、作業の進捗状況に応じて締切りの延長などを検討 振返り相談で取り組めた理由を必ず確認する 声掛けの例 「今回のようにできそうにないと感じたけど、やってみたらできたという経験はありませんか?」 「この作業は、課題を完璧にこなすことを目指しているものではありません。○○さんができていることを確認するために取り組んでみませんか?」 作業管理課題を中止 「できそうにない」「続けられそうにない」と考えた理由の振返り 図10 作業管理課題中に体調を崩した場合の対応例  その他、WSSPでは、作業管理課題実施前または途中で対象者が休む、遅刻する、早退する場合、次のような対応をしています。  作業管理課題当日に遅刻する場合、作業指示を出す前に各タスクの締切りや量などをスタッフが調整する(Q3-5参照)  作業管理課題の指示を出した後に欠席、遅刻、早退した場合、各タスクの締切りや量などについて、対象者から相談してくるかアセスメントする Q3-10 対象者から「指示を受けていない」と言われた場合は、どうしたらいいですか?  「指示を受けていない」と認識しているタスクについて、どのように対応するか対象者と相談します。  作業管理課題にはさまざまな仕掛けが設定されており、完成形を支援者が具体的に示さないこともあります。それにより、対象者が「指示を受けていない」と感じることがあります。この場合、支援者は「指示を伝えたか、伝えていなかったか」に着目するのではなく、対象者が「指示を受けていない」と気づいたタスクに対して、どのように取り組むことが適切か考えてタスクに取り組むよう促します。 Q3-11 対象者から締切りに間に合わないタスクについて相談、報告を受けた際の対応はどうしたらいいですか?  対象者の状況に応じて、次のような対応を取ることがあります。 ①どこまでできそうか対象者に検討してもらい、できるところまで取り組んでもらう  この対応は、支援者が「対象者のスケジュールの立て方を把握したい」「これまでスケジュールの立て方に課題が見られたため、対処行動を取る機会としてほしい」などの考えがある場合に行います。 ②今できているところまでを提出してもらい、残りはスタッフで対応すると伝える  この対応は、支援者が「今取り組んでいるタスクよりも別のことに取り組んでもらいたい」と考えている場合に行います。 ③締切りを延長すれば対応できそうなのか対象者に整理させ、締切りを延長する  この対応は、支援者が「対象者のスケジュールの立て方を把握したい」「これまでスケジュールの立て方に課題が見られたため、対処行動を取る機会としてほしい」などの考えがある場合に行います。 Q3-12 締切りを過ぎても対象者から報告や成果物の提出がない場合はどのように対応したらいいですか?  締切り後に支援者から対象者に状況を確認します。  作業管理課題には、あえて日付と曜日を間違えて伝えているタスクもあるため、対象者と支援者の締切りの認識が異なっていて、対象者からの報告や成果物の提出がない場合があります。対象者からの報告や成果物の提出がない場合には、対象者の状況を確認するための声かけを行います。 例 「○○さん、文書入力は今日の12時が提出期限でしたが、どうなっていますか」 行動観察  編 Q4-1 「行動観察シート①-5:不明点を適切な台詞、声の大きさ、態度で質問する」と「行動観察シート①-6:自信がない点について適切な台詞、声の大きさ、態度で確認する」の違いは何ですか?  「行動観察シート①-5:不明点を適切な台詞、声の大きさ、態度で質問する」は、疑問に感じていることを質問したかとなり、「行動観察シート①-6:自信がない点について適切な台詞、声の大きさ、態度で確認する」は、理解しているが、不安に感じることを確認したかを指します。 Q4-2 傍から見て確認しにくいことをどう確認したらいいですか?  行動観察シートで観察した際、確認できなかった項目の評価欄は空欄にします。 「行動観察シート③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する」や「行動観察シート③-6:動揺や焦りをコントロールする」は対象者の内省に関することのため、支援者が観察で確認することは難しいかもしれません。行動観察シートの項目はすべて網羅する必要はなく、確認できた場合にアセスメントを行います。  対象者の内省に関する項目がアセスメントできる場面としては、表2のような場面があります。 表2 対象者の内省に関する項目がアセスメントできる場面 項目 アセスメントできる場面 ③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する  締切りが迫っているが、他の作業を優先させたとき ③-6:動揺や焦りをコントロールする  追加指示があったとき  作業ミスの指摘があったとき  締切りが迫っているが支援者から修正を求められたとき ③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ  締切りが近づいたとき  作業ミスの指摘があったとき  締切りが迫っているが支援者から修正を求められたとき Q4-3 「行動観察シート③-1:机上など作業環境を整理された状態に保つ」はどこまでを指していますか?(フリーアドレスの場合はどうしますか?)  誰が見ても整理整頓された机上を求めてはいません。 例えば、対象者がメモを取りたいと思ったときに机が整理整頓されておらず、メモを探すのに時間を要する場合は、評価を「-」としています。机上は整理整頓されているとは思えないが、必要なものを対象者がすぐに取り出すことができるように配置されている場合は評価を「+」としています。  ただし、共用で使用する机の場合は周囲の人の迷惑になっていないかなどの視点も必要になります。対象者はすぐに必要なものを取り出せても、隣の席にまで書類等が置かれているなどの場合は評価を「-」とします。  フリーアドレスの席の場合は、共用で使用する机と同様に考えます。 Q4-4 「行動観察シート③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する」と「行動観察シート③-5:計画外の行動を抑制する」の違いは何ですか?  「行動観察シート③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する」は、締切りや作業量などに応じて適切なタイミングで作業を始めることができたかとなり、「行動観察シート③-5:計画外の行動を抑制する」は作業管理課題と関係のない作業をしていないかを指します。 Q4-5 「行動観察シート③-4:苦手な作業を後回しにせず、適切なタイミングで作業を開始する」と「行動観察シート③-5:計画外の行動を抑制する」はどのようにアセスメントしますか?   事前に対象者が苦手とする作業や作業管理課題の計画を共有できていれば、それに沿ってアセスメントを行います。 いずれも対象者が苦手な作業は何か、どのような計画で作業管理課題を進めていたかを知らなければアセスメントはしにくい項目です。また、作業管理課題に組み込んでいる作業が対象者にとって苦手か分からない、作業管理課題をどのように進めようとしているのか分からない場合は、対象者の内省に関する項目になるため、Q4-2「傍から見て確認しにくいことをどう確認したらいいですか?」の対応を参考にします。 Q4-6 「行動観察シート③-6:動揺や焦りをコントロールする」の判断基準は何ですか? 動揺や焦りによって周囲に影響をおよぼしていたかどうかで判断します。 急な予定変更や追加で急ぎの仕事を依頼されると動揺したり、焦ることがあります。その際に動揺や焦りによって、大きな声を出したり、相手の都合を考えずに話し続けることがあれば、評価は「-」となります。 Q4-7 「行動観察シート③-10:締め切りに間に合わないかもしれないと考えたり、ミスをしたり、計画通りに進まなかった場合に生じる動揺、いら立ち、落ち込みなどをコントロールし、平静を保つ」の判断基準は何ですか? 考えや感情によって作業の手を止めることなく、作業を続けることができたかどうかで判断します。 「行動観察シート③-6:動揺や焦りをコントロールする」と同様に作業管理課題中にはさまざまな考えや感情が生じることがあります。その際に、その考えや感情をコントロールし、作業を継続することができたかどうかを確認し、作業を継続することができていれば、評価は「+」とします。 Q4-8 「行動観察シート④-2:スケジュールと作業遂行状況を照らし合わせ、計画通りに進んでいるかを確認する」はどうやって確認しますか? 対象者の行動観察や事前に作業管理課題に取り組むスケジュールを共有できていれば、それに沿ってアセスメントを行います。 行動観察から把握できない、スケジュールを共有していない場合は、わからないこともあります。その場合は、行動観察からアセスメントしようとせず、振返り相談時に対象者から聞き取るとよいでしょう。 Q4-9 評価を「レ(場面がなかった)」としてもいいのですか?  問題ありません。 行動観察シートは作業管理課題中の対象者の行動をアセスメントしやすくするために項目を多く設定しています。対象者の就労経験やマルチタスクに取り組んだ経験の有無によって見えてくる行動は変わります。行動観察シートでは、そのときの対象者はどのような行動を取っていたのか、何ができていて、何は対処が必要なのかを整理できれば十分です。  また、行動観察シートに書いてある行動を取っていなかった場合、それを課題とするのは注意が必要です。その行動を取る必要があるのに、取っていなければ、課題になりますが、その行動を取らなくても問題なく作業が終えられているのであれば、課題にはなりません。支援者が対象者に行動観察シートどおりの行動を求めないことも大切です。 Q4-10 支援者が対象者の進捗状況を確認するにはどうしたらいいですか?  基本的には対象者からの進捗状況の報告を待ちます。  作業管理課題はタスクFに進捗報告を設定しており、それ以外の場面で対象者の進捗状況を把握する方法は行動観察に限られます。  タスクF以外にも対象者の作業の進捗を把握したい場合は、進捗報告のタイミングを設定し、タスクとすることで対応可能です。ただし、進捗報告という新たなタスクを設定することで、対象者の負担が増える、他のタスクに影響するなどの可能性があります。新たに進捗報告をタスクとして設定する場合には、こういった影響を十分考慮する必要があります。  なお、WSSPでは、対象者の進捗状況を把握しやすくするために次の図11のようなシートを作成し、支援者間で共有しています。シートのデータは巻末資料にも入れておりますので、必要に応じて活用ください(巻末資料には図11のほか、参考にもう1種類シートを掲載しております)。 巻末資料 支援者用進捗確認票 P96~97 作業管理課題 ①   タスクと結果   10月20日(月) ~ 24日(金) ・数値チェック Lv3  毎日11時 ~ 10月20日(月) 3-21 合計 抜け  正解 10月21日(火) 3-25 3-26 3-27 3-28  不正解 10月22日(水) 3-29 3-30 3-31 3-32  未提出 10月23日(木) 3-33 3-35 合計 抜け 10月24日(金) 3-37 3-38 3-39 3-40 ・数値入力 Lv1  10月24日(金)15:00までに 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 ・数値入力 Lv2  10月24日(金)15:00までに 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 ・物品請求書 Lv1  10月23日(木)15:00までに   Lv1は消費税率を8%  1-10 税・合計 1-11 品番 1-12 ・物品請求書 Lv2  10月23日(木)15:00までに   Lv2は消費税率を10%  2-12 ・MWSレポート  10月24日(金)15:00までに  ・社内報の原稿作成  10月24日(金)をめどに もしくは 10月31日 午前中   ・進捗報告  最終日の11:00~11:15の間に 差し込み作業 10月21日(火) 朝礼後に差し込み ・ピッキング L1  10月22日(水)12:00までに 1-8 1-9 1-10 1-11 1-12 1-13 1-14 ・ピッキング L2  10月22日(水)12:00までに 2-6 2-7 2-8 2-9 2-10 図11 支援者用進捗確認票(例) Q4-11 行動観察から対処方法を検討する際にどのように分析したらいいですか? 作業管理支援では行動観察シートをもとに、生じている課題と関連が予想される実行機能や作業管理を妨げる要因などについて仮説を立て、必要な対処方法を検討していきます。   第3章 3 フェイズ2・3~なぜできているのかへの視点の転換~ P28~35 行動観察シートをもとにした分析は認知心理学の要素が多いと考えられますが、これだけでは効果的な対処方法がみつからないこともあるかもしれません。この場合には、実行機能など個人の要因に注目し過ぎず、行動分析(ABC分析※)の視点も取り入れてみることが一案です。  ※ABC分析   A(Antecedent:先行刺激):その行動が起こる直前の状況や引き金となる環境。   B(Behavior:行動):ターゲットとなる行動そのもの。   C(Consequence:結果):その行動の後に生じる結果。その行動が今後も繰り返されるかにどう影響するか。 例 「次の予定があるのに今やっている仕事を切り上げて、次の行動に移れない。このため、定例ミーティングの時間に遅れることがある。」 作業管理支援の視点 実行機能のうち「シフト」に課題があると想定 →(提案)タイマーの使用 →(結果)タイマーが鳴っても直前に行っている作業を優先する 行動分析の視点 遅れても指摘を受けるだけで、ミーティングには参加させてもらえているため、対象者にとってデメリットにはなっていないと想定 ※ミーティングに間に合うよう行動するよりも、区切りのいいところまで作業を進められた達成感の方がメリットとして大きい →案:ミーティングの司会(定型的)を任せる    ※対象者の役割意識や意欲などに注目し、「遅れたらミーティングに参加できない」などの方法よりも、対象者がメリットを感じやすい方法を提案。 上記の事例では、「シフト」にこだわりすぎるとタイマーや付箋の使用など区切りの付け方に注目し過ぎてしまい、効果が出ないことで対象者、支援者ともに「どうしようもない」と諦めてしまうかもしれません。このような場合には一度、実行機能の視点から離れ、行動分析の視点に切り替えて検討してみることも一案です。 Q4-12 行動観察シートを作成する際に注意することはありますか?  支援者の経験やこれまで対象者に実施してきた支援内容によって、判断に差が生じる可能性がある項目のアセスメントは注意が必要です。  例えば、「指示受け」の項目にある「①-7:冷静さを維持し、相手のミスを責めることなく事実の確認を行う」です。対象者の特徴として、怒っていないのに怒っているように聞こえる話し方になる場合、対象者の言い方だけで判断すると正しくアセスメントができない可能性があります。それまでの支援でかかわってきたときと同じような言い方だったのか、普段とは異なり、相手の非を責めるような言い方だったのか観察が必要です。なお、これまでの支援で相手を責める様子もなく、過去のエピソードからもそういった状況が把握できていない対象者が、作業管理課題に取り組む中で相手を責めるような言い方をした場合は、その場で判断することは難しくなります。この場合は、支援者から見て相手を責めているように感じたかどうかなど、支援者が感じた感想に留めておき、後日行う振返り相談の中で整理することが望ましいでしょう。 Q4-13 評価に迷ったときはどうしたらいいですか?  行動観察をしているその場で評価する必要はありません。そのときの対象者の行動やその行動を見て支援者が感じたことを記録しておき、後で支援者間で検討するとよいでしょう。  WSSPでは、対象者のこれまでの様子や現在取り組んでいることをふまえて、評価基準を支援者間で事前に共有しています。事前に想定できなかった行動に対する評価については、毎日プログラム終了後に行っているミーティングで共有し、評価を検討しています。 Q4-14 行動観察シートを作業管理支援以外で活用することは可能ですか? 例えば、ジョブコーチ支援の初期で行うアセスメントにおいて、行動観察シートを参考資料の一つとして活用することは可能だと考えます。 地域センター等からのヒアリングにおいて、高い作業管理能力が必要と考えられる業務に就いている対象者について、行動観察シートも参考にアセスメントを行い、作業管理上のどこで課題が生じているか、どういった対処方法を提案できるかなどの参考にしたという事例がありました。 ただし、特に実践報告書No.39の「行動観察シート」では、使用の際に注意を要します。表出している課題は対象者の作業管理能力からくるものと言い切ることはできず、職場環境やその日の対象者の体調、思考の傾向などさまざまな影響が考えられることをふまえ、アセスメントを行うことをおすすめします。 さらに、別の活用場面として、複数の支援者で対処方法を検討する際、行動観察シートを用いて意見のすり合わせを行うなどの使い方も一案です。 振返り相談 編  Q5-1 対象者の自己評価と支援者の評価が異なるときはどうしたらいいですか?  振返り相談では、対象者の自己評価と支援者の評価を必ずしも合致させる必要はないと考えています。 ただし、次のような場合には対象者の自己評価とのすり合わせは必要です。 対象者の自己評価が過小評価になっている場合の対応例 対象者ができていると判断してよいか迷って過小評価となった場合には、実際に対象者が取った行動を確認します。支援者から見てできていると判断できる場合には、「+(できた)」に評価を変更しますが、対象者もできていたと自覚できるようにする必要があります。 支援者:「指示受け」の「①-1:直前の行動や思考から離れて、指示を聞くことに集中する」は「±(できたり、できなかったりした)」となっていますね。指示を受ける時は指示以外のことを考えていましたか? 対象者:聞くだけでなく、メモを取ることも考えていました。 支援者:では、指示に集中できていませんでしたか? 対象者:いいえ、正しくメモしようと思っていたので…聞いていました。 支援者:指示を受ける時は他のことを考えたりせず、集中していたんですね。では、「±(できたり、できなかったりした)」と評価したのは、どんなときにどのような行動を取っていたからですか? 対象者:うーん。これはちゃんと指示聞けていますね。ここの評価は「+(できた)」でいいですね。 【対応のポイント】 その行動に至る過程に細分化し、質問する 対象者がそのときに取っていた行動を具体的に質問する 対象者の自己評価が過大評価になっている場合の対応例 対象者の自己評価が過大評価になっている場合、自己評価を見直すよう働きかける必要はありませんが、生じている課題を共有し、対処方法を検討することが必要です。このとき、対象者、支援者ともに主観の主張にならないよう留意します。 場面 「完成形の明確化」に対して対象者は「+」、支援者は「-」としています。実際の場面では、対象者はアンケートの取りまとめの完成形を支援者と共有せずに提出し、支援者からやり直すように指示を受けています。 ①不適切な例 支援者:「完成形の明確化」の自己評価はどうなりましたか? 対象者:「+」になりました。 支援者:「+」になったんですね。では、「完成形の明確化」が「+」にできた要因を教えてください。どのような行動をしたので、できたと思いますか? 対象者:分からないところは聞こうと思っていて、作業中に指示者に質問できました。 支援者:分からないところは聞こうと意識していたので、実際に指示者に質問することができたのですね。では、アンケートの取りまとめはどうでしたか? 対象者:作成して提出したら、指示者から「完成形のイメージが違う」と言われて、やり直しました。でも、事前に指示者から完成形のイメージは言われてなかったんです。 支援者:今回のアンケートの取りまとめのような完成形が具体的でないタスクでは、指示者と完成形を確認することが必要なんですよ。作成する前や作成途中で完成形が指示者のイメージと一緒か確認していなければ、この項目は「-」になると思います。○○さんは、質問や相談はしましたか? 対象者:完成形に関して特に疑問はなかったので、質問や相談はしていません。事前にアンケートの取りまとめの完成形を指示者が説明するべきだったと思います。 支援者:確かに指示者から事前に説明することも必要だったかもしれませんね。ですが、今回のようなタスクの場合は○○さんから指示者に確認してほしかったと思います。 対象者:そうですか…。 【対応の不適切なところ】 対象者、支援者が「言われていなかった」や「~してほしかった」というお互いの意見を主張するだけになっている ②適切な例 支援者:「完成形の明確化」の自己評価はどうなりましたか? 対象者:「+」になりました。 支援者:「+」になったんですね。では、「完成形の明確化」が「+」にできた要因を教えてください。どのような行動をしたので、できたと思いますか? 対象者:分からないところは聞こうと思っていて、作業中に指示者に質問できたので、できました。 支援者:分からないところは聞こうと意識していたので、実際に指示者に質問することができたのですね。アンケートの取りまとめはどうでしたか? 対象者:作成して提出したら、指示者から「完成形のイメージが違う」と言われて、やり直しました。でも、事前に指示者から完成形のイメージは言われてなかったんです。 支援者:イメージが違うと言われて、やり直したんですね。今回、アンケートの取りまとめが完成形の明確化が必要なタスクでしたが、「+」と評価したのは、どのような行動ができていたからですか? 対象者:期限までに提出できたので、「+」にしました。 支援者:完成形を明確にするために行動したことはありますか? 対象者:んー。特に何もしてません。 支援者:期限までに課題を完了させたのは、責任感のある行動で、素晴らしいと思います。ただ、今回は指示者と完成形を明確にする行動は取らずにタスクを完成しているので、「完成形の明確化」という項目の評価は「-」になると思いましたが、どう思いますか? 対象者:確かに「-」になるかもしれません。でも、指示者が事前に説明してくれたらできたと思います。 支援者:確かにそうですね。事前に説明があったら、やり直しせずに対応できたかもしれません。ただ、実際の仕事では、今回のように事前の説明がないこともあります。こういった完成形が明確でないタスクの場合には、指示者と完成形のイメージをすり合わせるための行動を取れるとよりよくなると思いますよ。 【対応のポイント】  その評価とした根拠を答えてもらう (例)「進捗報告は、事前に進捗状況をノートに取りまとめてから報告に行けたので、+としました。」 *「○○は、△△なので□□です。」という答え方をしてもらうと根拠を確認しやすくなります。 【支援者からの伝え方のポイント】  支援者の意見を押し通そうとするのではなく、上記【対応のポイント】で確認した内容について、受容や共感、肯定的な反応を示し、そのうえで対応策の検討に進めます。 Q5-2 できなかったことの原因分析が困難なときはどうしたらいいですか? できなかったことの原因分析は、 ①対象者に役割の認識があったか ②役割の認識はあったが、やり方や経験が不足していたためにできなかったのか ③役割の認識はあり、普段はできているが、今回はできなかったのか という視点で対象者に質問したり、状況を一緒に確認すると把握しやすくなります。  また、支援者は原因を分析できているが、対象者への伝え方に悩むこともあり得ます。例えば、支援者は対象者が役割の認識が不足していたために行動できなかったと捉えているが、対象者は周囲のサポートがなかったからできなかったと考えている場合です。この場合は、普段できているときに周囲が対象者をどのようにサポートしているのかを対象者と共有し、今回の結果はそのサポートがなかったことで起きたこととして説明します。この説明をすることで対象者が普段どのようなサポートを周囲から受けているのか把握することになり、今後の対処を自己対処とするのか、これまで受けていたようにサポートを他者に求めるのか検討する機会にもなります。 できなかったことの分析は対処方法を検討しやすくするために実施しています。よって、対処方法の検討ができるのであれば、その原因を追究する優先度は低いといえるでしょう。 Q5-3 ふりかえりシートのグラフはどのように活用したらいいですか?  ふりかえりシートのグラフは振返り相談にて活用します。振返り相談中のグラフを提示するタイミングは対象者の状況に応じて見計らいます。 例 振返り相談の冒頭でグラフを提示し、各作業工程でできたことを振り返ったり、対処策を検討したりする 振返り相談の最後に提示し、作業管理課題全体の振返りに活用する  特に、「作業スキル発見ノート」を使って振返り相談を行う場合は、提示するタイミングを調整する必要があります。グラフを提示すると相談に集中しにくくなる対象者やどの資料を見ればいいのか分からなくなる対象者などの場合は、相談の最後に提示するなどの対応も必要です。 Q5-4 ふりかえりシートのグラフの見方のポイントはありますか? 第1回グラフは、各作業工程の自己評価が視覚化されることで、対象者が「+(できた)」と評価した作業工程と「±(できたり、できなかったりした)」や「-(できなかった)」と評価した今後対処が必要と思われる作業工程が分かります。また、対象者が「自分ではできていると思っているが、周囲から見てもできたと言えるか自信がない」等と考え、自己評価を下げている場合もあります。支援者は、対象者が「+(できた)」や「±(できたり、できなかったりした)」と自己評価した項目に着目し、その行動を取るために対象者が取り組んでいることを対象者と共有することが必要です。 第3章  3 フェイズ2・3 ~なぜできているのかへの視点の転換~ P33~P35 第2回グラフは、第1回の結果をふまえて、対処を検討した上で実施しているため、第1回に比べてどの作業工程がどのように変化したのか把握しやすくなっています。対処方法を検討した上で実施しているため、第2回は各作業工程の「+(できた)」や「±(できたり、できなかったりした)」が増える場合が多いでしょう。しかし、新たに対処方法を実施したことで、第1回でできていたことができなくなることもあります。WSSPの受講者の中には、第1回の作業管理課題でスケジュールを立てずにタスクに取り組んだ結果、タスクが完了しない、定例作業を忘れる方がいました。第2回に向けて、スケジュールを立てる練習をし、第2回はスケジュールを立て、タスクを忘れることなく完了することができましたが、進捗報告を忘れてしまいました。対象者と振り返ったところ、「第1回は、進捗報告を忘れないように付箋に書いて机に貼っていました。第2回では、スケジュールを作るのに夢中になって、進捗報告の付箋を書き忘れてしまった。スケジュールに進捗報告を組み込むべきだった。」と話していました。このため、進捗報告もタスクの1つとし、スケジュールに組み込むことにしました。 このように、新しく取り入れた対処方法は効果があるのか、ほかの行動に影響が生じてないか実践をとおして確認し、対処方法の精度をさらに向上させていく取組が重要です。 障害者職業総合センター職業センター実践報告書No.43 作業管理支援の改良 発 行 日    令和8年3月 編集・発行    独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター職業センター             所在地:〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉3-1-3 電 話:043-297-9043(代表) URL:https://www.nivr.jeed.go.jp 印刷・製本   株式会社 コームラ この成果物の著作権の取扱いについては、著作権法及び当機構の規程(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページを参照)の定めるところによるものとし、ご利用なさる方は著作権法で認められている範囲を逸脱しないように、文化庁の著作権に関するサイト等をご確認いただき適切なご利用をお願いします。                           当機構ホームページ「著作権・免責・リンク」  https://www.jeed.go.jp/general/copyright/index.html ISSN 1881-0381 リサイクル適性A この印刷物は、印刷用の紙へリサイクルできます。 (表紙とCDを除く)